まず自分が相手に興味を持っていることを知ってもらうことが大事

特に私は会話が上手というわけではなく、そんな私が会話について語るのはちょっと気が引けるが、私は会話の基本として、いかに相手に自分に対する興味を持ってもらうかが大切だと考えている。分かり切った話と思われるかもしれないが、結構、仕事をしていても、一方的に自分の主張を通してそれで満足している方が多いように感じている。そして、もちろんそんな時、会話は成立していないのだが、そういう人に限ってそれに気付かず、「相手が興味を持ってくれなかった(ニーズはなさそうだ)」「こっちの言うことがまるで分かっていない」などとすべての責任を相手に押し付けて納得している。

相手に自分に対する興味をいかに持ってもらうか、一番の近道は、まず自分が相手に興味を持つことだ。そして、そのこと、つまり自分が相手に興味を持っているということを、相手に知ってもらうことが大切だ。これからは、日本人同士が阿吽の呼吸で互いの意思を確認し合えるということは、まず無くなっていくであろうことは自明だ。増して、私も最近、日本に働きに来ている外国人と話をする機会があったが、普段から日本人以外とコミュニケーションを取らなければならないケースも増えている。そんな時に「会話下手」というのは、ちょっとしたハンディになりかねない。

分からない言葉は繰り返す

といっても、私がここで改めて良好な会話を成立させるノウハウを言うほどの知識もないし、そんなノウハウが殊更にあるのかどうかも知らない。私が言いたいのは、自分が相手に興味を持ってもらうためにした方が良いと思う誰でもできる最も簡単で、基本的なことがあるということだ。

まずその一つ目が、相手の話の中で分からない単語が出てきたり、ちょっと疑問に思うような言葉が出た時に、その単語や言葉を繰り返す、ということだ。特に異業種の人と話をしていると、相手は意識していなくても業界の専門用語が出てくることがよくある。相手にとって自明の言葉であることが多いが、それは業界内だけのことであって、業界外の者にとっては分からないのは当たり前だ。それを分からないままにしていると、そのうちまったく相手の話についていけなくなる。気を付けなければならないのは、相手に調子を合わせるつもりで聞き捨てにしないことだ。分からないことを聞くのは恥ずかしいことでも何でもない。

ただ、始めからそんな業界特有の事情に向けて提案を行うような場合など、「それぐらいは勉強しておいてよ」と思われることもあるかもしれない。そんな場合でも、「今話された○○というのは、△△のことでしょうか」と確認すればいい。むしろ気を付けなければならないのは、一度聞いたことはしっかりと頭の中に焼き付けて、忘れないようにすることだ。「先日も同じことを聞かれたな」と相手に思われれば、逆に関心のなさを暴露することになりかねない。

丁寧な話し方は英語にもある

そして二つ目が、特に外国人との会話の場合、日本人が気を付けなければならないこととして、相手にその人、その場にふさわしい丁寧な言葉で話さなければならない、ということだ。よく勘違いしているように思われるのが、「日本語には尊敬語、丁寧語、謙譲語といった特有の敬語がある」というのをイコール「外国語にはそうしたものはない」と理解していることだ。外国語、中でも英語にももちろん敬語や丁寧な言い方というのはある。それを知らないで、大切な相手とスラング混じりのつっけんどんな言い方で話し合うのは、すでに仲の良い者同士の会話ならともかく、商談などで使うと、そうした言葉を使った者の能力や品位まで疑われるから要注意だ。

大半のネイティブスピーカーは英語の使い方にいちいち目くじらを立てるようなことはなくても、英語を話すのが当たり前の世界に足を踏み入れると、相手は英語の環境の中でしかるべき話し方や振る舞いを求めてくる。そんな時、いつまでも敬語を敬遠していると、相手にまず信用されなくなる。心しておきたいのは、日本語、外国語どちらであっても、敬語を使うのは、その場を取り繕うためというより、自分をよりよく見せるために使うものであるということだ。だから、それを知って実践するに越したことはない。

相手の立場に立つことが大切

英語で丁寧な言い方があるといって分からないようであれば、同じことを聞いたり、頼んだりする場合でも、正確さには欠けるが、長めに言葉をつなぐ方が丁寧な言い方になるとでも覚えておけばよい。例えば、Pass me the document.(その書類をとってよ)というのと、Would you mind opening the window?(窓を開けてもらって構いませんか?)という言い方の違いだ。このようなフレーズのように、丁寧な言い方にはいくつかのパターンがあるのでそれを覚えておくだけでいい。たったそれだけで、相手の自分に対するイメージがまったく異なるので、これはぜひおすすめだ。

言ってみれば当たり前の話なのだが、仕事を進める上でも、相手に自分の想いを伝える場合、「思ったことをはっきりいう」「相手に配慮した言い方をする」「言外にほのめかす」「何も言わない」などいくつかの選択肢があるが、おそらく大半の人は、相手が日本人であろうと外国人であろうと、ダメ出しをする場合でも直接それを言うのではなく、「ここをこうすればもっと良くなる」などと相手に配慮した言い方を選ぶのでないだろうか。難しいことではない。相手の立場に立って考えることだ。それさえ心がければ、逆に後の細部は放っておいても良いぐらいに気楽に考えていこう。

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