一人起業は全部自分で決定をしなければなりませんし、責任も自分一人にのしかかってくるという不安がありますが、共同経営で起業すれば共同経営者という心強い味方ができます。
しかし、共同経営にはメリットだけでなくデメリットもあります。
共同経営で起業するメリットとデメリットを説明した上で、決めておくべきルールを提案したいと思います。
一人で起業するべきか、共同で経営するべきか悩んでおられる方の参考になれば幸いです。
【目次】
共同経営で起業するメリット1:役割分担ができる
共同経営ではそれぞれが得意なことを担当し、役割分担をして効率よく仕事ができるというメリットがあります。
ひとりではできることに限界がありますし、知識・技術がない分野に関しては外注などで対応しなくてはなりませんが、共同経営者が自分にない知識や技術を持っていれば互いに任せ合うことができます。
役割分担ができることは、真剣度が同じであれば、お互いの心強い助けになります。
共同経営で起業するメリット2:緊急時にカバーし合える
一人で起業した場合、自分が体調不良などで休まざるを得なくなった場合、その間の収入が途絶えたり、顧客への対応ができなくなってしまいます。
共同経営者がいればお互いでカバーし合えるので、どちらか一方が体調不良で休んでも業務が回ります。
共同経営で起業するメリット3:相談できる
一人起業は孤独なもので、相談できる相手がいないと経営に行き詰まったり、トラブルに遭遇したときの不安が大きくなります。
従業員に不安を話すわけにはいきませんし、社長業とは相談相手を作りにくいものです。
共同経営者がいれば、困ったときやトラブルがあったときにいつでも相談できるので、頼れる存在になってくれます。
一緒に困難を乗り越えていけば、一層互いの信頼が深まっていくでしょう。
共同経営で起業するデメリット1:経営が悪化するとトラブルが起きやすい
経営状態が良いときはトラブルが起きにくいですが、一転経営状態が悪化するとトラブルが起きやすいです。
経営の思い通りにならない点を相手のせいだと考えてしまい、互いの不満が募ったり、信頼関係が傷ついたりするためです。
トラブルが深刻になると、ビジネスパートナーとしてだけでなく、プライベートの関係も悪化してしまいかねません。
共同経営で起業するデメリット2:意思決定に時間がかかる
一人起業の場合はなんでも自分で決定できるのでスムーズな意思決定ができますが、共同経営の場合は相手と意見が一致しないと先へ進まないので、意思決定に時間がかかるというデメリットがあります。
相談しながら決められると考えればメリットになりますが、意見が食い違った場合、意思決定が遅れるだけでなく、トラブルに発展しかねません。
共同経営する上で決めておくべきルール
意見が食い違うとトラブルに発展しやすいので、相手の担当分野の意思決定は相手に任せるなど、トラブルを避けるルールを設けておく必要があります。
相手に対して遠慮してしまうと不満が募りやすいので、言いたいことがあればきちんと話し合い、問題は長引かせずにその場で解決するのが一番です。
些細な不満でも積もり積もっていくと大きな不満になってしまうので、不満は早めに解決しておくにこしたことはありません。
反対のことを言うようですが、担当分野じゃないからといって相手の言うことをないがしろにしないのも共同経営を成功させるポイントです。
共同経営者は唯一自分と同じ立場で意見を言ってくれる相手ですし、知識がないからこそ客観的に見える部分もあります。
「知らないくせに」と突っぱねるのではなく、相手の意見に耳を傾ける姿勢を持つことが大切です。
「言うは易く行うは難し」ということわざがあるように、言葉にすれば簡単でも実行するとなかなか難しいのが現実です。
共同経営はうまくいけば相乗効果でいい影響が生まれますが、一旦トラブルになると解決が難しいので、トラブルを早期に解決するためのルールが必要です。
おわりに
共同経営を成功させるポイントを結局のところ日々の信頼関係の積み重ねです。
単に仲が良いというだけでなく、職責を果たす、約束を守る、お互いを尊重しあうといった基本的な事柄を誠実に守り続けられる人こそ共同経営者にふさわしい相手といえるでしょう。また、経営が上手くいった場合でも、2~3年、5~10年とそれぞれがずっと同じ方向、目標を持って取り組むでいけるかというとそうではありません。それぞれのスキルも上がり、1人で出来ることも増え、環境も変わり、目標が変わってくることもあるかもしれません。その時には、お互いの人間関係自体を大切に別れるという選択肢も持っておいてください。