人材不足に悩む病院・クリニックでは、電話対応は悩み種ではないでしょうか。来院される患者さん、そして、患者さんからの電話対応。スタッフの人数に限りがある中で、1人1人の患者さんに親身に接したいと思いながらも、人数や時間に限りがありお困りの方も多いのではないでしょうか。
電話対応ぐらいと思われる方もいらっしゃいますが、電話対応をマニュアル化することで業務効率はあがります。新人への教育資料としても使えるのでご紹介させて頂きます。
【目次】
医療事務の仕事
私たちが病院に電話をするとき、対応してくれている病院のスタッフはどのような人なのでしょうか。おそらく電話を取ってくれるのは「病院受付事務スタッフ」もしくは「医療事務スタッフ」が多いと思います。しかし医療事務スタッフとは実際にどのような仕事をしているのか知らない人も多いですよね。
では、医療事務とは何なのかをWEBで調べてみると、このように出てきました。
『医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で患者様の応対をするだけでなく、医療費の計算をしたり保険者に診療報酬を請求したりするお仕事です。患者様に優しい笑顔で応対できる接遇スキルや、医療費の計算では正確性やスピーディな処理能力が求められます。』
(引用:資格の学校TAChttps://www.tac-school.co.jp/kouza_iryou/iryou_kaisetsu.html)
もう少し詳しく言うと、医療事務には大きく3つの仕事があります。それは「受付・会計業務」「クラーク業務」「レセプト業務」です。
「受付業務」は受付に座って患者さんから診察券や保険証を預かったり、カルテを書いてもらったりする業務です。
「会計業務」は患者さんが加入している医療保険をもとに請求する金額を計算して支払ってもらう業務です。病院に行くと最初と最後に必ず会うスタッフですね。患者さんにとって病院の印象を決める病院の顔とも言えるかもしれません。
「クラーク業務」には「外来クラーク」と「病棟クラーク」があります。「外来クラーク」は電話応対、患者さんの呼び出し、カルテやレントゲンの準備、検査データの準備、「病棟クラーク」は患者さんの入退院手続きや食事伝票の管理、手術・検査スケジュールの管理などの業務があります。患者さんからは見えないところでの事務作業も多くあるということですね。
「レセプト業務」は医療事務の専門性がもっとも高い仕事と言えるでしょう。筆者は医療事務の資格を持っていますが、資格講座の内容のほとんどが「レセプト業務」についてでした。
細かく説明するとややこしいのですが、わたしたちが保険診療を受けるとき、一部を本人が支払い、残りは保険証を交付している健康保険組合、国民健康保険組合などが支払う仕組みになっていますよね。
医療事務は保険の審査支払機関に本人負担額の残りの支払い請求を行います。その請求の際に提出する書類が「レセプト(診療報酬明細書)」という書類です。このレセプトを作成し、審査支払機関に対して診療費用の請求を行うことがレセプト業務というわけです。
医療事務の電話対応
病院(医療クリニック)の受付が外来で混雑。来院されている患者さん、お電話をかけてきた患者さん両方に応えるのは大変です
さて、すでに医療機関で電話業務に関わっている方、もしくは病院経営に関わっている方はご存知かもしれませんが、医療機関宛の電話対応の効率化に成功すれば、受付で患者さんをお待たせする時間が減少し、患者さんの満足度は高まります。
もちろん効率的ではあっても雑な対応や冷たい態度は許されませんが、ホスピタリティを持った電話対応のマニュアル作りが出来れば、病院への信頼度や好感度は上がります。それは病院経営に直結するということです。今から紹介する内容を是非、マニュアル作りの参考にしてみてください。
まずは前項の「クラーク業務」の「外来クラーク」の話の中でも出てきたように、医療事務の業務の中には患者さんとの電話対応があります。医療事務として電話対応するにあたり、患者さんからの電話にはどのような点に気をつければいいのでしょうか。
一般企業宛の電話とは違って、病院に電話をかけてくる患者さんの多くは深刻な痛みや体調不良による悩みを抱えています。また、年配の方などの電話の声が聞取りにくい人からの電話も多いのも病院宛の電話の特徴の1つです。そのため、病院の窓口として受電するときはいつもより一段明るい声でゆっくり、そしてハッキリ話すことが大切です。
病院宛の電話対応では患者さんの不安を和らげ、安心してもらうというワンランク上の電話対応が求められるのです。また、安心感を与えるために、専門的な用語をかみ砕いて患者さんに伝えられるボキャブラリーも必要とされるでしょう。
ただし、もし患者さんから自分では判断できない、よくわからない症状のことで質問があった場合は、看護師などの症状に対して詳しいスタッフや医師に確認したほうがいいですね。これは一般企業宛の電話も同じですが、わからないままあいまいな返答はしないことです。
もちろん電話を受けたときは診察予約日時や患者さんの名前、連絡先などは決して間違えてはならない重要な情報として必ずメモをすることも忘れてはいけません。
更によくある質問を事前に把握しておくと良いでしょう。筆者も患者側として質問したことがあるよくある質問の例をあげてみましょう。
1:初診、再診の受信の流れ
予約が必須なのか、予約不要で順番に診てもらうのか。もしくは初診は予約不可、再診は予約必須などの違いはあるのかなどの説明が出来るようにしましょう。
2:診察時間、休診日
何時までに行けば診てもらえるのかという質問は多いものです。たとえば診察時間は19時までだったとしても、18時30分までに受付しないと当日の診察は不可…などの受付時間まで伝えられるとトラブルになりません。
3:支払方法
クレジットカード決済が可能かどうかの質問が入ることが多いです。もし可能な場合でも「○円以上の場合は可能」などの条件がある場合はそのことについてもしっかり説明しましょう。
4:病院の所在地、直通の電話番号、FAX番号
初診の患者さんから病院までの行き方や所在地を尋ねられることもありますし、再診の患者さんからは「次回からは直通の電話番号に電話して」と言われたのに番号を忘れたから教えて欲しいと言われる場合があります。すぐに確認できる場所に住所や地図、直通の電話番号などを貼っておくといいでしょう。
5:交通手段
駐車場はあるのか、ある場合は有料なのかどうか、また、無い場合は最寄りのバス停や最寄り駅を確認されることも有ります。自分では利用しない交通手段についても把握しておきましょう。
このようなよくある質問はFAQとして電話応対のマニュアルにいれてしまうと効率的でいいですね。
病院ならではの電話対応の用語
一般企業として受電する場合と、病院の窓口として受電する場合とでは異なる点がいくつかあります。病院ならではの専門用語はもちろんですが、病院ならではの電話対応用語もいくつかあります。特に前職が一般企業勤めで、その後に医療事務になった方は下記の3点がよく間違えると耳にしますので、マニュアルにいれてしまいましょう。
1:名乗り方は・・・
「はい、○○病院(クリニック)です」や「おはようございます、○○病院(クリニック)です」など。
一般企業の受電時は「ありがとうございます、△△(社名)でございます」が多い印象ですが、病院では患者さんに対して基本的には「ありがとうございます」は使いません。
2:患者さんや患者さんの家族から「お世話になっております」と言われたら・・
「◇◇さん、こんにちは(おはようございます)、本日はどうなさいましたか」など。
つい「こちらこそお世話になっております」と言いたくなりますが、病院側から「お世話になっています」と言われると違和感を覚える患者さんや患者さんの家族も多いので、基本的には挨拶で返します。続けて「どうなさいましたか」とこちらから聞いてあげると本題に入りやすいかもしれません。
3:予約を受けたら・・・
「それでは明日の△日、午前11時30分に予約させていただきます。どうぞ気をつけてお越しください」など。
飲食店などで予約を受ければ「ご予約ありがとうございます」と伝えますが、病院の場合は「ありがとうございます」の代わりに「お気を付けて」や「お大事に」といった気遣い言葉が必要とされます。
マニュアルとホスピタリティで患者の心をつかむ
医療事務スタッフをはじめ、医師や看護師、医療機関のスタッフにとって患者さんはサービスを提供すべき「お客様」ではありません。しかし、「思いやりの心を持って患者さんやその家族に接する」気持ちがなければどんなに素晴らしい治療を受けても不満が残るものです。しんどいとき、痛いとき、苦しいときに助けを求める病院だからこそ、患者さんたちは温かい対応や明るい雰囲気に安心や満足を感じます。
そのことを理解し、ホスピタリティを持って接することが患者さんの心を癒すことにつながると言えるのです。
昨今では医療事務の電話対応に関しても医療接遇研修などを積極的に行っている病院もありますね。そしてマニュアルを使用して電話対応の効率化が成功できれば患者さんの心を掴むことは間違いありません。 受付対応や、様々な雑務、事務作業と多忙を極める医療事務 とはいえ、今回は医療事務スタッフの電話対応に着目しましたが、冒頭でも紹介したように医療事務はその他の雑務や事務作業が多く、その多忙さから人気の職種であり目指す人も多い反面、離職する人も多いとも言われています。ホスピタリティは働いているスタッフの心の余裕がないとなかなか発揮できないものです。
では、患者さんの心をつかみつつ、医療事務スタッフが無理なく仕事を続けられるにはどうしたらいいのでしょうか。
そこでおすすめなのが、病院宛の電話対応に長けた電話代行会社の活用です。電話対応経験が豊富なスタッフが在籍する電話代行会社に依頼すれば、医療事務スタッフの電話対応への負担がなくなります。医療事務スタッフは目の前の来院された患者さんに集中できますし、受付時間外に電話を取る必要もなくなります。
また、医療接遇研修の電話対応について時間を割くことなく、電話対応のマニュアルを作成する必要もなくなりますので経費削減にもつながりますね。
電話代行会社によっては、予約の受付や変更、キャンセルも承って随時情報共有してくれるところもあります。「新しい医療事務スタッフを雇うまでの間だけ利用しようと思っていたけれど、1度使いだすと便利過ぎて解約できない」なんて声も。
お試し期間や全額返金制度がある電話代行サービスも多いので、この機会に病院向け電話代行サービスをぜひ検討してみてください。
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