【目次】
弁護士にとっての営業活動の重要性
弁護士といえども、事務所を構えているだけで仕事が得られるとは限りません。特に近年は、弁護士も積極的に営業活動をしなければ顧客を獲得しにくい傾向が強まっています。その原因として以下のことが挙げられます。
弁護士数の増加により競争が激化しているため
弁護士の数は年々増え続けており、そのために弁護士業界における競争も激化し続けています。日本弁護士連合会の統計によると、1979年には全国で1万1206人だった弁護士数が、2024年(9月1日時点)では4万5694人と、4倍以上に激増しています。今後も弁護士数は徐々に増加することが見込まれているため、ますます競争が激化していくでしょう。
弁護士数が増加すると、クライアントにとっては相談先の選択肢が増えることになりますが、弁護士にとっては顧客を獲得する機会が減ることになります。このような状況では、弁護士も顧客を獲得するために積極的に営業することが重要です。
弁護士の広告が自由化されているため
集客力を強化するための手軽な方法として、広告を打つことが挙げられます。この点、以前は、弁護士が広告を打つことは品位に欠ける行為にあたると考えられていたため、全面的に禁止されていました。しかし、時代の流れとともに弁護士の広告に対する考え方も変化し、2000年には一定のルールのもとに、弁護士が広告を打つことも原則自由化されました。
現在では、数多くの弁護士や法律事務所が、様々な媒体に広告を出稿しています。このように弁護士の広告が一般化した現在では、広告を出稿して問い合わせを待つだけでなく、さらに積極的な営業活動が求められているといえるでしょう。
サービス価格が高いため
弁護士業界の特徴として、他の業界よりもサービス価格が高い傾向にあるということが挙げられます。弁護士にトラブルの解決を依頼すると、着手金だけでも数十万円がかかり、さらに報酬金で数十万円を要することが多いです。このようにサービス価格が高いと、クライアントは依頼先をシビアに選別するようになります。そのため、弁護士としては営業活動を通じて、価格に見合ったサービスを提供できることを伝えていく必要性が高まってきました。
弁護士の効果的な営業方法
弁護士にとって効果的な営業方法として、主に次の5つが挙げられます。
ポータルサイトへの登録
弁護士のポータルサイトとは、インターネット上で各種法律問題を解説するとともに、様々な弁護士を紹介するWebサイトのことです。現在では、分野を絞って、あるいは絞らずに、数多くのポータルサイトが開設され、日々、運営されています。
閲覧数が多いポータルサイトに登録しておけば、そのサイトを通して問い合わせがくることが期待できます。
ホームページ等での情報発信
さらに積極的に営業するためには、法律事務所のホームページを開設することが有効です。インターネットが普及した現在では、法的な悩みを抱えた人の多くは、まず情報を検索します。そのとき、事務所のホームページを見つけてもらえれば、問い合わせにつながる可能性があります。
それに加えて、ブログやX(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどのSNSで情報発信も行えば、問い合わせてもらえる確率を高めることが可能です。
有料広告(リスティング広告)
クライアントからの問い合わせの増加を見込むためには、有料広告を打つことも有効です。なかでも、リスティング広告を行っている法律事務所が増えています。リスティング広告とは、検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、一般のWebサイトよりも上位に表示される広告のことです。
リスティング広告は有料ですが、クリック数に応じて広告費が発生する仕組みであるため、費用対効果は高いといえます。予算に余裕があれば、リスティング広告も検討してみるとよいでしょう。
セミナーや講演会の担当
法律に関するセミナーや講演会に登壇すれば、クライアントに対して直接、自分をアピールすることが可能です。わかりやすく役に立つ講演をすることで参加者からの信頼度を高め、依頼につながることが期待できるでしょう。
セミナーや講演会の講師を担当するためには、専門のサービスに登録する方法もありますが、弁護士会の各種委員会でも様々なセミナーや講演会を開催することがあります。機会があれば、積極的に講師を担当してみましょう。
異業種交流会への参加
クライアントと直接、信頼関係を築く方法として、異業種交流会への参加も有効です。異業種交流会で積極的に自分をアピールできれば、相談や依頼につながる可能性があります。また、様々な業界との人脈を築いておけば、後日、クライアントを紹介してもらえる確率を高めることもできます。
弁護士の営業活動における注意点
弁護士の営業活動においては、以下の点に注意が必要です。
禁止事項を遵守すること
弁護士が営業活動をする上では、様々な禁止事項を遵守しなければなりません。例えば、「弁護士等の業務広告に関する規程」により、以下の広告は禁止されています。
・事実に合致していない広告
・誤導または誤認のおそれのある広告
・誇大広告や過度な期待を抱かせる広告
・困惑させ、または過度な不安をあおる広告
・特定の弁護士や法律事務所などと比較した広告
・法令や弁護士会のルールに違反する広告
・弁護士の品位または信用を損なうおそれのある広告
また、世の中には弁護士に事件を紹介することで報酬を得る「紹介屋」と呼ばれるような悪質業者も少なからず存在します。しかし、事件の紹介を受けることと引き換えに対価を支払うことは、弁護士職務基本規程で禁止されています。
禁止事項に抵触した場合は、所属する弁護士会から懲戒処分を受けたり、弁護士法に抵触した場合は刑事罰を科せられたりするおそれもあります。
営業活動に際しては、法令や弁護士会のルールを確認して禁止事項に触れないよう、くれぐれも注意しましょう。
営業活動に時間や労力、費用をかけすぎないこと
営業活動に精を出しすぎて本業がおろそかになってしまうと、本末転倒です。営業活動は、時間、労力、費用の面で効率的に行うことを検討しましょう。
時間と労力の面では、ホームページの運営などインターネットを活用した営業活動がおすすめです。なお、高額の費用を要する広告を打つことは、少なくとも独立直後は控えた方が賢明といえます。
問い合わせへの対応体制を整えること
営業活動が功を奏して問い合わせが増えたとしても、適切に対応できなければ収益が上がりませんし、逆に信頼度を落としてしまうおそれもあります。そのため、弁護士の営業方法は、問い合わせの増加に対する事務所としての対応体制の強化とセットで検討することが大切です。
弁護士の営業活動は電話代行サービスとの連携がおすすめ
弁護士が営業活動で問い合わせを増やしつつ、事務所の対応体制を強化して顧客の獲得数を増やすためには、電話代行サービスの導入がおすすめです。
電話代行サービスとは
電話代行サービスとは、事務所にかかってくる電話に対して、プロのオペレーターが弁護士や事務員に代わって対応してくれるサービスのことです。弁護士が不在で事務員が多忙なときでも、問い合わせの電話が入ればオペレーターが迅速に対応してくれます。そのため、「問い合わせが増えても対応しきれない」という問題を解消することができます。
弁護士が電話代行サービスを利用するメリット
弁護士が電話代行サービスを利用することで、新規顧客の取りこぼしを回避できるというメリットが得られます。法的な悩みを抱えた方にとって、「なかなか電話が繋がらない」「弁護士が不在で、いつ折り返しの連絡をもらえるか分からない」という状況では、他の法律事務所へ流れてしまうでしょう。しかし、オペレーターが専属秘書のように対応することによって、スムーズに法律相談へとつなげることが可能です。
また、秘書検定や電話応対技能検定などの有資格者(オペレーター)が対応することにより、悩みを抱えた相談者に安心感と信頼感を与えることができます。事務所に対する信頼度が高まることで、依頼を獲得できる確率も上がるでしょう。
さらに、数多くかかってくる電話への対応をプロのオペレーターに任せることにより、弁護士と事務員は本来の業務に集中することができます。業務の効率化により、収益の向上も期待できます。
弁護士が電話代行サービスを利用するメリットは、大きいといえるでしょう。
まとめ
弁護士の営業方法は、本記事でご紹介したものの中から、やりやすいものを取り入れていただければよいでしょう。営業活動を展開する際には、電話代行サービスと連携することで、問い合わせの増加だけでなく、事務所の対応体制を強化することにもなります。問い合わせの電話に迅速かつ適切に対応することで、営業活動の成果を最大化することが可能です。
CUBE電話代行サービスでは、弁護士・法律事務所向け電話代行サービス「My Team108」を提供しています。営業活動によって増えた問い合わせをスムーズに相談・依頼へつなげたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。