「あなたがすごいと思うことでも、世の中の半分の人は理解できないものよ」
これは、ジェーン・オースティンというイギリスの作家の言葉です。
どうして自分の言っていることや考えが相手に分かってもらえないのかと、もどかしい思いをしたことは誰にでもあると思います。
自分の伝え方が悪いのか、あるいは受け止め方の次元が違うのか。
私自身も毎日お電話をお取りさせていただく中で、このような思いをしたことはあります。
マニュアル通りのご対応をさせていただいても、お電話口の方にご納得してもらえず、どうして分かってもらえないのだろうと思ってしまったことがあります。
しかし、ジェーン・オースティンは、「ある人達にとっては世界の常識に思えても、実は狭い世界でしか通用しない発想だ」という考え方をしていました。
例えば、スマートフォンを世に広めたスティーブ・ジョブズもそのような考え方で、誰にでも分かりやすく物事を伝えました。
難しい専門用語で説明しても人は興味を持ちません。
では、どうしたらいいのか。
スティーブ・ジョブズは、商品の価値を「速度は2倍、価格は半分」と、買う人が判断しやすい言葉にしました。
「30ギガという容量」の説明は噛み砕いて、「音楽は7500曲、写真25000枚、ビデオ75時間の記録に十分な大きさ」と説明しました。
全ては聞き手にとって意味がある内容に置き換えることで、初めて理解されます。
つまり、伝わらないのは相手のことを考えることが出来ていないということなのです。
私たち電話代行のお仕事でも、同じことが言えると思います。
ただマニュアル通りの応対をするだけではいけないのです。
ジェーン・オースティンの言葉を知って、お電話口の方がどのような状況なのか、どのような気持ちなのか、どうしてほしいのかということをきちんと考えないといけないと思うようになりました。
それらのことを理解した上で、適切な言葉を選び、適切な応対をすることが大事なのだと思います。
お仕事だけではなくどのような場面であっても、自分の考えや気持ちだけを伝えるのではなく、相手の気持ちも想像することを心掛けていきたいと思います。