フリーアドレスオフィスでの電話の良し悪し

先日、オフィスを改装し、“未来のオフィス”を取り入れたという会社に訪問しました。なるほど机は“フリーアドレス制”になっていて、見るからに明るく清潔で、「こんなオフィスで働けたら気持ちいいだろうなあ」と思わせるものでした。

ちなみに、フリーアドレスとは、オフィスの中で固定席を持たずにノートパソコンなどを活用して自分の好きな席で働くワークスタイルのことを指します。オフィススペースを有効かつ効率的に活用できるので、近年ではIT企業やベンチャー企業だけでなく、さまざまな業種の会社に導入されています。

フリーアドレスは固定席ではないので、個人の持ち物はすべてオフィス内に設置してあるロッカーに収納します。そのため仕事を終えた後の机の上は、基本的に何も残っていない状態です。見た目はとてもスッキリしているのですがちょっと気になった点もありました。というのも、電話の周りにメモ帳すらないのです。(デスクのまとまりごとに電話機が設置されていました。)

私がオフィスを見学した時にちょうど電話を受けている人がいました。その人はメモなどは取らずに会話をされていたのですが、電話の周りにメモ帳等が一切ないとなると、場合によっては大変困る事態になりかねません。特に、自分宛じゃない電話の場合は電話対応の良し悪しがストレートに出るのではないでしょうか。

代理で用件を聞く

指名した相手が電話に出られない時は、どんなオフィスでも代理で別の誰かが用件を処理することが往々にしてあります。外出しようとする社内の人や、会議に入る前の人から、「××さんから電話があったら用件を聞いておいてね」と頼まれることもあります。そのように代理で電話に出て用件を承る時には、必ずメモを取って最後に復唱することは基本です。

また、用件や状況によっては、「いつまでに回答せねばならないのか」「いつどこで打ち合わせがあるのか」「必要書類の種類」なども確認しなければならないことでしょう。最近では新入社員向けの研修において、ビジネスマナーや電話対応がいかに顧客や取引先への印象を左右するかを学ぶ時間も減ってきているようです。もしかしたら研修自体を受けたことがない人も多いかもしれません。そしてしっかりとビジネスマナーや電話応対研修を学んでいたとしても、ついつい忘れてしまうのも人間です。

そこで、研修を受けたことがない人、研修は受けたけど忘れてしまったという人は、よくある電話応対の文言をメモに書いて電話横に備えておくことをお勧めします。受電時に目視できるだけでも安心感が違います。

受電時もメモを取る・復唱する

【よくある電話応対例:代理で用件を聞く】
自社:
「××様、お電話ありがとうございます。いつも大変お世話になっております。私△△と申します。〇〇宛でございますね。申し訳ございません、あいにく〇〇は会議中でございます。××様からお電話をいただきましたら、代わりにご用件をお伺いするように言付かっております」

取引先:
「それでは、懸案の見積書とスケジュール表の件、来週の月曜日までにいただきたいとお伝えください」

自社:
「来週月曜日、□月15日までにお見積書とスケジュール表の提出が必要とのことでございますね。会議が終わり次第、〇〇へ申し伝えます。△△が承りました。お電話ありがとうございます」

上記の【よくある電話応対例:代理で用件を聞く】をもとに、代理で電話を受ける際に必要な項目を2つ考えてみましょう。

1:〇〇さんに正しい情報を伝える
・○○さんは「いつ」「誰から」電話をもらったか
・用件は何だったのか
・「いつまでに」どんなアクションを要求されたか
代理で電話を受けるからには正しい情報を伝えなければなりません。今回の電話であれば「いつ」「誰から」「用件(いつまでに、何をする)」という情報は〇〇さんへ知らせましょう。

もしあらかじめ、メモに確認すべき項目が書かれていると、確認漏れを防ぐことができますね。代理で電話を受けることに慣れるまでは、予めメモを準備して備えておくことは必要と思われます。

2:取引先に対する感謝の気持ちを表す
〇〇さんが大切に思っている取引先、そして大切な用件だからこそ、事前に電話があることを伝えているはずです。ですから、代理で電話を受ける人も同じ、取引先を大切に思う気持ちになって電話に出ることが求められます。

「お電話ありがとうございます」には、大切な××様から電話をもらったことに対する感謝の気持ちが入っています。
「言付かっております」には、〇〇さんから「本件は大切で重要な話題だから不在でも代わりに用件を承るように言われています」という気持ちが入っています。
よくある定型文だったとしても、なぜこの言葉を発するのかを意識すること、また、取引先との関係や〇〇さんの思いを理解して言葉に気持ちを込めることで、××さんへの印象も大きく変わってくるのです。

さて、【よくある電話応対例:代理で用件を聞く】では、「前もって電話がかかってくることがわかっている」ことが前提でした。

しかし多くの場合は、いつ、誰からどのような電話がかかってくるかわかりません。
特に携帯電話が普及してからは、取引先も担当の携帯電話へ直接連絡をいれることが多いと思います。

もし、前もって言付けされていない電話を受けた場合は、「よろしければ私が代わりにご用件を承りましょうか」等、代わりに自分が用件を聞いていいかどうか、相手の承諾を得ると良いでしょう。
もしくは、「〇〇はただ今席を外しておりますが、◆分ほどで戻る予定です。戻り次第、〇〇より折返しお電話いたしますがいかがでしょうか」等、担当者の状況と、いつなら連絡が取れるのかを伝える方法もあります。取引先の業務に支障をきたさないためにも、自分から積極的に提案しましょう。

電話では、折返しの電話を提案する

電話の用件によっては、誰宛でもない自社に対することでの質問が入ることもあるでしょう。例えば「すでに発注している~~の納期っていつだったかな」や、「~~っていくらかな?」等、調べれば自分で対応できそうな場合もあるでしょう。そうした場合は「お調べいたしますので少々お待ちいただけますでしょうか」と答えることもできます。
ただし、待たされる側はたとえ数秒、数十秒の待ち時間でも長く感じることを忘れてはいけません。保留時間が長くなりそうな時は「確認に少し時間がかかりますので、◆分後に私から折り返しお電話いたしますが、よろしいでしょうか」と伝えたうえで、いったん電話を切るほうがスムーズな場合も多いのです。

フリーアドレスで“未来のオフィス”を取り入れ、社内環境を整え、優秀な社員を雇い、効率的に業務を遂行していくことも大切です。しかし、自分たちのビジネスは社員だけでなく、顧客や取引先に支えられて成り立っているはずです。
前項目で書いた通り、最近は新入社員教育で電話対応やビジネスマナーを学ぶ機会は減っています。しかし、会社組織として顧客、取引先を大切にする姿勢があるかどうかは電話応対でも見えてしまうものなのです。

会社として顧客、取引先からの信頼を得られていない場合、ちょっとしたことで顧客や取引先はライバル会社へ流れるでしょう。期待されていない場合、「担当者変えてよ」という要望やクレームさえも入らないまま、相手はそっと離れてしまうものです。
また、営業スキルが高い営業マンはいるけれど、他の社員は電話応対でそっけなかったり取引先を大切に思っていない場合、営業スキルの高い営業マンが転職すると決めた際には「〇〇さんが辞めるなら、うちもやめます。〇〇さんどこにいくの?」と、顧客ごと転職先や営業マンの懇意にしている会社へ移ってしまうかもしれません。

電話応対って過去のイメージですが、顧客や取引先があなたの会社とつながる大切な入口です。それは“未来のオフィス”であっても同じと言えるでしょう。
あなたの会社はどうでしょうか。

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