採用活動をするにも、新人社員を教育するにもコストと時間がかかります。
早期離職をされてしまうのは会社にとって大きな損失です。
離職率の高さに頭を抱えている経営者も多いことでしょう。
社員が早期離職をするのには、必ず原因があり社員自身の問題である場合もあれば、会社に問題がある場合もあります。
長く働き続けてもらうためには、早期退職の原因を知り、対策を講じなければなりません。
本記事では、早期退職を防ぐために会社がすべき5つのポイントを解説します。
【目次】
早期離職を防ぐためのポイント1:入社前に仕事内容と待遇を詳細に説明する
仕事内容や待遇の認識にズレがあり、期待していたものと異なると早期離職につながってしまいます。
早期離職を防ぐには、採用の段階で仕事内容や待遇を詳細に説明しておく必要があります。
雇用者側は優秀な人材を採用したいという気持ちがあるので、どうしても実際よりも格好をつけて説明してしまいがちですが、そのために早期離職されてしまっては返ってマイナスです。
仕事は、やりがいや楽しさなどのよい面だけでなく、辛い面も説明しておかないと、入社前のイメージと入社後の実際の仕事とのギャップで余計に辛く感じてしまいます。
待遇面に関しても同様です。
給与は、手取りであるか額面であるかをきちんと説明し、残業や福利厚生についても現状を包み隠さず話す方が良いでしょう。
詳細に説明し、納得した上で働いてもらった方がお互いのためになります。
早期離職を防ぐためのポイント2:適正を見極める
石の上にも三年とはいいますが、人それぞれに合う仕事と合わない仕事があるのは事実です。
合わない仕事を続けるのは辛いもので、最初は耐えられても段々なぜこんな辛い仕事を毎日続けているのかという疑問を抱くようになり、結果離職に至ってしまいます。
退職などが原因で急な配置転換や担当変更が必要になる場合もありますが、安易な穴埋め人事で向いていない業務に人材をあてがうと、また新たな退職者を生み出してしまいかねません。
早期離職を防ぐには、適性を見極め、その人材に合った業務に配置する配慮が必要です。
人材不足で本人の希望に沿うのが難しいこともあると思いますが、そんなときにはローテーションで業務を割り振ったり、将来希望の業務に配属できるよう計画していることを伝えるなど、負担感を減らす工夫が必要です。
早期離職を防ぐためのポイント3:教育制度を充実させる
コーヒーチェーン店のスターバックスは、離職率が低いことで知られています。
スターバックスの教育制度はスタッフから評価が高く、教育制度の充実が定着に大きく貢献しています。
早期離職を防ぐには、ただ一方的に教えるのではなく、フィードバックを行って何が良かったのか悪かったのか、新人社員が成長しやすいよう工夫する必要があります。
教育制度を充実させれば、社員のスキルも向上しやすくなりますし、仕事に対する理解が深まってやりがいを感じてもらえるようにもなります。
特に未経験者は仕事に対して不安に感じることが多いので、入社初期にしっかりレクチャーして不安を取り除いてあげましょう。
早期離職を防ぐためのポイント4:コミュニケーションがしやすい環境を作る
コミュニケーションがない職場は居づらいものですし、上司も部下もお互いが考えていることがわからず、不満が募っていく一方です。
厚生労働省の調査によれば、若年社員の離職理由の2位は「人間関係がよくなかった」で、割合にして19.6%。
離職者の5人に1人は人間関係に不満を抱えているのです。
早期退職を防ぐには、社内でコミュニケーションがしやすい環境を作るのが一番です。
定期的に面談の時間を取ったり、社内SNSやチャットツールを活用したりするとコミュニケーションが取りやすくなります。
複数人で昼食に行く場合は会社が昼食代を負担するなど、福利厚生でコミュニケーションを促進するアイデアもあるでしょう。
コミュニケーションが健全に行われれば、部下が抱えている問題を上司が把握し、報告の遅れを防ぐといった効果も期待できます。
コミュニケーションは工夫次第で促進できるので、社内の交流が少ないと悩んでいたら、コミュニケーション環境を見直してみましょう。
早期離職を防ぐためのポイント5:社員の不満を拾い上げる
経営者の立場にいると、なかなか社員の本音は聞けないものです。
職場環境が良くない、給与が低い、仕事が評価されないといった不満を拾い上げ、改善できるところは改善することで早期離職を食い止められます。
なんでもかんでも社員の希望を叶えるわけにはいきませんが、不満が多い会社ほど離職率が高くなるので、社員の声に耳を傾ける姿勢を持つことが大切です。
おわりに
企業にとって、人材こそが最大の資本です。人材が定着しないと事業の成長もままなりません。
事業の成長のために、早期退職を防ぎ、長く勤めて高いスキルを身につけてもらえるようにしていきましょう。