小さい頃、家に電話が掛かってきて、その電話に母親が出た時のことです。
ついさっきまで私のことを叱っていたことが嘘のように、電話に出た瞬間に声が若返って、まるで恋をしている女子のように豹変していました。皆様もそんな場面を一度は見たことがあるかと思います。
小さい頃はそんな母親を見て不思議でしたし、いつも「何故だろう」と理解が出来ませんでした。
そして、お友達とは「キモいね。」と言い合っていました。
でも母親に直接「キモいからやめて。」と言っても「お母さんも昔はそう思っていたわ。なんでなんだろうね。いつからだろうね。」と言ってやめてくれなかったですし、「昔思っていたなら、なんでするんだろう。」と、ますます分からないな、と思っていました。
しかし私も大人になって母親と同じように電話の声が変わっていたことに、いつしか気付きました。
友人や知人と話す時は変わらないのに、知らない方と話したり、登録の無い電話に出る時など声をワントーン高くして、無意識に良い声を出そうとしていました。
気付いた時にはそれは自然なもので、いつからやり始めたのか思い出そうとしても分かりませんでした。
その時は、「私も歳をとったんだな、おばさんに一歩近づいたんだな」と、ショックを受けました。
でも無意識だったので、やめることもなかなか出来ず、反射的に出てしまい後から気付いて、また落ち込むといった状態の繰り返しでした。
そんな中、気付けばすっかり大人になり、もう気にも掛けなくなりました。
私はおばさん、とでもいうように開き直っていました。
でも最近になって気が付いたことがあります。
CUBE電話代行サービスの一員として、たくさんの方からお電話をお受けするようになり、聞き取りやすい声の方と聞き取りにくい声の方がいらっしゃるということです。
滑舌の問題はひとまず置いておき、聞こえやすい声色というものがありました。
明るい声、声の高さですとドレミファのファの音です。私がCUBE電話代行サービスでお電話を取るようになって、先輩に教えていただいたのもファの音でした。
声の大きい方は、電話口で音声が響き割れてしまい逆に聞こえづらく、低い声は籠ってしまい、高過ぎる声は金切り声のようという表現が合う、音声がキーッとなり聞き取りづらくなってしまいます。
実は、電話の声というのは実際の声でなく音声信号に変換させている為に、その人に一番近い信号で発せられていて、また音の数も多くなく音域が限られているそうです。
その中でファの高さが一番真ん中の音に近いので、電話口の声が聞こえやすい、という話を耳にしたことがあります。
私に音感はありませんが、CUBE電話代行サービスで受電をする際は、聞き取りやすいファの音で応対が出来るように努めたいと思います。