【目次】
メールの困りごと
私も自分の会社を持って仕事をしているが、事業はまだまだ細々としたものだ。しかし、そんな私のところにも毎日メールで100件ほどのメールが来る。まあこれだけ多用されるのもそれが便利であるからなのだが、受け取る中には不愉快にさせられるメールや意図が不明なメールも多い。そんな時自分も知らず知らずのうちに相手を傷つけるようなメールを送っていないかと気になる。面と向かっての話だったりせめて電話口での話なら、自分の表情や声の調子などで多少の言葉足らずも補え、互いの思いも伝わるのだろうが…。文字だけで情報を正確に伝えるのはやっぱり難しい。
かくいう私もうっかり不用意なメールを送ってしまい、あわてて相手に電話をして釈明に努めたこともある。それは朝からとりわけ忙しい日で、まだしなければならない予定も詰まっていた。そんな時たまたま私の私的なことでトラブルが発生し、混乱の極致ともいうべき状態に陥っていた。そのため、いつもなら送る前に読み返して問題のないことを確認して送るメールが、その時はメールを打つなり慌てて送ってしまっていた。しかし、そのメールは本来私と相手企業の担当者だけの相談事だったのに、「cc」でそれ以外の関係者にも送ってしまったのだった。送った直後に気付いたのだが、もう後の祭り。慌てて担当者に電話をして平謝りに謝ったという次第。
必要な礼儀
私の場合、メールの出し方が相手との信頼関係を損なう可能性があったことで肝を冷やしたのだったが、中には怒りに任せて他人を非難するメールを送った人もいるかもしれない。明らかに相手を困らせる目的で送るメールもあるだろう。また、職場にふさわしくないくだけ過ぎた内容のメールや、とんでもなく長いメールも困る。オフラインでは丁寧なのに、何故かオンラインで怪物になってしまう人もいるのだが、メールは出し方もそうだが、内容によってももちろん、相手に大変失礼になってしまうことや、相手を見下したり、軽んじたりすることにもなったりするので、便利さの半面、その取扱いには注意が必要だ。
メールを受け取った側も、その後の態度によって相手に失礼になる場合がある。私以上にメールを毎日たくさん受け取る方もたくさんおられるだろうが、いちいち返事を出すのは面倒とばかり、無視を決め込むのもその一つだろう。そこまででなくても、返事を出すのが遅れたり、不必要に全員に返信機能を使うのも問題だ。受け取ったメールをやたらと転送するのもトラブルの元だろう。やはりメールにはメールの送受信に、ある程度礼儀を持って臨まなければならない。
最低限のエチケット
そこでメールの送受信に関するエチケットを簡単にまとめてみた。中には異なる意見があるかもしれないが、参考にしてもらえれば幸いだ。
まず<メールを送る時の注意>。
・件名は短く、内容がよく分かるようにする。特に依頼文は簡潔に、誰に、何を、いつしてもらいたいのかを明確にして、余裕を持って依頼をする。
・書いた文章に自信がない時は、いったん保存し、後で見直してから送信する。時間が経てばまた異なる視点から再考することができる。
・受け手が海外にいる場合などは、その時差にも気を付ける。
・よほどの必要がない限り、「緊急」とはしない。
・宛先欄に複数の名前を入れる場合は、順序に注意をする。例えば、役職順、用件に関わりの深い順…など。
・マイナスの感情を伝える時に「!」は使わない。
<メールを受け取った時の注意>。
・受け取ったメールを放置しない。仮に返事に時間がかかる場合は、その旨を伝えるメールを送る。
・メールで頼まれた時も面と向かって頼まれた時と同様、誠実に対応する。
・全員に返信の機能は、それが絶対に適切であると判断できない限り使わない。
・第三者に見られると、送り手の評価が少しでも下がる可能性のあるメールは転送しない。
と、大体こんなところだろうか。
便利さに甘えない
もちろんメールの便利さに頼って、本来会って話さなければならないものを、メールで済ませようとするのは言語道断だ。例えば何かこちらの不手際で謝罪しなければならない時は、やはり相手に会って謝罪をするのが基本だろう。それをメールで手軽に済まそうと考えるのは間違っている。謝罪でなくても、相手にとって大切な情報を伝える時、例えばそれが人事などの情報の場合、その情報を受け取った側の気持ちに立ってどのように伝えるのが本当か考えてみるべきだ。
それからメールを送ったり、送られたメールを開けるタイミングにも注意が必要だ。仮に仕事に必要なメールであったとしても、会議中にスマホをいじってメールを送受信していれば、その分会議への関わりが疎かになるのは明らかだ。それは他の参加者にとっても失礼になる。また、上司が夜中だったり、休日にメールを送るような人だったりすればどうだろう。上司にその気がなくても、部下はたとえ何をしていようが、すぐに返事を送らなければならないとプレッシャーに思い、十分に休むことができなくなる。
私は1日の内でも、気付けばメールが来ていないか、何度もチェックをするのが癖になっている。これも仕事の生産性に関わることに違いない。1日に朝、昼、晩の3回のチェックに減らして、仕事への影響はどうか、まずは試してみることから始めようかと考えているところだ。