【目次】
弁護士業務における必要経費の基礎知識
弁護士業務の事業所得の計算では、収入から必要経費を差し引くことができます。必要経費には、弁護士業務に特有の費用も含まれ、他の業種とは異なる特徴があります。
以下では、弁護士業務における必要経費の基本と、税務申告における注意点についてまとめてみました。
弁護士業務の必要経費とは
弁護士が必要経費として計上できるのは、業務の遂行上必要であり、かつ収入を得るために直接要した支出です。
具体的な勘定科目としては以下のものが挙げられます。
・地代家賃
・通信費
・消耗品費
・旅費交通費
・広告宣伝費
・接待交際費など
税務申告における経費計上のポイント
必要経費を経費計上する際は、以下4つのポイントに注意しましょう。
・業務に関係のある支出のみ
業務と無関係である個人的な支出は経費として認められません。例えば、私的な旅行や趣味の費用は経費に含まれません。
・共通費用の取り扱い
業務とプライベートに共通する支出(自宅兼事務所の光熱費など)は、事業専用割合を設定し、業務に関わる割合のみを経費計上する必要があります。
・科目分けの工夫
適切な科目で経費を分けることで、税務申告がスムーズになります。例えば、接待交際費、旅費交通費、広告宣伝費などに分類し、事務所運営や業務にかかった費用の詳細を明確にすることで、ミスの少ない税務申告が可能となります。なお、既存の勘定科目にない費用に分類される場合は、「雑費」として経費計上することが可能です。
・証拠書類の保存
税務署からの税務調査に備えて、領収書や請求書は最低でも5年分を保管するようにし、経費の根拠を示せるよう備えておくことが重要です。税務調査の対象期間は3年がほとんどですが、事情によっては5年、悪質なケースでは7年まで調査対象になります。
弁護士が活用すべき税務申告の負担軽減に役立つ外部サービス
弁護士にとって必要経費の管理や税務申告は多大な負担となります。本来の業務に集中するためには、煩雑な作業を効率的に管理することが重要です。以下にてご紹介する外部サービスは、弁護士が業務に集中できる環境を整えるのに役立つでしょう。
事務代行サービス
事務代行サービスは、書類整理やデータ入力、メール対応など、日常的な事務作業を外部に委託できるサービスです。弁護士事務所では、事務スタッフがいない場合や急な人員不足時に、書類の整理やデータ管理などを任せることで、効率的に事務作業を処理できます。
経理代行サービス
経理代行サービスでは、日々の帳簿管理から決算書の作成、年末調整まで、幅広い経理業務を代行してもらえます。特に税務申告前には、経理業務の負担が増えるため、経理代行の活用は大きなメリットがあります。また、経理の専門家に委託することで、ミスを防ぎながら正確な経理処理を実現でき、税務上のリスクも軽減されます。
電話代行サービス
電話代行サービスは、弁護士が出張や会議で不在の際に顧客対応を代行し、新規依頼や問い合わせを逃さないようサポートするものです。オペレーターは事務所スタッフとして対応するため、顧客からの信頼を損なうことなく、重要な電話を逃す心配がなくなります。
弁護士専門の電話代行サービスの活用法
数ある外部サービスの中でも、電話代行サービスは弁護士業務の効率化に大きく役立ちます。また、代行サービスの中でも導入が比較的簡単です。特にCUBE電話代行サービスの「弁護士・法律事務所向け」の電話代行サービス「My Team108」は、「応答後転送」、「外出対応」、「スケジュール対応」という3つの対応方法があり、専属秘書のように弁護士・法律事務所に寄り添う電話代行サービスを提供しています。
電話対応をプロの秘書スタッフに委託することで、クライアントに好印象を与えつつ、弁護士が本来の業務に集中できる環境を整えましょう。
以下では、弁護士事務所が電話代行サービスを導入するメリットについて解説します。
本来の業務に集中できる環境づくり
弁護士業務の中でも、書類作成は特に集中力を要するため、頻繁な電話対応が作業の妨げになることは少なくありません。弁護士専門の電話代行サービスでは、必要な電話だけを取り次ぐようにもできるため、作業を中断する必要がなくなります。
CUBE電話代行サービスの「My Team108」が提供する「外出対応」であれば、終話まで対応後、すぐに受電内容を報告することが可能となっているため、書類作成時だけでなく、裁判や現地への出張で不在中でも、顧客からの問い合わせを逃すことなく対応し、必要な内容だけをメールやチャットで通知することができます。
経費管理の時間を増やせる
電話代行サービスを活用することで、経費管理にかかる時間を大幅に削減できます。
電話対応に割かれていた時間を経費管理や税務申告に充てることで、申告漏れや計上ミスのリスクを軽減できるため、事務所の経費管理がより効率的になるでしょう。
CUBE電話代行サービスの「My Team108」であれば、「スケジュール対応」が可能であるため、税務申告前の慌ただしい時期は、その日の必要に応じて「応答後転送」と「外出対応」を組み合わせて電話対応をしてもらうことがができます。
新規案件の取りこぼしを防げる
電話代行サービスは、事務所の不在時でも新規顧客からの問い合わせを受け取るため、新規案件の取りこぼしを防ぐことができます。弁護士専門のサービスでは、教育を受けたプロのオペレーターが丁寧に対応するため、クライアントからの信頼を得ることにつながります。
また、CUBE電話代行サービスの「My Team108」では、案件内容を聞き取った上で、重要度が高いと判断される場合は、弁護士や担当者へ即座に転送する「応答後転送」などの機能もあり、即時対応が求められる場面でも役立ちます。
弁護士が電話代行サービスを導入する際の注意点
電話代行サービスは、弁護士業務の効率化や顧客対応の向上に役立つ外部サービスですが、選択を間違えると事務所のイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。導入時は、弁護士事務所特有の需要に対応できるかどうかを見極めつつ、サービスの内容を慎重に確認することが重要です。
以下では、電話代行サービスの導入時に注意すべきポイントについて解説します。
低価格すぎるサービスに注意
低価格のサービスは一見魅力的に思えますが、対応品質が低下する可能性があります。
コール数無制限や安価なプランを掲げている代行業者もありますが、スタッフの数が限られていたり、機械的な対応になっていたりといった場合もあり、顧客対応の質が低くなるリスクが伴います。電話代行は、事務所の顔としてクライアントと接触する場面が多いため、低価格だけに注目せず、サービスの内容や実際の対応品質を確認することが大切です。
電話代行サービスごとの得手不得手に注意
電話代行には、一般的な受信業務や士業事務所向けに特化したサービスなど、さまざまな形態があります。弁護士事務所に必要なサービス内容の1つには、「専門的な用語の正確な把握」が含まれるため、代行業者が提供する業務内容や得意分野を理解しておくことが必要です。電話代行サービスごとに得手不得手があるため、事務所のニーズに合ったサービスがあるかを確認し、適切な対応が期待できる電話代行業者を選びましょう。
電話代行サービスごとの電話対応の質に注意
電話代行サービスの質は、直接的に事務所の評判に影響します。顧客からの問い合わせに対し、丁寧な対応ができるかどうかは、オペレーターの研修内容や経験に依存するため、導入前に確認しておきましょう。特に弁護士事務所向けの電話代行サービスでは、顧客だけでなく裁判所や弁護士会に対した的確な対応が求められます。対応品質を確認するために、事前にテストコールを行うなどの方法でサービスの質を把握するのがおすすめです。
まとめ
弁護士にとって必要経費の管理は、余計な税負担を防ぐために重要ですが、適切に管理しようと思えば、負担が大きくなってしまうのも事実です。こうした状況下では、事務代行や経理代行サービスの活用により、税務申告の負担軽減を図ることが有効です。
また、電話代行サービスを利用すれば、弁護士や事務職員が電話対応にかかる負担を軽減し、本来の業務に集中できる環境を整えることができるでしょう。
CUBE電話代行サービスでは、弁護士・法律事務所向け電話代行サービス「My Team108」を提供しています。経費管理や税務申告にかかる時間を増やし、本来の業務に専念したいとお考えの方は、ぜひご相談ください。