電話対応をする中で、重要な事はたくさんありますが、
その中で、特に大切な事のひとつに「敬語の使い方」があります。

よく聞く敬語・よく使ってしまいがちな敬語の中に、
意外と間違ったまま使っている言葉があるのをご存知でしょうか?

電話対応において、敬語の使い方だけではなく、相手に寄り添った話し方をする事や、
状況に応じて、ご案内する内容を都度、判断しお伝えする事も、もちろん大切ですが、
どんなに丁寧な電話対応をしていても、言葉遣いが間違っていたら、
台無しになってしまいますよね…。

本日は、CUBEのスタッフが電話対応をしている中で、
実際に、よく聞く間違えがちな敬語と、
間違いではないけれど、対応において言葉遣いで気を付けている事について、
ご紹介させていただきたいと思います!

敬語のよくある間違いと、正しい言い方

敬語のよくある間違い① 敬語ではない言葉

■了解です / 了解しました

何かをお伺いした時、指示を受けた場合などによく使う、
『了解です』『了解しました』という言葉は、実は、敬語ではなく、丁寧語です。

相手を敬う言葉ではないので、同じ会社内の同僚に使う場合は間違いではありませんが、
目上の方や、取引先・顧客様などに使う場合は、
『承知いたしました』や『かしこまりました』が適切な言葉です。

■なるほど

『なるほどですね』という言葉をよく耳にしますが、『なるほど』という言葉自体が敬語ではないので、社内外問わず目上の方に使う場合は、失礼にあたります。
相手の話に同意する時などは「さようでございますね」や「おっしゃる通りです」を使う方が相応しいです。

敬語のよくある間違い② 状況によっては間違いになる言葉

■~のほう

『資料のほう、お送りさせていただきます』や『請求書のほう、確認いたしました』
『荷物のほう、お持ちしました』等々、こちらも、よく聞く言葉ですが、
本来は、「~のほう」というのは、方向を指す時や、
ふたつ以上の中からひとつを選ぶ時に使用する言葉です。

そのため、例に挙げたような場合に使用するのは、間違いになります。

「資料をお送りさせていただきます」「請求書を確認いたしました」
「荷物をお持ちしました」で、相手には充分、伝わります。

方向を案内する時に「駅を出て、北のほうへ向かってください」
担当者変更の挨拶の時に「前任の○○から引き継いで担当させていただきます。
今後は、私のほうからご連絡いたします」といった場合は間違いにはなりませんので、
状況に応じて、正しい場面で使っていけば、
相手にも理解してもらいやすい話し方が出来ると思います。

■~という形になります

『担当者から折り返しご連絡させていただく形になります』
『メールでの対応を行っていないので、電話で対応する形になります』
『リモートワークのため、メールでご回答させていただく形になります』など、
これらの表現も、間違った日本語です。

これは、電話をする事や、メールを送る事は、そもそも「形」のあるものではない為です。

「形」のないものに対して「~という形になります」と付け加えてしまう事で、
かえって、おかしい日本語になってしまいます。

この場合も、「折り返しご連絡させていただきます」「電話での対応となります」
「メールでご回答させていただきます」で、相手には充分、伝わるかと思います。

■~になります

「~になる」「~になります」という言葉は、
何かが変化する時や、何かの結果を表す時に使う言葉です。

『担当者が外出中になります』『金額は1000円になります』と、
単に「~です」の丁寧な言葉として使う場合は、間違いになります。

「担当者が外出中のため、折り返しのご連絡は、戻り次第になります」
「追加でご注文いただいた分も含め、金額は1000円となります」など、
変化した後の合計を伝える時や、結果を伝える時などには、適切な使い方です。

敬語のよくある間違い③ 二重敬語

丁寧な言葉を使おうとするあまり、敬語を重ねて使ってしまう場合も、
間違った使い方になってしまいます。

つい使ってしまいそうになる言葉も多いですが、
よく間違いがちな二重敬語の言葉を、いくつか例として挙げてみます。

■おっしゃられる / おっしゃられました

「言う」を敬語に言い換えた『おっしゃる』と、
「~する」を敬語に言い換えた『される』が二重になっているため、間違いです。

この場合は、「おっしゃる」のみで敬語になるので、
「おっしゃいました」と言うのが正しいです。

■拝見させていただきました

「見る」の敬語として、相手より自分を下げて表現する謙譲語にすると、
『拝見する』になります。

また、『~させていただく』も同様に、相手より自分を下げた謙譲語になるため、
二重敬語となります。

この場合は、「拝見しました」のみで、充分な敬語になります。

■お伺いさせていただきます

「行く」の謙譲語の『伺う』、「伺う」の丁寧語の『お伺い』、
さらに『させていただきます』が加わる事で、三重の敬語になっています。

この場合は、「伺います」と言うのが、正しい敬語の使い方となります。

まだまだありますが、間違いやすい敬語に関してのご紹介は、
今回は、このぐらいにさせていただきたいと思います。

敬語について色々勉強したり、正しい敬語について調べていると、
最初は間違いとされていた言葉も、時代の変化に伴い、
「よく使われている言葉だから、もう正しい言葉として使っていこう」と、
されていくことも多いようです。

使用する場所やタイミングだけでなく、時代にも応じて、
その時にふさわしい言葉を使えるようになっていけるよう、
私たちも日々、勉強を重ねています。

ここからは、敬語以外にも、実際にCUBEスタッフが電話応対時に、
気を付けている事をご紹介させていただきたいと思います!

対応時の言葉遣いで気を付けている事

言葉遣いについて① 命令形の言葉を使わない

こちらから相手に何かをお願いする際に「~くださいませ」と言うと、
受け取る側は、少し強制されている気持ちになりますよね。

また、口調によっては、上から目線に感じられることもあります。

内容は同じでも、「~いただいても、よろしいでしょうか?」と、
疑問形や提案でお願いされると、判断に選択肢がある言い回しになり、
とても柔らかい印象になります。

他にも、「~いただくことは、可能でしょうか」と、可能かどうかを伺うと、
答えやすくなります。

相手の立場なり、自分が言われて不快に思わない言い方を考える事が大切です。

言葉遣いについて② クッション言葉を使う

クッション言葉とは、どのような言葉かご存知でしょうか?

相手に依頼や、お断りをする際によく使われます。

名前の通り、話す上でクッションのように、
言葉の衝撃や言葉の角を柔らかくする役割がある言葉です。

では、具体的に、どのようなシーンで使うと効果的なのでしょうか?

今回は、普段からよく使われているクッション言葉と、
それらを用いた例文を、いくつかご紹介させていただきます。

■お手数をお掛けしますが

相手にお願いをするときに、より柔らかく、丁寧に伝えることが出来ます。

「~いただいてもよろしいでしょうか」でも、十分に丁寧ですが、
「お手数をお掛けしますが、~いただいてもよろしいでしょうか。」と、
ワンクッションがあると、より丁寧さが伝わりますよね。

相手にお手間を取らせてしまうということを理解したうえで伝えられると、
気遣いが出来た接客になります。

■差し支えなければ

よく耳にするフレーズですが、実際に使ったことがないという方も多いかと思います。

“もし、よろしければ”と似たニュアンスで、相手に判断を委ねることができるので、
強制されている気持にならずに受け取ることができます。

主に、ご住所やお名前等のプライベートな部分に関わることを伺う際に使われます。

もし、自分がいきなりプライベートなことを聞かれたら、
少し、失礼な印象を持ちませんか?

お伺いする前に、一言、「差し支えなければ」と添えられると、
『無理に聞くつもりは無い』という、こちらの意図も伝えられます。

ビジネスにおいて、社名や名前を伺うことは日常的にあるので、
是非、「差し支えなければ」と、一言添えて円滑に物事を進めたいですよね。

■恐れ入りますが

ビジネスシーンに関わらず、様々なところで、よく耳にする言葉ですよね。

相手に何かを頼む場合や、何かを尋ねる際によく使われ、
相手にかける手間やご迷惑に対して、申し訳なく思っていることを伝えることが出来ます。

例えば、書類の確認をお願いする場合、
「こちらの書類を確認してください。」では、少しきつい印象ですが、
「恐れ入りますが、こちらの書類を確認していただけますか。」と、
クッションを付け加えることで、相手の手間への配慮が伝わります。

■あいにく・あいにくですが

相手が期待した内容とは異なる状況の場合に、
前置きとして伝えられると、丁寧で優しい印象になります。

例えば、「〇〇さんはいらっしゃいますか?」に対して、
「〇〇は外出しております。」とだけ答えると、少し冷たい印象になりますよね。

また、それだけでは、次にどのようにすれば良いか分からず、相手を困らせてしまいます。

そこで、「あいにくですが」を添えて、
「あいにく〇〇は外出しておりますが、何か申し伝えましょうか。」と提案できると、
用件を話しやすくなり、相手に寄り添った対応になります。

このように一方的に状況を伝えるだけでなく、次のアクションを提案することで、
相手の受け取り方も大きく変わってくるでしょう。

言葉遣いについて③ 正しい「申し訳ございません」の使い方

謝罪をするときに使う言葉ですが、状況に応じて、
その場面に合った言葉を付けると、より丁寧になります。

「申し訳ございません。」だけでも謝罪の気持ちは伝わりますが、
何に対しての謝罪であるかを付け加えて、
どのような内容に対しての謝罪なのかを明確に言えると、より印象が良くなります。

何度も「申し訳ございません。」とだけ繰り返すのではなく、
一度、落ち着いて状況も合わせて伝えることで、相手も受け止めやすくなります。

ビジネスマナー

ビジネスマナーとは、仕事を円滑に進める上で、必要とされる礼儀作法です。
社内外を問わず、ビジネスの場では、正しい敬語を使うことが求められます。

相手と良いコミュニケーションを築くためにも、正しい敬語は必要不可欠ですよね。

ビジネスで敬語の種類は「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」とあり、
敬意の示し方によって3種類に分けられます。

特に、相手の動作に対して使う「尊敬語」と、
自分の動作に対して使う「謙譲語」は、間違って使われることが多いです。

【例】ご不明点がございましたら、伺ってください。
「伺う」という言葉は、謙譲語であるため自分の動作に対して使う言葉です。

この場合、質問をするのは、相手であるため、
正しくは、「ご不明点がございましたら、お尋ねください。」です。

また、ビジネスでは、自社の人を社外の人に話すときに身内として捉えます。

部長であっても、社外の人に話すときは、「〇〇さん」や「〇〇部長」等とは呼ばず、
「さん」付けしない、もしくは、名前の前に役職を付けて「部長の〇〇」と、
呼ぶ必要があります。

特に電話代行では、クライアント先の1スタッフとして電話対応をしているので、
不自然にならないよう、そういった細かい部分にも、気を付けて対応しております。

今回は、敬語やビジネスにおける言葉遣いについて、
ご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

CUBEでは、電話対応をするスタッフに向けて、外部講師による研修も行っておりますが、その際に「実は、あの敬語って間違いだったんだ!」、
「あの言い方って、実は失礼になる言葉だったんだ!」と気付く事もあります。

『正しい言葉遣いで電話対応が出来るようになりたいけど、
社内で研修をするには時間も費用もかかる…』という場合もあるかと思います。

そんな時は、ぜひ一度、CUBE電話代行サービスにお問い合わせくださいませ!

敬語やビジネスマナーを学んだスタッフが、御社の代わりに電話対応をいたします。

些細な事でも、電話対応について何かお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
CUBEのスタッフが、心を込めて対応させていただきます。

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