スランプになると不安な気持ちがエスカレート

これを読んでおられる方は経営者の方が多いのだと思うが、複数人で会社を営んでいる方はそれぞれの刺激があるからまだしも、いわゆる個人事業主も含めて私のように一人で会社を経営していると、しばしば困るのがスランプに陥った時の対処だ。普段そうした好不調の波に影響されないように、毎日のルーティンワークを朝、昼、晩のそれぞれに設けたりしているが、何とかそれは守れても、それ以外の特に創造的な仕事になかなか取り組めない日が続くことがある。今のところ、それほどひどいスランプはないので、2,3日すると自然にまた回復しているが、皆さんはそうしたスランプに陥った時、どのような対処をしているだろう。

今、私が直面するスランプは、まったく頭の中に仕事のアイデアが思い浮かばないといった類いのものだが、これまでも学生の時には勉強の集中力が続かなかったり、部活動で剣道をしていたのだが、突然身体が自分の思うように動かないように感じて調子を崩すことがあった。そんな時、不安な気持ちがどんどんエスカレートしていって、そこから脱出するのに相当な努力が必要になったりしたものだった。スポーツの一流選手たちはどのようにしてスランプを克服しているのだろうか。

普段の心のあり方から一流選手は違う

スポーツの一流選手と並の選手を分けるのは、「普段の心のあり方にある」と言うのは追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問でスポーツ心理学者の児玉光雄氏。一流選手に共通するのは「異常なほどに達成意欲が強いこと」と言う。並の選手も一流選手に負けないぐらいの努力と練習を重ねているのだが、一流選手は並の選手が「実現できるわけがない」と考える壮大な夢や目標を設定し、その実現に向けて行動し続ける。

一流を一流たらしめているのは、その「ポジティブ思考」だけではない。オリンピックの水泳でメダルが期待されている瀬戸大也選手は、萩野公介選手を称して、「自分には永遠のライバルが国内にいる。・・・すぐ近くにライバルがいるからこそ成長できると感じている」と話している。よく友達を選ぶなら、「前向きに努力を続ける人を選べ」と言われたりするのも、故無きことではない。ポジティブ思考を維持したいなら同じ思考の友人を持つべきで、間違っても周囲をネガティブ思考の人たちに取り囲まれていると、いつしか自分もそれに感染してしまう恐れがある。

スランプは今の自分に必要な何かを教えるきっかけ

そうした一流の選手たちがスランプに陥った時、例えばアメリカのメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、「書籍、映画、対話・・・どこかにヒントはないか、そうやってメンタルを切り替えるためのきっかけを常に求めている」と語っているという。彼らは単に気張らしのために本や映画に時間を投じているのではないのだった。スランプから脱出する、そのひとつをとっても必死にあらゆる場を使ってそのヒントを求めている姿がそこにある。

私は知らなかったのだが、あのイチロー氏の有名な言葉にも、「スランプの時にこそ絶好調」というのがあるそうだ。これら大谷選手とイチロー氏に共通するのは、「スランプは今の自分に必要な何かを教えるきっかけ」と考えていることだと児玉氏は見ている。「うまくいかない時にこそ平常心を維持し、事実をありのままに受け止め、改善策を徹底的に考えることが一流に共通するスランプの乗り越え方なのだ」という。一流の選手はスランプからの脱出も真剣そのものだ。

成長するのに良い機会にしよう

一流選手のことは置いておいて、普通にスランプの脱出する方法としてまず挙げられるのは、悩みの原因となっている仕事なり、スポーツなどから、一度距離を置くこととされる。この距離を置くことで取り戻した穏やかな心で自分を見つめ直し、再びやる気を取り戻す。仕事の場合のように、距離を置くことが難しい時もあるが、そんな時は抱える仕事の量を少しでも減らして、心と体の負担を減らすことが大切なのだそうだ。

また、先に述べた大谷選手のように、できるだけいろいろな人と会ったり、本を読んで違った考え方を参考にするのも有効なようだ。普段自分がいる世界とは違った人のものの考え方に出会うことで、スランプ脱出のヒントを得られるかもしれない。その新たな考えが、自分を一回り大きく成長させることになる可能性もある。
いずれにしても、スランプだと感じた時には、焦って無理矢理に物事を進めようとはしないのが良いのかも。スランプもまた違った角度から自分を成長させる良い機会だと鷹揚に構えている方が、案外スムーズに脱出できるものなのかもしれない。

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