一度も会ったことがないけれど、電話の受け答えがとても「いい声」で、それだけで印象がいい人がいる。そんな経験ありませんか?
のど飴のカンロが20代~50代の男女各100人、計800人を対象にした「声に関する調査」を実施したところ、実に70パーセント以上の人が「声がいい人は仕事が出来そうな印象に感じる」と回答しているそうです。
参考:「カンロ 健康のど飴 声に関する調査リリース」
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000002028.html
「いい声」はもともとの声質によるものもありますが、いくつかの点に注意すれば誰でも簡単に「いい声」を手に入れることができるのです。
【目次】
「いい声」とは
「いい声」とはどんな声でしょうか。
さきほどのカンロの調査によれば、「仕事に役立つ声」は「通る声」、「落ち着いた声」、「大きな声」などが挙げられています。一般的には「張りがある声」や「よく通る声」、「明るい声」、「やわらかく響く声」などが「いい声」だと言われています。
では、どうすればその声に近づけるのか、方法を見てみましょう。
腹式呼吸で張りがあり、よく通る声を出す
大きな声を出すときには「腹から声を出せ」という表現がありますが、まさにこれが腹式呼吸を使った発声法です。
人は意識しなければ通常「胸式呼吸」を行っています。口から息を吸って、口から息を吐き出す呼吸法です。胸式呼吸は胸を横に広げて空気を取り込みます。一方、腹式呼吸は鼻から息を吸って、口から吐き出し、腹筋を使うことによって横隔膜を上下させる呼吸法です。腹式呼吸は胸を横と下に広げるので、胸式呼吸よりも多く肺に空気を取り込むことができます。たくさん空気を取り込むことができると、長く安定したよく通る声を出すことができるようになります。また腹式呼吸を続けることで腹筋も鍛えられるので、声に張りがでてきます。
腹式呼吸のトレーニングは簡単です。基本は鼻で息を吸い、口から吐き出す呼吸を繰り返すことです。鼻から息を吸ったときに胸が横に広がる感覚しかない場合には、お腹に手をあてて膨らませるようにしながら息を吸うと、きちんと横隔膜が下がります。息を吐く場合も、お腹を意識して薄くぺたんこになるようなイメージで息を吐き切りましょう。これを一日5回×2セットやるととてもいいトレーニングになります。仕事の気分転換にデスクでやるのもいいですね。
表情筋を鍛えて、明るい声を出す
意識していなくても、明るい表情のときには明るい声が、暗い表情のときには暗い声がでるものです。これは唇や頬の動きに発声が左右されるからです。(ちなみに、弊社のスタッフは、気持ちを表情に表すことを徹底的に意識させています。)
いつも明るく元気な人は、口角や頬が上がっています。人の皮膚や筋肉は重力に伴って下に下がるので、明るい表情を繰り返すことで自然と唇や頬の筋肉が鍛えられています。また、暗い表情をしていると、唇はすぼまり、ぼそぼそと話をするので声が口の中にこもります。
意識的に表情筋を鍛える場合は、指3本が縦に入るぐらい大きく口を開けて「ア・イ・ウ・エ・オ」と発音します。表情筋が鍛えられていないと「イ」と「ウ」の音が他の3音に比べて小さくなり、くぐもった印象の声になります。演劇部の練習のように「ア・エ・イ・オ・ウ」と発声するのも効果的です。
落ち着いた話し方で、やわらかく声を響かせる
どれだけいい声だったとしても、早口で話していては声が響きません。早口で話すと、一音一音が短くなるので響かず、音が途切れてしまいきつい印象を与えます。重要な話をする場合には緊張もしますし、たくさんの情報を伝えたいと思って早口になりがちですが、落ち着いた話し方をしたほうが声の印象もよく、自信を感じさせます。
まずは心を落ち着けるためにも、ゆっくりと腹式呼吸を繰り返しましょう。よく通る声を出すためのウォーミングアップにもなります。話をするときには、うつむかずに前を見て背筋を伸ばしましょう。うつむくと喉が狭くなり、声が通りにくくなります。背筋を伸ばすのは腹式呼吸をしやすくするためです。口角は上げて、言葉一つ一つを話し相手に届けるつもりで丁寧に、ゆっくりと落ち着いた調子を心がけて話をすると、やわらかく響く声を出すことができます。
まとめ
電話は顔が見えないので、直接会う以上に声の印象が重要になってきます。デスクでもできる、ほんの少しのトレーニングで「いい声」が手に入れられるので、ぜひ皆さんもお試しください。