電話対応が本当に苦手で、事務所に行くのが憂鬱…。
こんなお悩みをかかえる若手社員が、実は多いという現状をご存じでしょうか?
電話がかかってきた時や、自分から電話をかけないといけない状況になった時に、ストレスを感じる人の割合を調べた調査結果では、なんと全体の約4割もの人が、電話に対して「恐怖心」を持っているということがわかりました。
(※引用:電話がニガテな人=「電話恐怖症」が増えている!?意識調査から読み解く、現代のコミュニケーション事情)
こういった電話に恐怖心を感じる裏側には、過去に電話でしてしまった失敗のトラウマによるものや、失敗してしまったらどうしよう…という不安感から生じている場合がほとんどです。
しかし、電話対応は、人と人での対応ですから、今ではミスなく堂々と電話対応をしている先輩たちも、大なり小なり、電話対応での失敗を経験してきています。
今回は、こういった失敗談を通して、同じ失敗をしないための工夫や、もし、失敗してしまった時のリカバリー方法などをお伝えします。
若手社員がやってしまいがちな電話での失敗例
最初に、特にビジネス向けの電話対応に慣れていない新入社員などがやってしまいがちな電話対応の失敗例をご紹介します。
こちらの電話対応のどこが間違っているのか、どうするのが正しいのかを考えながらご覧になってください。
●失敗電話対応例
※お客様を待たせないように1コール目に利き手で受話器を取る
自分「もしもし。A商事でございます。」
取引先「私、株式会社B 営業部の佐藤と申します。いつもお世話になっております。」
自分「はい。お世話になっております。」
取引先「山田部長はいらっしゃいますか。」
自分「少々、お待ちください。」
~保留~
自分「お待たせしました。山田部長は只今、来客対応中でいらっしゃいました。
終わり次第で、こちらから折り返しお電話いたしましょうか。」
取引先「では、折り返しのご連絡をお願いいたします。」
自分「わかりました。山田部長にお伝えさせていただきます。失礼いたします。」
取引先「失礼いたします。」
※挨拶が終わったらすぐに受話器を置く
どこが間違っているか、お分かりになりましたでしょうか?
間違いポイントは、以下です。
1コール目で電話に出る
正しいマナーは、2~3コール目で電話に出ることです。
1コール目で電話に出てしまうと、相手がまだ呼び出し音が鳴っていないのに、電話に出てしまうことになり、相手を驚かせてしまうことになりますので、1コール目では受話器を上げずに、自分の心を落ち着けるためにも、一息待ってから2~3コール目に受話器を上げるようにします。
逆に3コール以上鳴ってから電話に出た場合は、「お待たせいたしました。」と一言、謝罪をしてから名乗るようにしましょう。
利き手で受話器をとる
電話対応中のメモは必須です。
社名と名前と用件くらい覚えられる!と思ってメモを取らないと、話を進めているうちに、忘れてしまったり、話の中で、他の担当者の名前などが出てくることで、どれが電話をかけてきた相手の名前なのかが分からなくなったりすることがあるからです。
電話対応において大切な“メモを取る”ことには、必ず利き手でペンを持たないといけません。
ですが、初めに利き手で受話器を取ってしまうと、受話器を利き手から反対の手に持ち直して、利き手でペンを持つという時間のロスが生まれてしまいます。
こういった動作でもたついてしまうと、大切な用件を聞き逃してしまうこともあるので、スムーズな対応をするためにも、初めから受話器を利き手と反対の手で取るようにするとよいです。
「もしもし。」と電話に出る
家族や友達など、プライベートな電話には「もしもし」と電話に出るのが一般的かもしれませんが、一説によると「もしもし」の語源は「申す、申す」から来ていると言われており、「もしもし」は上から目線な印象を与えるため、ビジネスシーンの電話対応では、ふさわしくありません。
そのため、「もしもし」ではなく、「お電話ありがとうございます。」などの挨拶をしてから、自社名を名乗るとよいでしょう。
相手が名乗ったあとは、復唱確認をする
相手が「株式会社B 営業部の佐藤と申します。」などと名乗られた際に「はい。」と、一言で済ましてしまうと、相手に冷たい印象を与えてしまいます。
また、自分の聞き取りやメモに誤りが無いかの確認をするためにも「株式会社B 営業部の佐藤様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております。」と、復唱確認を行なうと良いでしょう。
担当者名を名指しがあった場合も復唱確認を行なう
相手から担当者名を名指しされた場合や、採用担当の方をお願いします。などと言われた場合は、「かしこまりました。部長の山田でございますね。(採用担当の者でございますね。)」といったように、復唱確認をしましょう。
例えば、社内に発音が似た社員が数人いるといった時に、復唱確認をせずに電話を回してしまう失敗を防ぐことが出来るからです。
社内の人間に敬称をつけたり、尊敬語を使うのはNG!
社内の人間は、例え、それが自分の上司であろうと、社外の相手には、自分の身内として扱うのがビジネスマナーです。
そのため、社長であろうと敬称や尊敬語の表現は不要です。
「申し訳ございません。山田はただいま外出中でございました。」とするか、敬称をつけないと同じ苗字の社員が複数人いて区別がつかないという場合には、「部長の山田は~」と敬称は、名前の前につけて話すとよいです。
また、上記の例文において「来客対応中のため」と理由を述べていますが、基本的に不在理由は「外出中」「会議中」など、その通りに伝えればよいですが、「来客対応中」「ほかの電話の対応中」などの理由は、相手によっては“自分の優先度が低い”、“ないがしろにされている”などと感じられる場合もありますので、臨機応変に「少し席を外しているようでございますので」などと対応することも必要です。
さらに、不在の際に、担当者の戻り時間が分かっている場合は、「山田は外出中でございます。15時の戻り予定ですので、15時以降に山田から折返しご連絡いたしましょうか。」と、何時頃の折り返しになるかを踏まえて提案すると親切です。
折り返し連絡を承ったら、折り返し先の連絡先を必ず聞き取る
担当者が外出中で、折り返しの提案に了承をいただけた場合は「折り返し先のお電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか。」と、必ず確認をしましょう。
それは、今は本社事務所の固定電話からお電話をかけてこられていても、この後、外出をするので携帯電話に電話してほしいといった場合があるからです。
折り返し先の電話番号を聞き取ったら、こちらからも必ず復唱確認をして、間違いがないかを確認します。
折り返し先の電話番号が間違っていると、折り返すとお伝えしたにも関わらず、折り返しが出来ないという状況に陥ってしまいます。
また、折り返しのお電話番号を伺う際に「ご都合の悪い時間帯はございますか?」と相手の都合を確認するとよいでしょう。
また、折り返しではなく、伝言を希望された場合は、伝言を伺って、復唱確認をします。
ここで、もう一つポイントなのが、敬語です。
上記の間違い例文では、「山田部長にお伝えさせていただきます。」となっていますが、これは身内敬語になってしまっているため、NG。
「部長の山田に申し伝えます。」が正しい敬語ですので、覚えておきましょう。
電話をかけてきた相手より先に電話を切る
電話でのマナーは、電話をかけてきた方が先に受話器を置くのが正しいマナーです。
他の業務が大変で急いでいるからといって、相手が受話器を置く前に電話を切ってはいけません。
必ず、相手が電話を切ったのを確認してから、受話器を置きましょう。
失敗から、電話に対して恐怖心を抱いている社員が多い場合は要注意!
電話対応は、メールやチャットツールが普及した現代においても、緊急時の対応やお年寄りの顧客が多い場合や、商品不備や予期せぬトラブルが起こった際の信頼できる対応窓口として、会社にとってなくてはならない重要なものです。
しかし、その電話対応に恐怖心を抱いている社員が多いということは、日常的に社員にとって、耐えられないストレスがかかっているということ。
電話対応の少ない部署に異動するなどといった方法もとれますが、電話対応に対して、恐怖心を抱いているだろう約4割もの社員全員を異動させることなんてできませんし、約4割もの社員全員に電話対応の研修をじっくり受けてもらって苦手を克服するのも、時間も人員も要してしまい、通常業務に影響が出てしまうため、現実的ではありません。
ですが、電話にストレスを感じている社員を放っておくのも得策ではありません。
ストレスから心身の病気につながり、休職や退職を引き起こしてしまう可能性があるからです。
社員に他の業務に集中してもらいたい、社員の負担を軽くしたい!とお考えの経営者や管理職の皆様には、『電話代行サービス』の導入をおすすめいたします。
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