共同経営は、経営者同士がお互いの足りない部分を補い、助け合えるという利点がある反面、意見や価値観の違いから問題を起こしやすいというリスクもあります。レンタルオフィス、CUBE電話代行サービスを今までご利用された5000社ほどの企業様の中にも、夫婦だけでなく、友人知人の共同経営者の方は、たくさんいらっしゃいました。共同経営の中でも共同経営者の決定権が対等である場合、とくに問題が深刻化しがちです。共同経営でさらに上下関係がなく複数人が対等な場合で、10年以上2人とも、もしくは3人ともが、その会社で続けられているのは、この20年弱の間で1社しか見たことがありません。それだけでなく、会社が上手くいった場合でも、失敗した場合でも、お互いがわだかまりなく、それぞれの道に進まれた数もかなり少ないです。
だからこそ、これから共同経営で事業を立ち上げる方にぜひ知ってもらいたい、共同経営を成功させるための7つのポイントを解説します。
【目次】
共同経営のポイント1:異なるスキルを持っている
自分が持っていないスキルを持つ人と組むことは、共同経営をする大きな利点です。極端に言うと、全部自分一人でできる人なら共同経営をする利点はあまりないと言えます。
お互いが足りない部分を補い合える関係だと、共同経営はうまくいきやすいです。自然と役割分担ができ、お互いが自分にできないことをしているために互いに尊敬し合えるからです。同じスキルを持つ者同士で組むと、意見が食い違ったときにどちらも自分の考えが正しいと主張して譲らなくなってしまいます。
共同経営のポイント2:頑張ることを相手に押し付けない
これぐらいの仕事はやって欲しい、自分がこれだけ頑張っているのだからもっと頑張って欲しいというような、頑張ることを相手に押し付けるような考えだと共同経営はうまくいきません。効率良く仕事をしているので頑張っていないように見えるだけということもあるので、自分の尺度で頑張る度合いを測らないようにしましょう。
もしかしたら、反対に相手からすれば自分が頑張っていないように見えているかもしれません。
お互いを高め合うために相手に厳しくするのは悪いことはありませんが、お互いが相手にもっと頑張れよと思い始め、不満が募っていくと共同経営はうまくいかなくなります。事業に支障も出ますし、お互いの信頼関係にヒビを入れる最初の歪になります。
共同経営を成功させるには、自分の尺度で相手を測らないことが大事です。
共同経営のポイント3:お互いの仕事に口を出さない
お互いの仕事に口を出さない方が共同経営はうまくいきます。
特に相手が担当している仕事に関するスキルを自分が持っていない場合、下手に口を出すと玄人VS素人の構図になってしまい、トラブルへと発展してしまいます。
役割分担ができているなら、相手を信頼し、お互いの仕事には口を出さないようにルールを決めておいた方がいいでしょう。
共同経営のポイント4:相手の意見に耳を傾ける
相手がその分野の知識やスキルを持っているかどうかに関わらず、相手の意見に耳を傾ける姿勢は常に持っておきましょう。
これは先ほどのポイント3とは反対になってしまいますが、相手が自分の仕事の領域に関する知識・スキルを持っていないから、素人考えだからといって最初から意見を突っぱねるのは良くありません。消費者と同じ目線に立った意見や素人だから気づける部分もあるものです。
相手の仕事に対して意見を言う場合は、「素人考えだけど」というように相手を尊重する姿勢も大事です。
お互いがお互いを尊重し合っていれば、相手の意見を柔軟に聞き入れることができることでしょう。
共同経営のポイント5:同じ価値観を持っている
共同経営はお互い目指す方向が違うとうまくいきません。
価値観が違う者同士だと、ちょっとしたところで意見が食い違い、互いに不満が募っていきます。
同じ価値観を持っている者同士ならビジョンを共有できるので、足並みを揃えて事業を大きくしていけます。
共同経営をする上で、同じ価値観を持っている者同士であることは必須条件と言えるでしょう。
そして、一緒に続けていくことも目的なら、わかっていると思わずにお互いの方向性を定期的に確認しあいましょう。人は、変わるものです。最初は同じ価値観でも、いつどこで変わってくるかは、自分たちにもわかりません。お互い別々の道に進むにしても、支えあってきた仲だからこそ気持ちよく相手を送り出せるように、意見交換は、定期的に行いましょう。「わかってくれているはず」は、信頼ではなく、相手への甘えです。
共同経営のポイント6:相手のせいにしない
商品が売れなかったり、新規顧客が獲得できなかったり、事業が思うようにうまくいかないと、つい相手のせいにしてしまいたくなりますが、共同経営はどちらか一方に責任があるわけではなく、両方に責任があります。
お互いが相手のせいにしだすと共同経営はうまくいきません。
極端に相手が仕事をしない場合は別ですが、相手のせいにせずに、自分ができることをまず考えましょう。
共同経営のポイント7:仕事とプライベートを分ける
仲の良い友人同士で共同経営を始める場合、仕事とプライベートをしっかり分ける必要があります。
なあなあの関係になってしまうと会社は成長していかないので、厳しくするところは厳しくし、プライベートには仕事を持ち込まないのが共同経営を成功させるポイントです。
とくに日本人は仕事とプライベートを分けるのはあまり得意ではないので、共同経営する前にルールとして明確にしておいた方がいいかもしれません。
おわりに
経営は楽なものではなく、苦しい場面の連続です。
何十年も付き合ってきた親友同士でさえ、ストレスから険悪になってしまうことがありえます。
友人との共同経営に失敗すると、友情にも亀裂が入るリスクがあります。
共同経営者を選ぶときは、友情とは別に、仕事の相性がよいかどうかをじっくり考えましょう。