【目次】
電話対応時、通話の切り方のマナー
ビジネス上での電話対応に慣れていない人は、どのように話を終えて電話を切ったらいいのか迷うものです。あなたの会社で電話対応に困っている人はいませんか。
本記事では、電話対応の際の「切り方」に着目したマナーをご紹介していきますので、新入社員や電話対応に慣れていない社員の指導にお役立てください。
マナー1:相手に電話を切ることを知らせる
プライベートの電話の終わり方は、「じゃあね」というような言葉で「もう電話を切ります」ということを暗に示すことが多いのではないでしょうか。
同じように、ビジネス上でもある程度決まったフレーズを使って、電話相手に「もう電話を切ります」ということを知らせてから受話器を置くことがマナーです。
お互いの話したい用件が終わったとき、「では、失礼します」や「お電話ありがとうございました」などの言葉を使うと、相手に伝わりやすいです。
しかし、マナー良く電話を切ることに集中しすぎて、必要な用件を伝え損ねた、もしくは相手の話をしっかり聞けていなかった、ということが起こらないように、あくまでも電話の本題が一番重要であることを、新入社員の方には念頭に置いてもらいましょう。
マナー2:架電者が先に電話を切る
ビジネスでは、電話をかけたほうが先に電話を切ることがマナーです。
電話をかけた方は何かしら伝えたいこと、聞きたいことがあって電話をしているため、用件が終わったタイミングで電話を終えることができるためです。
逆に電話を受けた方は、電話相手の話が終わったのか、それともまだ伝えたいことや聞きたいことがあるのかが明確に判断できません。
そのため、電話をかけた方であれば用件が終わり次第、「では、失礼します」と相手に声をかけてから電話を切りましょう。
電話を受けた方であれば、相手が電話を切るまで静かに待っておけばOKです。
マナー3:静かに受話器を置く
電話を切るときに、受話器をそのまま置くと「ガチャッ」と相手に大きな音が響きます。これは相手に不快な思いをさせてしまうマナー違反になりますので、静かに受話器を置くことを忘れないようにしましょう。
電話機に「通話」ボタンが存在している場合は、そのボタンをそっと押します。ボタンが無い場合は、受話器を置く場所にある電話機のフックを、指でゆっくりと押して電話を切電します。なるべくゆっくりと押すことで「プッ」と小さな音で電話が切れるので、相手に不快な音は響きません。
慣れるまでは時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れてしまえば短時間で行うことが出来ます。
電話を切る際の注意点
電話の切り方の基本的なマナーを3点ご紹介しましたが、イレギュラーな対応が必要な場合もあります。基本的な切り方のマナーに加え、今からご紹介する注意点も併せて教えておくと、新入社員や電話対応が苦手な人の電話の実践で役に立つでしょう。
相手が目上の人やお客様の場合の切り方
先ほど、マナー2で、「架電者が先に電話を切ることがマナー」と伝えましたが、電話相手が目上の人やお客様の場合はイレギュラーな対応として「相手が電話を切るまで待つ」ことがマナーになります。
ただし、「では、失礼します」と伝えた後、静かにしばらく待っていても相手が電話を切らない場合は、相手も「架電者が電話を切る」と思って待っている可能性があります。
目安としては5秒ほど待っても相手が切る様子が無ければ、こちらから静かに電話を切って問題ありません。
相手が電話を切らなかった場合の切り方
電話を受けた場合は、基本的には電話相手から電話を切ります。
しかし、相手が電話を切るまで待っていても、ずっと無言で電話を切る気配が無い場合も起こりえます。
これは電話を受けた方が「目上の人やお客様」にあたり、電話相手もこちらが電話を切るまで待っている可能性があります。
もし、5秒ほど待っても相手が電話を切らない場合は、こちらから「お先にお電話切らせていただきます」や、「お電話ありがとうございました、失礼します」と伝え、静かに電話を切ると良いでしょう。
電話を切る際に使えるフレーズ
電話を切るときに使えるフレーズは、「では、失礼します」以外にもいくつかありますのでご紹介します。その時々にあったフレーズを利用できるようになれば、電話対応のスキルアップにつながります。
「お電話ありがとうございました」
「今後ともよろしくお願いいたします」
「お忙しいところありがとうございました」
「また改めてご連絡いたします」
また、電話を切るときのフレーズを使っても、お互いに沈黙が続いてしまった場合は、更に下記のようなフレーズを使うと電話を切りやすい、もしくは切ってもらいやすくなります。
「どうぞ、お電話お切りください」
「お先にお電話切らせていただきます」
「お電話ありがとうございました、お先に失礼します」
具体的な電話対応の流れ
さて、電話の切り方のマナーについてお話してきましたが、実際に電話がかってきたときの電話の受けかたの流れについても、改めて確認しておきましょう。
電話をかけるよりも、電話を受ける方が心の準備がしづらいため、新入社員や電話対応に慣れていない人は、先に大まかな流れを知っておくと安心です。実践をさせる前に、一緒に流れを確認すると良いでしょう。
電話に出る
電話が鳴ったら2コール、遅くとも3コールで受電することが良いとされています。
1コールで受電すると、電話をかけてすぐに相手が出るため、架電者が驚いて挨拶がうまくできなくなることがあるためです。
1コールがだいたい3秒ですので、3コール以上鳴らす場合は、約10秒以上待つことになります。電話を待たせる時間が長いほど、また、待たせる頻度が高いほどクレームにつながる可能性があります。
3コール以上鳴ってしまったときは、受電時に「お待たせしました」もしくは「大変お待たせいたしました」と、一言付け加えるようにしましょう。
もっと詳しく知りたい!という方は、下記のブログもご覧ください。
プロが教える電話対応の基本 ~今さら聞けないビジネスマナー~
社名や名前を名乗る
受話器をあげたらまずは挨拶をして、社名や名前を名乗りましょう。
例をあげると、
「お電話ありがとうございます。△△(社名)、~~部(部署名)の○○(名前)でございます」
「ありがとうございます。△△(社名)の○○(名前)です」
「はい、△△(社名)でございます」
などがあります。
相手が聞き取れるように、明るく、ゆっくりはっきりと伝えることが大切です。
企業や事務所によって名乗り方が決まっていることが多いため、名乗り方を確認して、練習しておくと良いでしょう。
電話対応ではメモを書き残すことがあります。
相手の名前・用件を聞き取る
受電した方が名乗り終えると、電話をかけた方も名乗ることが基本です。
名乗られた社名や名前、用件を聞き取って、誤りが無いかどうか復唱して確認をとります。例えば、「いつもお世話になっております。~~株式会社の▽▽様でいらっしゃいますね」と、ゆっくりはっきりと伝えて確認します。
また、新入社員や電話対応に慣れていない人は会話に一生懸命になってしまい、会話中にせっかく確認をとった電話相手の社名や名前を忘れてしまうことが多いため、相手の社名や名前はすぐにメモを取るようにしてください。
用件に応じた対応
相手の社名や名前をメモしたら、次は用件に応じて対応が変わります。
よくある用件の例として、
① 「注文した商品の納期はいつになりますか」や、「御社の~~という製品の使い方を教えてください」などの問い合わせで、受電者でも回答できる用件
② 上記と同じような問い合わせではあるものの、受電者では回答できない用件
③ 「○○(担当者名)さんいますか」や、「~~の件の担当者の方いますか」などの名指しや受電者宛ではない用件
などが挙げられます。
問い合わせへ返答
受電者が答えられる問い合わせ内容であれば、そのまま返答対応に入ります。
たとえば、「納期はいつですか」であれば、注文履歴を確認するために必要な情報(電話番号や注文番号、商品名や注文日など)を伺い、調べて回答します。
「製品の使い方を教えてください」であれば、どのような用途で使いたいのかなど、希望を聞きながら説明を行うといいでしょう。
わからないことを聞かれた場合、もしくは説明に自信がない場合は、必ず先輩や上司、専門部署の人などに確認をとってから返答するか、電話を代わってもらうことが大切です。
保留または折り返し
わからないことを聞かれた場合や、確認作業が必要な場合は、必ず保留ボタンを押してから確認を取るか、時間がかかるようなら相手に折返しの電話を提案しましょう。
保留は30秒以内が目安です。30秒以上かかる場合は必ず折返しの電話にしてください。
もし、30秒以内で確認ができると思っていたけれど、やはり30秒を超えてしまう…という場合は、わかった時点で保留を解除して、お詫びの上、折返しの電話を提案します。
「大変申し訳ありません。確認にまだ時間がかかりそうですので、恐れ入りますが確認ができ次第、折返しのお電話を差し上げてもよろしいでしょうか」と伝えると良いでしょう。
取り次ぐ
名指しの電話を受けた場合や、「~~の担当者宛」のような自分宛てではない電話を受けた場合、該当の人に電話を取り次ぐ必要があります。
取り次ぎ相手が在席している場合は、「少々お待ちください」と伝えてから保留し、内線もしくは口頭で誰からの電話か伝えてから取り次ぎます。
もし、取り次ぎ相手が不在の場合は、「申し訳ありません。あいにく○○(担当者名)は不在にしております。戻り次第、折返しご連絡を差し上げますが、よろしいでしょうか」と、折り返しの提案を行います。
他には、「もし簡単にご用件をお伺い出来れば、○○が戻り次第申し伝えますが、いかがでしょうか」など、伝言を承るような提案も良いでしょう。
挨拶をして電話を切る
用件の対応が終わったら、挨拶をして電話を切ります。
その場で解決した電話であれば、「本日はお電話いただき、ありがとうございました」等、お礼を伝えて終話します。
電話を切った後、折返しの電話が必要な場合は、「後ほど○○(担当者名)よりお電話させていただきますので、何卒宜しくお願いします」等、具体的なその後の流れを付け加えると親切です。
もし、クレームの電話であれば、「本日は~~の件で、▽▽様(電話相手の名前)にご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。この度はお忙しい中、貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます」など、お詫びとお礼をセットで伝える挨拶を行うといいでしょう。
必要に応じて伝言メモを作成
名指しの電話を受けた場合、緊急の用件であれば出先に連絡を取りましょう。
もし緊張ではない電話内容であれば、該当の社員に伝言メモを残す必要があります。
伝言メモには、
電話を受けた「日時」
電話を受けた(自分の)「部署名」「名前」
電話をしてきた方の「会社名」「部署名」「名前」と「用件」
折り返しの電話が必要か否か
折返しの電話が必要な場合は、電話をしてきた方の「電話番号」
を、記載します。
最近では伝言メモではなく、メールやチャットツールで伝言を残す会社も増えているため、その場合は会社のルールで伝言を残してください。
伝える内容は伝言メモと同じです。
電話対応の基本やマナー
電話の切り方のマナーや、受電時の電話対応の流れを具体的に確認してきました。
次は、電話対応の基本やマナーをご紹介します。
新入社員の方や電話対応が苦手な人以外でも、改めておさらいしてみると新たな発見があるかもしれません。
会社の代表であることを忘れない
会社の電話に出ることは、会社の代表として電話に出るということです。初めて会社に電話をしてくる人にとって、受電した人の印象はそのまま会社の印象に直結します。
たとえ普段からやり取りのある取引先や顧客であったとしても、1度の電話対応の悪さで、「感じの悪い会社」として、やはり会社の印象は悪くなります。
受電を行う際は、必ず会社の代表であることを忘れずに、電話相手に良い印象を与える対応を心がけましょう。
もしもしは使わない
私的なスマートフォンでの受電や、家庭の電話機で受電を行う場合は、電話に出たタイミングで「もしもし」や「はい」を使うことが多いのではないでしょうか。
しかし、ビジネスでの受電では「もしもし」と使うことはマナー違反です。
「もしもし」とは、「申し上げます、申し上げます」→「申す、申す」→「もしもし」と、正しい言葉が略されて出来上がった言葉であり、目上の人やお客様に使うには失礼に当たると考えられてるからです。
本記事の「具体的な電話対応の流れ」でご説明した通り、受電時の第一声は必ず、その会社で決まっている挨拶を行うようにしましょう。(例えば、「お電話ありがとうございます」など)
正しく敬語を使う
どんなに気持ちを込めて丁寧に対応しようと思っていても、正しい敬語が使えていない場合、良い印象につながらない可能性があります。
なぜなら、視覚情報がない電話対応にとって、正しい敬語の使えるかどうかは、接客の身だしなみがきちんとできているかどうかと同じくらい、会社の印象を左右するからです。
会社の代表として、正しい敬語は身につけておきたいところです。
よく使う敬称や敬語は下記の通りです。
敬称
わたし・ぼく → わたくし
あなた → ○○様
あなたたちの会社 → 御社
わたしたちの会社 → 当社
尊敬語
言う → おっしゃる、言われる
行く → いらっしゃる、おいでになる うかがう参る
来る → いらっしゃる、おいでになる、みえる、お越しになる
会う → お会いになる、会われる
謙譲語
言う → 申す、申し上げる
行く → うかがう、参る
来る → お越しいただく
会う → お目にかかる
もっと詳しく知りたい!という方は、下記の記事もご覧ください。
電話対応の言葉遣いを解説 よく使う敬語やマニュアルも紹介
事前準備をしておく
ビジネス上でスムーズな電話対応を行うには、事前準備を行うことが大切です。
電話の切り方の挨拶に自信がない人は、良く使うフレーズをメモに書いて電話機の近くに貼っておくなどの事前準備が有効です。他にも、敬語に自信がない人は、良く使う敬語の表を貼っておくこともおススメです。
また、電話対応時には、相手の社名や名前、連絡先などをサッとメモに残せるように、受電前からメモとペンは近くに準備しておくようにしましょう。
CUBE電話代行サービスとは
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電話対応から取引先やお客様に喜んでもらいたいと考える経営者の方は、是非、CUBE電話代行サービスをご活用ください。
まとめ
電話対応は基本的なマナーをしっかり身につけていないと、知らない間に相手に失礼なことをしてしまい、大切な取引先や顧客が離れてしまいます。
しかし、マナーをしっかり身につけて、自分自身の電話対応に自信が持てるようになるには、多くの時間がかかります。
実践あるのみ!で失敗が続き、取引先や顧客から信用を無くしたり、電話対応がますます苦手になったりする前に、新人や電話対応が苦手な人への指導や研修中の間だけでも、受電業務をCUBE電話代行サービスへアウトソーシングする方法もあります。
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