【目次】
弁護士業務の個人受任とは?
まずは、弁護士業務の個人受任について、基本的なことを確認しておきましょう。
事務所の事件とは別に独自の案件を受任すること
弁護士業務の個人受任とは、所属する事務所から配点される事件とは別に、独自の案件を受任することをいいます。
ボス弁護士(以下「ボス弁」といいます)の事務所に勤務する弁護士は、主にボス弁から任せられる案件の処理に従事します。複数の弁護士で経営する共同事務所でも、案件の受任は所属弁護士全員の連名で行うところがあります。
しかし、個人受任ができれば、ボス弁や事務所から受け取る報酬とは別に独自の報酬が得られるため、弁護士個人としての収益の増加につながります。
個人受任ができるケースとできないケース
個人受任ができるかどうかは、所属する事務所の方針によって異なります。
一般的な中小規模の事務所では、比較的自由に個人受任できるところが多いです。しかし、事務所の規模が大きくなるにつれて個人受任に対する許容度が狭くなる傾向にあり、全国規模の大手法律事務所では、個人受任ができないところもあるようです。
なお、民間企業に勤務するインハウスローヤー(企業内弁護士)では、個人受任ができない場合がほとんどです。
個人受任した場合の経費負担の割合
個人受任した場合、ほとんどの事務所では、一定の割合で経費負担を求められます。個人受任した案件を処理する際にも事務所の設備や事務員の労力を使うのですから、個人受任で得た報酬の中から一部を経費負担として納める必要があるのです。
具体的な経費負担の割合は事務所によって異なりますが、おおむね2~3割程度としているところが多いです。しかし、5割程度を求める事務所も少なくありません。
個人受任をする弁護士にとっては、経費負担の割合が低いほど収益を伸ばしやすくなりますが、個人の一存で割合を決めることはできません。事務所のトップである経営者弁護士とじっくり話し合い、納得のいく割合を決める必要があるでしょう。
弁護士が個人受任をするメリットとデメリット
弁護士が個人受任をすることには、以下のようなメリットとデメリットとがあります。
個人受任のメリット
個人受任のメリットとしては、まず、独自の収入源を持つことで収益の増加につながることが挙げられます。
また、事務所では取り扱っていない分野を個人で開拓して受任することも可能です。個別の案件について法律相談から受任、事件処理、事件終了後の精算までの業務フローを1人でこなすことにより、弁護士としてのスキルアップにもつながります。
さらに、個人受任によって人脈を広げ、独自の受任ルートや顧問先を確保すれば、独立しても自分で事務所を運営できるだけの収入源を持つことにもつながります。したがって、個人受任を増やせば、独立開業も視野に入ってくるでしょう。
個人受任のデメリット
個人受任のデメリットとしては、まず、経費負担の問題が挙げられます。多忙な状況下で個人受任の案件をこなしても、報酬の何割かは事務所に納めなければならないので、思うように収益が伸びないこともあるでしょうし、ストレスもたまるでしょう。
だからといって個人受任の件数を増やしすぎると、事務所の案件の処理に支障を来しかねないことにも注意が必要です。事務所の案件処理が滞留するとボス弁からの評価が下がるでしょうし、クライアントからの事務所に対する信頼を損ねるおそれもあります。
ボス弁の事務所に勤務している以上、事務所に迷惑をかけることは避けなければなりません。
弁護士が個人受任の件数を増やす方法
弁護士が個人受任の件数を増やすための一般的な方法として、主に次の4つが挙げられます。
外部の法律相談会に参加する
事務所外での法律相談会に参加し、そこで直接受任することができれば、事務所の決まりによって異なりますが、多くの場合は個人受任が認められます。
外部の法律相談会としては、弁護士会や法テラス、市区町村の役所が主催するものをはじめとして、さまざまなものがあります。スケジュールが許す限り、積極的に法律相談を担当するとよいでしょう。
他の弁護士や他の士業者から紹介を受ける
他の弁護士や他の士業者から案件を紹介される機会は、意外に多くあります。
紹介を受けやすくするためのポイントは、得意分野や専門分野を作り、そのことを弁護士や他士業の仲間に知らせておくことです。弁護士会で該当する分野の委員会に所属し、積極的に活動するのもよいでしょう。「この分野の案件は○○弁護士に」という評判が立つと、紹介が集まりやすくなります。
ただし、所属事務所が注力している分野の案件は、弁護士個人ではなく事務所への紹介となりがちです。そのため、この方法で個人受任を増やすためには、事務所が注力していない分野を開拓した方が有利となります。
事務所を独立開業する
ある程度の受任ルートを確保できたら、自分で事務所を独立開業するのもよいことです。独立後は、当然ながらすべての案件が個人受任となります。
独立開業すれば、ボス弁に気兼ねすることなく受任ルートの増加・強化を図ることができますし、受け取った報酬は必要経費や税金・社会保険料を除いて、すべて自分のものになります。
ただし、慌てて独立すると集客に苦労し、採算がとれなくなるおそれもあるので注意が必要です。ある程度の期間はボス弁の下で経験を積みながら、少しずつ独自の受任ルートを確保していくのがよいでしょう。
インターネットで独自に集客する
独立後の集客方法には、さまざまなものがありますが、現在ではインターネットの利用がおすすめです。
事務所のホームページを立ち上げて、集客したい分野に関するコラムを掲載していくと、問い合わせからの受任につながりやすいです。また、ブログやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSで情報発信をして知名度を高めていけば、問い合わせを増やすことにもつながるでしょう。
ブログやSNSの活用は、勤務弁護士が独自に集客して個人受任を増やすためにも有効です。
電話代行サービスの活用が個人受任の増加に役立つ理由
主に独立後の方策となりますが、電話代行サービスの活用も個人受任の増加に役立ちます。現在はボス弁の事務所に勤務中の方も、独立後を見据えて、電話代行サービスが個人受任の増加に役立つ理由を知っておかれるとよいでしょう。
新規案件の取りこぼしを防げる
弁護士は裁判への出廷やクライアントとの打ち合わせ、示談交渉、各種調査、接見などで事務所を留守にすることが多いものです。不在時にかかってきた問い合わせの電話に対応できないことで、新規案件を取りこぼすことも少なくないと考えられます。
CUBE電話代行サービスの弁護士・法律事務所向けの電話代行サービス「My Team108」では、プロのオペレーターが事務所の秘書スタッフとして終話まで対応し、即時にメールやチャット等で受電内容を報告してくれます。事前にスケジュールを知らせておけば、弁護士の戻り時間や折り返しの時間を電話の相手に伝えてもらうことも可能です。「応答後転送」により、内線電話のように弁護士や担当者に取り次いでもらうこともできます。
このようなサービスを活用し、問い合わせの電話に遅滞なく対応することで、新規案件の取りこぼしの防止につながります。
業務の効率化により個人受任をする時間的余裕ができる
「My Team108」では営業や勧誘などの不要な電話は、「営業電話振分」により、オペレーターが断ってくれます。必要な電話に対しても、「応答後転送」などのサービスを活用すれば、弁護士も事務員も電話対応業務の負担が大きく減りますので、業務の効率化につながります。
手持ちの案件を効率よく処理することで時間的にも精神的にも余裕が生まれますので、新規案件を積極的に受任できるようになることでしょう。
電話対応をプロに任せることで信頼が高まる
電話代行サービスの品質は玉石混交ですが、質の高いサービスを選べば、事務所の信頼を高めることにもつながります。
「My Team108」では、秘書検定と電話応対技能検定の資格を有し、弁護士事務所の経験が豊富な秘書スタッフが、的確かつ温もりのある対応をしてくれます。電話の相手に安心感と信頼感を与えることができますので、問い合わせの電話をかけてきた相手にも「依頼するならこの事務所」と思っていただけることでしょう。
まとめ
勤務弁護士で収益を増やしたい方や、独立を視野に入れている方にとって、個人受任を増やすことは大きな課題となるでしょう。
独立前は事務所の案件を処理しながら、できる範囲で個人受任を増やすしかありませんが、独立後は電話代行サービスの活用などにより、新規案件の受任を大きく増やすことも可能になってきます。
特に、独立直後で事務所のマンパワーが不足している弁護士の方にとっては、電話代行サービスの利用が業務の効率化に大きく役立ちます。
CUBE電話代行サービスでは、弁護士・法律事務所向けの電話代行サービス「My Team108」を提供しています。秘書検定・電話応対技能検定の資格を有し、弁護士事務所の経験が豊富な秘書スタッフが的確かつ温もりのある電話対応をいたします。
個人受任を増やすために電話代行サービスの導入が気になる方は、お気軽にお問い合わせください。