突然ですが、近頃感じることがあります。
弊社CUBEのレンタルオフィスもしかり、サブスクリプションといったビジネスモデルに注目が集まり、日常生活でも極力ものをもたないミニマリストの方が増えたりと、ものを持たずにサービスを利用するという価値観の方が増えているなということです。
これは第四の消費と言われており、金融破綻や非正規雇用社員の減少といった背景と、阪神淡路大震災、リーマン・ショック、東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故など未曽有の出来事が起こり、そんな中で個人化した社会よりも個人間のつながりが自然に生まれる社会が求められ、他者、社会に対して何かの貢献をしたいという意識が人々の心に生まれてきたことが考えられています。
また、情報はものとは違い、私有、独占し貯め込むだけでは意味がなく、他者と共有することによって、情報価値が高まり、喜びを味わうことができるといった側面があり、そのことが近頃のTwitterやインスタグラムなど、SNSの発展に結びつていると考えられます。
そのような個人中心の利己主義から利他主義への変化、私有主義からシェア志向への変化、他者とのつながりを作り出すことに喜びを見いだすシェア志向の価値観、行動が、第四の消費社会の根底に横たわるもののようです。
そこで、私が思い出したのが世界一貧しい大統領と呼ばれたムヒカ元大統領の言葉です。ムヒカ大統領は、実際に貧しいのではなく、5年間の任期中その約9割の報酬を寄付し、豪邸ではなく農村の自宅で家族と暮らしていました。国のトップは国民と同じ感覚でなければならないという信念を持ち、月10万円ほどで生活し、資産は中古の車のみです。
そんなムヒカ大統領は、スピーチで過去の賢人セネカや南米の先住民族の言葉を引用し、「貧しい人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっとと、いくらあっても満足しない人のことだ」と訴えました。この言葉は非常に衝撃的で、私も初めて聞いた際は心にグサリと突き刺さりました。
物質は有限です。大量消費は経済を発展させて来ましたが、その時代もう終焉。
これから第四の消費社会がどうなっていくのかまだ分かりませんが、やみくもにものを買うのではなく、上手にシェアをしながら経済を発展させていくことが、これからの時代には必要なのだと思います。
私もそんな時代を生きる一人として、オフィスのシェアを提供しているCUBEで働けることをうれしく思います。また、その気持ちを糧にこれからも精進してまいります。