【目次】
カスタマーサービスで必要とされる電話対応スキル16選
インターネット辞書のWeblioの実用日本語表現辞典によりますと、カスタマーサービスとは、「商品やサービスを購入した顧客、あるいはこれからしようとする潜在的な顧客がもつ不満や疑問を解決するための企業活動のこと。店頭などでは対応しきれないため、カスタマーサービス用にコールセンターなどを設けていることがある」と記載されていました。
わたしたち電話代行サービスの仕事においても、クライアント企業様の「商品やサービスの問い合わせ先」として受電を行うことも多々あります。そのため、電話代行サービスのオペレーターは、カスタマーサービスのオペレーターとしてのスキルが必須です。
本記事では、わたしたち電話代行サービスのオペレーターが、カスタマーサービスとして受電するにあたって、どのようなことを大切にしているかをご紹介するとともに、今後自社でカスタマーサービスを開設される予定がある、もしくはすでに開設されている、または代表電話がカスタマーサービスも担っているという企業の方に向けて、「カスタマーサービスで必要とされる電話対応スキル」をご紹介いたします。参考にしていただければ幸いです。
参考:Weblio辞書 国語辞典
スキル1:笑声(えごえ)で受電する
笑声(えごえ)とは、笑顔の声のことを指します。
受電してみないとどんな内容の電話かわかりませんが、第一声は必ず最大限の「笑顔の声」で対応する必要があります。電話は、見た目の情報がありませんので、顧客は声でこちらを判断します。
電話の第一印象で「温かみがある」「誠実そう」「しっかり対応してくれる気がする」「爽やかで好感が持てる」などと思ってもらうことが、その後の対応をスムーズにさせるための第一ステップと言えるでしょう。
たとえどんなに忙しい時でも、第一声は笑声で受電できるスキルは必須と言えます。
スキル2:傾聴する
簡単なようで難しい「傾聴する」というスキルは、カスタマーサービスでは必要不可欠です。たとえ、電話口の顧客が間違った内容を話していても、話している途中で遮ってはいけません。しかし、傾聴するスキルが無い人であればあるほど、「いや、それは違います!」と、相手が話している途中で割って入ってしまうことが多々あります。これではお互いが言い合いになってしまい、顧客の不満や疑問は大きくなることはあっても、解消することはありません。
「違うな」と思っても、顧客が話し終えるか、もしくは一息つくタイミングまでしっかり聞き手になることで、顧客に「自分の話を誠実に聞いてもらえている」と思ってもらうことが大切です。もし気持ちが高ぶっている顧客であっても、傾聴力さえあれば次第に気持ちが落ち着くのです。
スキル3:気持ちを受け止める
電話内容がクレームであれば特に言えることですが、たとえ、顧客の思い違いや見間違い、聞き間違いだったとしても、顧客が「嫌な思いをした」という気持ちをしっかり受け止めなければなりません。
たとえば、顧客がHPの表記を見間違えた末、希望の納期に商品が届かなかったというクレームだった場合、「HPの表記がわかりづらかったため、○○様にはご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ありません」と応対することが必要です。
「HPにちゃんと書いていたんだからこちらは悪くない。だから謝罪しない」という判断をされる企業もありますが、カスタマーサービスとしてはやってはいけないことの1つです。なぜなら顧客の「嫌だった」という気持ちを受け止めたことにならないからです。
しっかり顧客の話を聞く力があっても、最後に「でもHPにしっかり表記していましたので、こちらの落ち度はありません」などと言ってしまうと、顧客は「自分を否定された」と感じてしまい、二次クレームに発展する可能性が高くなります。
スキル4:共感する
顧客の「嬉しかった」「悲しかった」「腹が立った」という感情に対して、カスタマーサービスでは声の表現のみで、同じように喜んだり、悲しんだり、憤ったりするスキルが必要とされます。
人は、「自分と同じ」ということに親近感や好感を持ちやすいため、顧客の感情に共感することで話をスムーズに進めることができるのです。
たとえば、「そちらの○○という商品を友人からもらったんだけど、とても美味しかったの!どこで売ってるの?」というような嬉しい感情からの質問があった場合は、カスタマーサービスでも嬉しさを表現してから販売場所を答えることが重要です。
「○○を召し上がっていただき、誠にありがとうございます!お気に召されたとのこと、私どもも大変うれしく思います!そちらの商品は・・・」と、まずは一緒に嬉しい気持ちを共感するか、「お問い合わせありがとうございます。そちらの商品は・・・」と、気持ちに共感ぜずにあっさりと商品の販売場所の説明に入るかで、顧客が受ける印象は随分と異なります。せっかく商品を気にいっても、カスタマーサービス対応1つで購入をやめることもあるでしょう。
スキル5:テンポを合わせる
顧客によって話すスピードは様々です。早口な顧客はテンポ良く回答が欲しい、ゆっくり丁寧に話す顧客は詳細までしっかり説明を聞きたい、という傾向があります。
もちろん必ずそうとは限りませんが、相手の会話のテンポと、カスタマーサービスの話すテンポがずれてしまうと、高確率でイライラさせてしまいます。
たとえば、早口な顧客に対して説明や前置きが長くなってしまうと、「そんなことはいいから、出来るのか出来ないのか教えて!!」と言われてしまうことも。早口な顧客にはテンポ良くハッキリキッパリと回答することで、お互い気持ちよく話を進めることが出来ます。
このように、カスタマーサービスでは、顧客の話すスピードにも意識を向け、できる限り合わせることが求められます。
スキル6:声の抑揚とボリュームの調整
カスタマーサービスでは見た目で表現が出来ない分、声の抑揚やボリュームの調節が、感情表現でとても重要な役割を果たします。「ありがとうございます」という言葉1つにしても、抑揚なく淡々と言えば、感謝された気持ちになりません。それは小さくボソボソっと言われても同じです。とても感謝されているとは感じないでしょう。
また、「申し訳ありません」という謝罪の言葉であっても、本当に申し訳ないと思っているんだなと顧客に感じてもらうためには、カスタマーサービスのオペレーターが心の中で思っているだけでは伝わりません。申し訳ないという気持ちが伝わるベストな声の抑揚とボリュームが存在するのです。話しの内容にあわせて、声の抑揚やボリュームを調節できるスキルは必須と言えるでしょう。
スキル7:丁寧な対応を崩さない
顧客は丁寧な話し方の人ばかりではありません。フランクな話し方だったり、高圧的だったり、ぶっきらぼうな話し方の人もいます。話し方を相手にあわせることは親近感を持ってもらう上で必要ですが、決して丁寧な対応を失ってはいけません。
顧客がフランクに話してくるからと言って、こちらも友人のように顧客と会話することはNGです。ぶっきらぼうに話されたので、こちらもぶっきらぼうに説明を・・・なんていうことはもってのほか。
同じように、早口な人にはテンポよく回答することは必要ですが、早く話すために敬語が抜けてしまうなどの丁寧さを欠いては失礼にあたります。
顧客の感情に共感し、話すスピードは合わせつつ、どのような顧客に対しても、言葉遣いはしっかりと丁寧に行うスキルが求められます。
スキル8:常に冷静でいる
顧客が取り乱している、または感情が爆発している際に、カスタマーサービスのオペレーターも雰囲気にのまれてパニックになってしまうとどうなるでしょうか。普段なら難なく受け答え出来ることも、誤った案内や判断をしてしまいます。そして、更に顧客は感情的になってしまうという悪循環が起こるのです。
顧客の感情にのまれてしまう以外にも、カスタマーサービスのオペレーター自身が直前で大きなミスをしてひどく落ち込んでいたり、忙しくて慌ててしまっていたりする場合でも、同様の事態が考えられます。
たとえどのような状況でも、常に冷静な気持ちと態度で顧客対応ができるハートのタフさが求められるのです。
スキル9:要約する
顧客によっては焦りや憤りなどの理由で、話したい内容をうまく伝えられない場合があります。話が前後したり、同じことを何度も言ったりすることもあります。顧客自身が何を言いたかったのかわからなくなってしまうこともあるため、カスタマーサービスでは顧客がどのような不満や疑問、希望があるのかをしっかり要約して伝える必要があります。
たとえば、「~~に不具合があるため、交換がご希望とのことでございますね」など、わかりやすく確認を取ることが出来れば、顧客とカスタマーサービスで話が相違してトラブルに・・・ということも避けられます。
スキル10:スムーズに顧客情報の確認を行う
問い合わせ内容によっては、顧客の個人情報を確認する場面が出てきます。名前や電話番号、住所など、顧客からすればわかりきっている情報なので、早口だったり、聞き取りにくい言い方だったりすることもあれば、うっかり言い間違えたり、勘違いで別の情報を伝えることも有りえます。
顧客の伝えた情報に対して、間違いがないように1から10まで復唱して確認を行うこともありますが、あまりに長い復唱確認は顧客の不満につながり、せっかくの復唱確認を顧客が聞いていない可能性が高くなります。
状況によっては、必要最低限の復唱や確認で、個人情報を特定することも大切です。たとえば、「通販で注文したことがある商品を、もう一度購入したい」という電話の場合、名前と電話番号から顧客情報を特定し、「○○◇◇様、送付先のご住所は△△△でよろしいでしょうか」など、カスタマーサービス側から住所を読み上げる手段もあります。
他には、「お電話番号の末尾は○○○○でお間違いないでしょうか」など、情報の一部で確認をとることもあります。なるべく顧客に負担をかけず、正確な情報の確認を行うスキルが求められます。
スキル11:相手に伝わる言葉を使う
カスタマーサービスのオペレーターが自分で「聞かれたことに上手く回答できた」と思っていても、顧客が理解できていなければ意味がありません。
専門用語のような「その業界で働いている人には伝わる言葉」を、顧客への説明に使うことは控えたほうが良いでしょう。
他にも、電話であれば文字で表せない分、同音異義語の仕様も控える必要があります。
たとえば、「その商品はセイカ店で取り扱っております」と伝えた場合、「生花店」と「青果店」、または「製菓店」もあり得ます。このような場合は多少言葉が砕けても、「お花屋さん」や「八百屋さん」、「お菓子屋さん」など、聞いてすぐにわかる言葉で回答できるスキルが必要です。
カスタマーサービスは電話応対をするだけではありません。
スキル12:マルチタスク
カスタマーサービスでは、顧客からの疑問や要望を聞いて、正しい回答を行うための必要な情報を顧客に質問しつつ、資料を確認したり、情報を検索したり、他部署に確認をとったりする同時進行で行うべき事柄がたくさんあります。
たとえば、「○○の商品を今購入したら、いつ手元に届くの?」と顧客から質問を受けた場合、
① 顧客が必要とする商品の個数をうかがう
② 商品の在庫状況の確認を行う
③ 在庫があれば、顧客の住まいの都道府県をうかがう
④ 現在の時間と、商品発送の締め日の確認を行う(当日発送できるのかなど)
⑤ 発送元から発送先までにかかる日数を調べる
⑥ 顧客へ回答する
と、すぐに思いつくだけでも6つの工程が発生します。運送会社がいくつかある場合は、更に確認項目が増えます。
しっかりと顧客との対話を成立させながらも別の作業ができなければ、何度も顧客を待たせるタイミングが発生するため、急いでいる顧客からのクレームの元になると言えるでしょう。
スキル13:ブラインドタッチ
顧客からの問い合わせの履歴は、文章にしてデータで管理するカスタマーサービスも多いため、カスタマーサービスではタイピング作業も常時発生します。また、カスタマーサービス内で注文受付や予約受付、キャンセルや変更処理、その他に在庫確認なども行っている場合は、PC画面を確認しながら必要事項を入力していく必要があります。
自分の手元だけを見てタイピングしていると、入力ミスや誤字脱字等があった場合に発見が遅れてしまうため、必要以上に顧客を待たせてしまうことにつながります。
なるべく多くの顧客の不安や不満、疑問を解決するためのカスタマーサービスですので、効率的に作業することが必須です。そのため、ブラインドタッチのスキルは必要とされています。
スキル14:保留にする?折返しにする?を判断する
顧客からの問い合わせがあった際に、その場ですぐに回答ができない場合、「少々お待ちください」もしくは「○分ほどお待ちいただいてもよろしいでしょうか」と、保留をしてから確認作業に入るか、「確認をとってこちらからお電話さし上げてもよろしいでしょうか」と、いったん折り返しの提案を行うか、カスタマーサービスのオペレーターの判断にゆだねられます。
本来ならば顧客からの疑問には、その場で回答できる方が顧客満足度は高いはずです。しかし、顧客が急いでいればいるほど、保留時間というのは長く感じます。顧客の気持ちと、確認作業にかかると思われる時間を瞬時に判断し、「確認は必要だが、折り返しの電話をするほど待たせるわけではない」時と、「保留にするとかなり待たせてしまうので、いっそ折り返しの電話にしたほうがいい」時との見極めが非常に大切とされています。
これを間違ってしまうと、「あの会社はすごく待たされる」というマイナスなイメージがついてしまいます。
スキル15:マニュアルを基本に臨機応変な対応を行う
カスタマーサービスでは、様々な問い合わせが入ってきます。何度も「少々お待ちください」や「確認いたします」と言われることは、顧客にとってストレスになりますので、商品やサービスの情報、よくある質問などについては、都度、確認や検索をしなくとも答えられる必要があります。
そのため、カスタマーサービスでは前もってマニュアルを確認して記憶しておくとともに、過去の問い合わせ履歴などに目を通しておき、顧客からどのような電話を受けるのか想定しておくことが大切です。
しかし、マニュアル通りの回答だけでは顧客満足にはつながりません。マニュアルを基本としたうえで、状況にあった臨機応変な対応が求められます。たとえば、「使用済みの商品を返品したい」と問い合わせがあった場合、マニュアルとしてはNGであっても、「それは出来ません」とだけ伝えてはいけません。申し訳ない気持ちとしっかりと伝えることはもちろん、代案を提案するなど、他に何かできることが無いかをカスタマーサービスのオペレーターが自分で考え対応することこそが、顧客満足の向上につながるのです。
スキル16:必要に応じて別部門に取り次ぐ
顧客によっては、システムのテクニカル面や、専門分野にとても精通していることがあります。カスタマーサービスのオペレーターよりも顧客の方が専門的に詳しい場合、別部門に確認しては顧客に折り返しの電話をする・・・が続いてしまう恐れがあります。そうなってしまってはオペレーターが間に入る分、時間がかかる、もしくは上手く伝わらない可能性が高まりますので、専門の部署や部門のスタッフに取り次ぐ、という判断ができなくてはなりません。
カスタマーサービスで解決できることがベストですが、全てをカスタマーサービス内で解決させようとしてしまうと、逆に顧客が困ることもあるということです。
必要に応じて別部門にスムーズに取り次げるよう、別部門と普段からコミュニケーションをとっておくことも必要でしょう。
以上、カスタマーサービスとして受電するにあたって、必要とされるスキルを16個ご紹介しました。上記は、カスタマーサービスを請け負う電話代行サービスのオペレーターにも必須のスキルです。
事務職で必要とされる電話対応スキル
さて、電話代行サービスでは、ご契約いただいている企業の事務員として受電を行うことも多々あります。カスタマーサービスとはまた違う、事務職として必要とされる電話対応スキルとはどのようなものがあるのかご紹介したいと思います。
スキル1:企業のイメージに合った挨拶をする
受電時の挨拶は、その企業イメージを表現すると言ってもいいのではないでしょうか。
たとえば、
①丁寧に落ち着いた声で「お電話ありがとうございます。○○(企業名)、△△(受電者の名前)でございます」
②元気に大きな声で「ありがとうございます!○○(企業名)です!」
③淡々とした話し方で「はい、○○(企業名)です」
この3つの挨拶では、クライアントや取引先が受ける印象は、大きく異なります。
事務員が代表電話で企業のイメージに合った挨拶をすることは、勤め先の企業イメージを守ること、更には企業ブランドを高めることにつながるのです。
逆に、事務員にこのスキルがなければ、電話対応と企業のサービスや商品のイメージへのミスマッチが起こり、知らず知らずのうちにクライアントや取引先が他社へ流失している可能性があると言えます。
事務員に必要な電話応対スキルにはどのようなものがあるのでしょうか。
スキル2:自ら提案する姿勢
事務員は社内にいることが多いため、必然的に電話を取ることが多いと言えます。
受電内容は様々だと思いますが、名指しの電話や、「△△の担当者の方いますか」「◇◇の話が分かる方は・・・」というような、自分宛ではない電話を受けることも多いのではないでしょうか。
もし、名指し人や担当者が不在の場合、自ら提案し、伝言を預かるスキルをもっていれば、取引先やクライアントだけでなく、社内の人間も安心して仕事に取り組むことが出来ます。
逆にこのスキルが無い場合は、下記のように不親切な対応になってしまい、取引先やクライアントは事務員だけではなく企業自体に対して不安や不信感を抱いてしまいます。
取引先「○○さんいますか?」
事務員「あー…ただいま不在ですね」
取引先「そうですか…じゃあ、◇◇の話が分かる方はいますか?」
事務員「いや~ちょっとわからないですね…」
取引先「そうですか…○○さんは何時ごろ戻られますか?」
事務員「昼頃に戻る予定です」
取引先「では、また電話します」
事務員「はい、お願いします」
(また電話が来るはずだから、○○さんには伝言を残さなくていいか)
良い例としては、下記のような自ら提案する声掛けです。
取引先「○○さんいますか?」
事務員「申し訳ありません。あいにく○○は外出しておりまして、昼頃に戻る予定です。よろしければ戻り次第にはなりますが、伝言を申し伝えるか、折返しお電話をさせていただきます。いかがでしょうか」
取引先「ありがとうございます、では、折返しお電話をいただくようにお伝えください」
事務員「承知いたしました。念のため、お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか」
取引先「000-0000-0000です」
事務員「000-0000-0000ですね、承知いたしました。戻り次第、○○よりご連絡させていただきます」
(電話のあった日時、相手の社名、担当者名、折返しの電話番号をメモに書いて○○さんのデスクに置いておこう)
スキル3:電話をスムーズに取り次ぐ
スキル2の話とつながりますが、事務員は名指しや、「◇◇(案件)の担当者宛」というような、自分宛ではない電話を受けることが多くあります。
そんなときにスムーズに電話を取り次ぐスキルは、社内でも重宝されること間違いないでしょう。
例えば、「○○さんいますか?」という電話に対して、スキル不足の事務員であれば下記のような時間の無駄が発生します。
取引先「××商事ですが、○○さんいますか?」
事務員「少々お待ちください」
内線で○○さんを呼び出す
○○「はい、○○です」
事務員「○○さん宛にお電話です」
○○「誰から?」
事務員「××商事さんです。担当者名は言っていなかったのでわかりません」
○○「うーん、男性?女性?」
事務員「男性です。若い声でした」
○○「誰だろう…△△さんかな…とりあえず代わってくれる?」
事務員「お願いします」
このあと、用件や声を担当者名が判明すればいいのですが、わからない場合は後になって担当者名を確認せねばならない事態が発生してしまいます。
もし、事務員に電話をスムーズに取り次ぐスキルがあれば、下記のようにもっと効率的に話が出来ると言えるでしょう。
取引先「××商事ですが、○○さんいますか?」
事務員「××商事様、いつもお世話になっております。○○に電話を代わらせていただきますので、差し支えなければ、××商事様のご担当者名をお伺いしてもよろしいでしょうか」
取引先「お世話になっております。失礼しました。私は△△です」
事務員「△△様でいらっしゃいますね。ありがとうございます。少々お待ちください」
内線で○○さんを呼び出す
○○「はい、○○です」
事務員「○○さん宛に××商事の△△様からお電話です」
○○「ありがとうございます、かわります」
事務員「お願いします」
電話に出る際のマナーとは?
さて、カスタマーサービスで必要とされる電話スキルと、事務員で必要とされる電話スキルについてご紹介しましたが、その他の職種でも「電話対応が全くない企業や事務所」は少ないのではないでしょうか。
ここからは、業種を問わず、ビジネス上で知っておくと良い受電のマナーについて5つご紹介します。「そんなの全部知っているよ」という方もいると思いますが、新入社員や、電話が苦手な社員の指導に役立つかもしれません。
「受電のマナーについてもっと詳しく知りたい!」という方は、下記の関連リンクもご覧ください。
【電話対応マニュアル】電話対応のマナーからよく使うフレーズまで紹介【テンプレート付】
マナー1:2コールで受電する
ビジネス上では、2コールで受電がベストです。3コールは許容範囲、1コールは早すぎるとされています。1コールでは早すぎて架電者がびっくりしてしまい、3コールでは架電者が「遅いな」と思い始めていると言われます。そのため、3コールで受電した場合は、「お待たせしました」と電話相手に伝えることがマナーです。
というのも、1コールはだいたい3秒くらいのため、たとえば1コールだと3秒で受電するので心の準備が出来ておらず、逆に4コールまで鳴ってしまうと12秒ほど待っていてイライラし始めることになります。
もちろん、架電者の急用度によっても体感時間は異なると思いますが、2コールで受電して「遅い」や「早すぎる」と思われることはまずありません。
マナー2:社名や名前を名乗る
セキュリティ面から、最近では家の電話を受電しても名乗らない人が増えています。しかし、ビジネス上では自社の社名を名乗ることは必須です。
「はい」や「もしもし」だけでは、電話相手に失礼になってしまいます。
名乗り方は企業によって異なると思いますが、一例としては下記のような文言があります。
「ありがとうございます、◇◇(企業名)でございます」
(10時頃までの受電)「おはようございます、◇◇(企業名)です」
「お電話ありがとうございます、◇◇(企業名)の○○がお受けします」
(3コール鳴った後)「お待たせいたしました、◇◇(企業名)、◆◆担当の○○でございます」
緊張や焦りから名乗るべき言葉が出ない…ということが無いように、しっかり名乗り方を練習してから受電すると安心です。
マナー3:相手の社名、名前を復唱確認する
電話相手が名乗ったら、復唱して確認を取ることもマナーの1つです。「復唱している時間がもったいない」「手間だ」と感じるかもしれませんが、復唱確認を行うことで、こちらの聞き間違いを防ぐことが出来るのです。
もし、復唱せずに聞き間違いをしていた場合、誰からの電話なのかわからなくなり、連絡が取れない…ということも起こりかねません。
例えば、下記のような場合が考えられます。
架電者「お世話になっております。スダ事務所のサイキです」
受電者「お世話になっております」
架電者「○○さん、不在だと思うのですが、戻られたらお電話くださいとお伝えください。私の電話番号はご存知のはずです」
受電者「承知しました」
~~
○○さんへのメモ…「ツダ事務所のサエキ様にお電話お願いします」
もし、伝言相手が予測できるような間違いであれば良いのですが、全く見当つかない場合、折返しの電話ができなくなってしまい、トラブルやクレームにつながる恐れがあるのです。
もし復唱確認を行っていたら、下記のようにミスを防げるでしょう。
架電者「お世話になっております。スダ事務所のサイキです」
受電者「ツダ事務所のサエキ様、いつもお世話になっております」
架電者「あ、スダ事務所です。サシスセソのスです。あと、名前はサエキじゃなくてサイキですね、イ」
受電者「大変失礼いたしました。スダ事務所のサイキ様でいらっしゃいますね」
架電者「そうです。○○さん、不在だと思うのですが、戻られたらお電話くださいとお伝えください。私の電話番号はご存知のはずです」
受電者「承知しました」
~~
○○さんへのメモ…「スダ事務所のサイキ様にお電話お願いします」
マナー4:簡単に用件を聞く
もし、名指し人や担当者が不在の場合、簡単に用件を聞いておくことも大切です。用件によってはすぐに対応せねばならない場合もあれば、用件を聞いてみたら営業電話だったということもあります。もちろん、「用件は直接話したい」と言われた場合は、それ以上用件を伺う必要はありませんが、例えば下記のように用件を聞いてみると、名指し人が不在でも解決できる場合もあります。
架電者「~~の案件の担当者の方はいますか」
受電者「申し訳ありません。本日は終日外出しておりますので、出先に連絡を取ってみます。差し支えなければ、簡単にご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか」
架電者「○月△日にいただいた~~の件のメールを間違って消してしまって・・・再送してほしいとお伝えください」
受電者「それでしたら私から送信可能です。○月△日に送信したアドレスに再送でよろしいでしょうか」
架電者「よかった!お願いします」
受電者「承知しました」
マナー5:相手が電話を切ってからこちらも切る
架電者から電話を切ることがマナーです。基本的には「失礼いたします」と伝えてから、相手が電話を切ったらこちらも電話を切ります。
ツーツーツーと音がしていれば確実に電話が切れていますが、無音の場合は相手もこちらが電話を切ることを待っていて、まだ繋がっている可能性があります。
しかし、ずっとお互いに相手の切電を待っておくこともできませんので、相手の電話が切れているのかどうかわからない・・・という場合は、改めて「お先に失礼します」と声をかけて、そっと電話を切れば大丈夫です。
電話をかける際のマナーとは?
ビジネス上で電話対応がある限り、受電があれば架電もあります。
業種によっては「自分から電話をかけることはほとんどない」という方もいると思いますが、いざ電話をかける場面が訪れたときに知っておくと良いポイントを簡単に5つご紹介します。
「電話をかける際のマナーについてもっと詳しく知りたい!」という方は、下記の関連リンクもご覧ください。
【電話対応マニュアル】電話対応のマナーからよく使うフレーズまで紹介【テンプレート付】
マナー1:電話をかける時間帯に注意する
電話をかける時間帯には注意が必要です。相手の企業の営業時間外はもちろん、営業終了のギリギリの時間や、営業時間になって即電話をすることは避けたほうがいいでしょう。他にも、いわゆるお昼休みの時間や、連休明けの午前中なども、用件が急ぎで無い場合は控えたほうがベターです。
緊急時や急用で、避けるべき時間帯でも電話をしなければならない時は、「お昼時に申し訳ありません」や、「朝早くに失礼いたします」と、一言添えてから用件を伝えます。
マナー2:用件や確認事項は先にまとめておく
架電は慣れるまで意外と緊張するものです。事前準備なく電話をすると、いざ相手が電話に出たときに、伝えるべきことや聞くべきことが出てこない…ということが起こってしまいます。
せっかく相手と話せたのに「えーと・・・」と、しどろもどろになったり、別の話をしてしまったりすれば、電話相手の時間を無駄に奪ってしまうことになります。
慣れるまでは、「何を伝えるのか」「何を確認するのか」を事前にメモに書いておくこと、そしてメモを見ながら話すことを徹底しましょう。
マナー3:相手が名乗ってから自分も名乗る
受電者がまずは挨拶と企業名や担当者名を名乗りますので、それをしっかり聞いてから自分も名乗ることがマナーです。
急いでいる、または緊張しているなどの理由から、相手が名乗り終わる前に自分も名乗りだしたり、用件を言いだしたりする人がいますが、相手に失礼にあたります。
相手が名乗り終えてから、「お世話になっております。◆◆(社名)の○○(自分の名前)と申します」など、頭に「お世話になっております」や「お世話になります」などの定型のフレーズを入れると良いでしょう。相手が1回で聞き取れるように、社名と名前はゆっくりハッキリ伝えることも大切です。
マナー4:スムーズに取り次いでもらう
ビジネスにおいての架電は、話したい相手が受電してくれるとは限りません。話したい相手に電話を取り次いでもらうことを前提に電話をかける必要があります。
取り次ぎをお願いする際に、「~~の件で、営業部の△△(名前)様とお話ししたいのですが、いらっしゃいますか」など、簡単に用件を伝えておくと、相手も電話を受ける前に事前準備ができます。また、簡単に用件を伝えることで、受電者が「営業電話なのか?取引先なのか?」と悩まなくてすむため、スムーズに取り次いでもらいやすくなります。
マナー5:静かに電話を切る
電話をかけたほうから電話を切るのがマナーではありますが、話し終わってすぐにガチャッと電話を切ることはマナー違反と言えます。「お時間いただきありがとうございました。では、失礼します」と伝え、相手がもう話しださないかどうか、少し待ってから静かに受話器を置きます。
相手が目上の人の場合は、電話をかけた側でも後から電話を切るほうが良いともされていますが、そうすると、お互いに相手が電話を切るまで待つことになりがちです。「では、失礼します」の後に沈黙が続いてしまうようであれば、自分から静かに電話を切るほうが良いでしょう。
電話対応が苦手な場合はどうする?
電話対応のマナーについてご紹介してきましたが、電話はどうしても苦手…という方も多いのではないでしょうか。
スマホが普及して以降、特に若い世代ではプライベートで電話をする機会はほとんど無い、あっても家族くらいだという人が多数です。
しかし、ビジネス上では家族と話すように電話をするわけにもいかず、電話はとてもハードルが高いコミュニケーションツールとなってしまいました。
そんな電話対応が苦手な方のために、対処法を2つご紹介します。
電話対応が苦手な人は多い
対処法1:とにかく慣れる
とにかく慣れるまで積極的に電話を取る、ということは対処法の1つです。
荒療治ではありますが、電話対応が苦手な人は「電話対応をあまりやったことがない」という特徴があります。やったことがない、知らない事には苦手意識がつきやすいものです。
最初はしんどいと思いますが、慣れてしまえば苦手意識はなくなります。また、もし電話対応について社内、もしくは社外の人に褒めてもらえるような体験ができれば、自信につながって得意な分野になることもあります。
社内で電話対応の上手い人とロールプレイングを行うことや、事前にトークスクリプトやよくある会話文、使いやすいクッション言葉などのメモを用意しておくと、安心感につながります。
対処法2:なるべく電話対応をしなくていい環境に身を置く
対処法1と真逆ではありますが、とにかく電話の機会をゼロに近くして、緊張する機会を減らすことも対処法の1つです。
たとえば「電話対応ゼロ」と謳っている職種や職場に勤めることで、電話対応の心配をしなくてよくなります。そのほかには、受電業務をアウトソーシングしてしまうことも選択肢の1つです。受電をアウトソーシングして、架電に関してはなるべくメールで連絡をとるようにしてしまえば、確実に電話対応は減らすことが出来ます。
CUBE電話代行サービスとは
CUBE電話代行サービスでは、今までご紹介してきた電話対応スキルを全オペレーターが最低限の知識として共有しており、日々実践しています。
質の高い電話対応を行うことで、ご契約いただいている企業様のブランド力を底上げていきたいと考えています。
そのため、CUBE電話代行サービスのオペレーターは、厳しい選考を行った自社雇用の正社員のみで構成されています。入社後には、1020時間以上の研修を受け、OJTやOFFJTを継続的に行っています。また、全社員が、秘書検定2級、電話技能検定を取得します。安定した雇用と、安定した教育により、より良い応対品質を保っています。
CUBE電話代行サービスは、カスタマーサービスを必要としている方、事務員が足りない方、自社の電話対応スキルを高めたい方、なるべく電話対応を減らしたい方にもおすすめのサービスです。
あなたの企業の顔として、あなたの企業に合った電話応対を行います。
プランは各種取り揃えておりますが、ご希望を聞かせていただければカスタマイズすることも可能です。ぜひ、大切なお電話の対応は私たちに任せてください。
詳しくは是非、CUBE電話代行サービスの詳細をご覧ください。
CUBE電話代行サービスのご案内
まとめ
メールやSNS、チャットなど、様々なコミュニケーションツールが普及している今でも、電話はビジネス上ではまだまだ重要なコミュニケーションツールの1つです。
取引先や顧客を大切にしたいと考える経営者の方は、自社の社員に電話対応の基礎から教えてあげることも大切かもしれません。電話対応は未経験という社員であれば、今回紹介した電話応対の知識ですぐにスキルアップが図れることでしょう。
「電話対応を教えている暇はないよ」という方や、「自分自身も電話に対して自信が無い」という方、「時間や手間をかけずに社内全体の電話応対の質を上げたい」という方は、電話代行サービスを検討してみるのも良いのではないでしょうか。
ぜひ、お気軽にCUBE電話代行サービスにお問い合わせください。
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