経費削減の効果はあったものの、業務効率が低下してしまったり、最悪の場合は売上減少にまで影響してしまう失敗事例もあります。
売上が減少してしまっては本末転倒なので、目先の経費削減ばかりにとらわれてしまうと失敗してしまいます。
経費削減で業務効率低下、売上減少という結果を招かないために、経費削減の失敗例を6つご紹介したいと思います。
【目次】
1. エアコンの設定温度を上げる
クールビズでエアコンの設定温度を高めに設定するのが常識になりつつありますが、オフィスが暑くて業務効率が低下してしまったり、車中の方が涼しいので帰社が遅くなってしまうという失敗例もあります。
暑さも慣れですが、慣れるまでに業務効率が低下した状態が続くのは会社にとってはいい状態ではありませんよね。
暑さを軽減するために自席に扇風機を設置する社員も増えてしまうため、暑さを凌げないようなエアコンの設定温度はかえって逆効果になってしまいます。
2. カラーコピーの禁止
カラーコピーは白黒コピーに比べてコストがかかるため、社内ではカラーコピーを禁止している会社も多いと思います。
しかし、資料によっては白黒では分かりにくい場合もあり、カラーコピーが必要な場合もあります。
カラーコピー禁止を徹底しすぎると、資料や書類が見にくくなってしまうという不満が生じます。
カラーコピーはケース・バイ・ケースで許可したり、ペーパーレスへの移行を検討した方が良いでしょう。
3. 業者を利用せず社員が単純作業を行う
たとえばDM(ダイレクトメール)を業者に頼まず、社員が手作業をしたとします。
確かに経費は削減できますが、貴重な人員をそうした単純作業に費やすのは会社にとってプラスにはなりません。
その作業によって他の業務が遅れ、残業代が発生すると経費削減の効果は薄いです。
業者に頼むと費用がかかるので社員にさせたい気持ちもわかりますが、業者に頼むことで時間と人員を削減できるなら、そちらの方が会社にはプラスになるのではないでしょうか。
それよりも、業者を比較してコストとクオリティのバランスが良い業者を探すなど、業者の見直しをする方が効果的な経費削減になります。
4. 手狭なオフィスに移転
会社にとってオフィスの賃貸料は大きな負担なので、ムダなスペースがないオフィスに移転したいと考える経営者は多いかと思います。
社員数に見合わないほど大きなオフィスなら小さなオフィスに移転することで経費削減の効果はありますが、一人あたりの執務スペースが小さいオフィスに移転すると、社員は息苦しさを感じたり、業務効率が低下してしまうことがあります。
他にも、男女別々のトイレがあるオフィスから、男女兼用トイレのオフィスに移転するのはあまりオススメしません。
兼用トイレはお互い気を遣いますので、移転するなら男女別々のトイレがあるオフィスが良いでしょう。
5. 福利厚生の見直し
贅沢すぎる福利厚生は見直す必要があると思いますが、単純に経費削減を目的にした福利厚生の見直しや廃止は社員のモチベーションを下げてしまうことになります。
会社としては福利厚生を見直すことで経費削減を成功させたつもりでも、実際は社員のモチベーション低下によって業務効率の低下、ひいては売上減少にまでつながりかねません。
最近はポイント式で社員が各自希望する福利厚生を選べるカフェテリアプランを採用する企業も増えています。
カフェテリアプランは社員が各自のポイントを消化して福利厚生を利用するため、社員の満足度と福利厚生のムダを省くことができます。
出典:ベネフィット・カフェ
6. 短期的な視点でのクラウドサービスへの移行
クラウドサービスはうまく利用すれば経費削減や業務効率につながりますが、短期的な視点だけで判断するとかえってコストが割高になってしまうこともあります。
リース契約の場合は一定期間を過ぎると大幅に料金が下がりますが、クラウドサービスは長期利用でも料金が大幅に下がることはほとんどありません。
クラウドサービスへ移行する際は、目先の経費削減効果だけで判断せず、長期視点で考え、既存のシステムと比較して判断しましょう。