昨日のブログでは、『ハイコンテクストの特徴とは、言葉に無い文脈の中にある想いを読み取り、コミュニケーションを行なうことである』とお話させて頂きました。
では、本日は、『ローコンテクストの特徴』をお話します。
ハイコンテクストに対して、ローコンテクストは、互いの共通理解が乏しい為、なるべく全てを言葉で表現しなければならない場合に、必要なコミュニケーション能力です。
例としては、「仕事終わらないなぁ」「大変そうですね、ではお先に」のような会話の流れが挙げられます。
仕事が終わらず「手伝ってほしい」というニュアンスを匂わせているにも関わらず、それを鑑みることなく、先に帰るという点が、ローコンテクストといえます。
しかし、これはお互いの共通認識が同じでないからであって、あらかじめ「仕事が終わらないという内容を言っている人がいれば手伝う」ということを共通認識していれば良いのです。
ローコンテクスト文化では「仕事が終わらないんだ」とだけ訴えてくる人に対して「なぜ『仕事が終わらないから手伝って欲しい』と言わないんだ?」と思うのです。
「仕事が終わらない人がいれば手伝う」だけでは、共通認識は完全にはなりません。
ローコンテクスト文化では「仕事終わらないなぁ」という発言は感情であり、言うなれば、愚痴だと認識する可能性があります。
『仕事が終わらないと言っている人』がいれば『手伝う』、という行動まで結びつけるよう共通認識を持つ必要があります。
共通認識を持つということは、非常に難しいものなのです。
日本では、コンテクストが主に共有時間や共有体験に基づいて形成される傾向が強く「同じ釜のメシを食った仲間同士」では、より深く気持ちが通じ合えるようになります。
ところが、その環境が整わないと、一転して、コミュニケーションが滞ってしまい、お互いに話の糸口も見つけられず、会話も弾まず、相手の言わんとしていることが全く掴めなくなってしまうのです。
欧米などのローコンテクスト文化では、コンテクストに依存するのではなく、あくまで言語によるコミュニケーションを図ろうとします。
その為、言語に対し、高い価値と積極的な姿勢を示し、コミュニケーションに関する諸能力(論理的思考力、表現力、説明能力、ディベート力、説得力、交渉力)が重要視されています。
ローコンテクスト文化では、より発する言葉の内容に対しての重要性が高い為、より的確に物事を伝えられる能力があります。
誤って伝わってはいけない論文や、過去の記録、答弁やマニュアル作成については、とても必要な文化能力だと思います。
さて、次回は『ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の傾向について』お話します。
長々とお話ししてきましたが、言葉の意味を的確に読み取り、相手に差異なく思い描いたものが万人に伝わるようにするのは「なかなか難しいな」と、このブログを書きながら自身で感じております。
お電話で様々な方々とやり取りする中で、CUBE電話代行サービスのスタッフが、どのようにすれば、お電話口の方の想いや要望をクライアントの皆様に間違いなくお届け出来るか、考えている努力を少しでもお伝え出来れば幸いでございます。