売上のカギを握るコミュニケーション

「コミュニケーション不足」ということがよく話題になる。これだけメールや携帯電話、さまざまなSNSが発達した時代に、「コミュニケーション過多」が問題視されるならともかく、逆にコミュニケーションが足りないのだという。コミュニケーションの手段は発達しても、その手段の使い方が合っていないのではないか。時代が求めるコミュニケーションの質が変わってきているのに、それがうまく満たされていないのではないかと考えている。「またコミュニケーションの問題か」と思われるかもしれないが、「コミュニケーションの在り方の問題が売上も左右している」となれば、捨てておくこともできないだろう。

これまでのマーケティング論などでは、「4P」に代表される商品の品ぞろえ、価格、広告・宣伝、チャネルなどがまず問題にされる。もちろんそれらのことが大切なのに変わりはないが、私は今の時代に売上を上げるために最も心がけなければならないものを一つ上げるとすれば、それは「コミュニケーション」と迷わず答えるだろう。もちろん、ここでは売上の相手とのコミュニケーションだ。以前はただ並べるだけで購入された商品やサービスであっても、今は相手の心を開き、納得できて初めて財布が開かれるわけだから、そこに適切なコミュニケーションを通じて、まず相手の心に入っていく必要が出てくるわけだ。

コミュニケーションの構築を放棄していないか

しかし、よくあるのがこれだけネットの発達した時代、(自分に不得意な)営業はネットに任せたとばかりに、「ホームページに掲載しておけばいいだろう」「メルマガを発行して、そこに一緒に宣伝しておけば何とかなるだろう」という幻想に取りつかれる起業家が多いことだ。だから、起業していの一番にホームページを用意したり、メルマガの発行に午前中の数時間を費やす。しかし、それで待っても待っても一向に売上は上がらない。―当たり前なのである。営業や販売の現場で売れていない商品やサービスを、いくらホームページを用意して掲載したところで売れることはないのだ。

究極のコミュニケーションは、もちろん人と人が直接会うことだ。いくらネットの時代といっても、新型コロナウイルスの感染拡大が社会を賑わす今日にあっても、まずは商品やサービスを買っても良いと言ってくれそうな見込み客に会い、相手のことを徹底的に理解することが先決だ。次に自分の商品やサービスの強みを明確にし、そして適切なコミュニケーションを順序立ててストーリーとして伝え、初めて買ってもらうことができる。このステップをクリアできていない限り、永遠に売上を上げることはできないだろう。まずは見込み客と会うことだ。この段階をクリアできなければ、スタートラインに着くこともできない。

ホームページだけではダメ

自社と顧客の間にあるものはすべてコミュニケーションと位置付ける。そして、最終的に商品やサービスを買ってもらうまでのコミュニケーションの流れを作るのだ。流れ全体を見ずに、コミュニケーションの一部だけにいくら力を入れても効果はない。あり勝ちなのは、売上が上がらない分析をせずにホームページだけを作り直して、その反応を待つようなことだ。いくら良いホームページを作っても、その問い合わせに対する営業や接客が上手くいかなければ、結果として売上を上げることはできない。そうした問題を防ぐためにも、最初にコミュニケーションの全体設計を用意しないといけない。

コミュニケーションの全体の流れは、市場から見込み客を探し、見込み客が顧客になって、常連顧客になるまでの間を段階を踏んで作る。コミュニケーションは見込み客の発掘の段階から関わってくる。セミナーを開いても良いし、チラシを撒いて反響を確かめるのも良い。皆さんは1週間にどのくらいの見込み客と会っているだろうか。5~10名程度の見込み客と会うことなら、さほど難しいことではないのではないか。セミナーやチラシもコミュニケーションの1つだ。それぞれの段階でどんなコミュニケーションを使うのか、実際に会うこととネットなどを絡み合わせて考えていくことが肝要となる。

継続的な見直しが必要

そして、全体の計画ができ上がったら、それを自分で見直して欲しい。コミュニケーションがよどんでいるところ、無理なところはないかどうかだ。よくある問題点としては、「見込み客が発見できていない」「成約率が低い」「商談数が低い」「差別化できていない」「商品・サービスが明確でない」といったところだ。仮に今はまったく問題なく売上が順調に上がっていても、ライバル企業が現れたり、顧客の関心が別の分野に向いたりして情勢は常に変化する。だからこれらの見直しは継続的に続けなければならない。また、日頃から売上を作る流れの中で、ボトルネックがどこにあるのかを知っておくことは大切だ。

売上を上げる方法としては、顧客数を増やすだけでなく、顧客単価を上げる方法がある。顧客単価を上げるのに効果的なのは、何といっても直接顧客と話すことだ。有名な例としてあるのは、百貨店の靴売り場で効果を上げている「シューズフィッター」の活躍だ。彼らは靴のデザインやサイズだけでなく、顧客の足の形などからも最適な靴を見立てることで好評を得ている。それまでのカウンター越しの接客とは違うコミュニケーションで、顧客の心をつかんでいる。折しも新型コロナウイルスで顧客とのコミュニケーションの在り方も見直さざるを得ない中にある。こうした全体の流れを再考する良い機会にしてはどうだろう。

株式会社 大阪エルシーセンター CUBE電話代行サービスグループ
CUBE電話代行サービスでは、実際に電話応対をしているオペレーターが、電話代行サービスの魅力やビジネスに関する情報を発信しています。日頃の電話応対のノウハウや様々な業種の導入事例等、電話応対にお悩みの企業様や、電話代行を検討している方は是非ご覧下さい。