皆さんは外国の方とお話をされる時、どこまで相手の方の気持ちを考慮して話をされていますか。国籍、職業、社会情勢…など、話のテーマについては聞き手側(または話が聞こえる範囲にいる外国人)の背景まで配慮するのはビジネスシーンにとっては必要な事ですよね。話のテーマに限らず、使う英語も相手に合わせて、英単語や言い回しを考える必要があります。海外からの観光客や日本在住の外国籍の方が増えている今、言葉のニュアンスを理解し、適切な表現を覚えることは非常に大切です。今回は、受け取る側によっては意外にも失礼と感じてしまう英単語をご紹介します。
その単語とは、「外国人」を意味する”foreigner”(フォーリナー)です。もちろん英字新聞などの公のメディアでは、foreignerという単語が使われていますので差別用語ではないですが、使うシチュエーションに注意する必要があります。“foreigner”という言葉は「この国以外出身の人」、「この土地に所属しない人」という意味があります。
この「foreigner」を「当人(外国人)の前」では使わない方が賢明です。この言葉を使うと外国の方は「よそ者扱いをされている」と感じる方が少なくありません。日本に何年も住んでいるのに、出身国や人種が違うだけで「外人」や”foreigner”と呼ばれたらどんな気持ちになるでしょうか。日本語も話し、友達もたくさんいるのに、「この土地に所属しない人」と見なされるのは不適切と感じませんか?とても排他的な印象を与えて、失礼になってしまうのですね。
英語話者にも”foreigner”をあえて使わないという人が存在します。もし相手の国籍を知っているなら、”foreigner”ではなく、その国名を使って表現した方がいいです。(例、アメリカ人であればAmerican)他にも”from”を使って「○○出身」という表現も使えます。(例、He is from France. 彼はフランス出身だよ)
但し、国籍がわからない場合もありますので、その時に「外国人」をどんな英語で使えば失礼にあたらないかをご紹介します。まず”people from different countries”です。このように表現することで日本以外と一括りにすることなく、世界には様々な国が存在するということを認識しているように受け取られます。また海外からの生徒や留学生を指す時は”foreign student”ではなく、”international student”(外国人学生)と言う方がbetterです。「国際的」、「海外の」という英語の”international”は「部外者」というニュアンスを与えないので安心です。
またexpat(エクスパット)という単語もあります。同じく「外国人」を表す単語です。この言葉はとてもスマートで、ネイティブスピーカーにも印象が良いです。正式な単語表記はexpatriate(「エクスパトゥリエット」、あるいは 「エクスペイトゥリエット」)ですが、expat(エクスパット)で十分通じます。是非使ってみてください。
言葉は、受け取る側にとってどう感じるかはさまざまですので、今回のテーマは大変難しいと思いますが、相手を配慮する「意識」を持つだけでもコミュニケーションが潤滑になっていくのではないかと思います。その言葉を相手に対して使った時、本人がどんな気持ちになるかを考慮して、コミュニケーションを取るようにしていきたいと思います。