【目次】
高精度なターゲティング
Facebook広告の最大の特徴は何といってもそのターゲティングの精度の高さにある。広告主はこれをもとに対象とするユーザーを絞り込める。Facebookのユーザーの中には必要最小限の個人情報しか記入しない人もいるようだが、それでも他のオンラインメディアでは「このユーザーは多分女性だろう」「おそらく30代と思われる」と推測するしかなかったところ、最低でも「年齢」と「性別」は必須項目となっているため、これだけでも十分に絞り込むことができる。
それだけでなく、記入項目によればユーザーの結婚、出産、学歴、就職先、おおまかな年収などまで分かるため、これらの情報を使えば、「大阪市北区に住む京大卒の既婚男性」といった絞り込みができ、それだけに向けた広告を出すことも可能なのだ。これはつまり、ユーザーのライフサイクルに合わせた広告を出すことができるということを意味する。このことが「広告の精度が高い」との評価に結び付いている。参考までに、Facebookのターゲティングの精度は実に「97.8%」にもなるという調査結果もあるくらいだ。
実際の利用では、ユーザーの年齢に合わせて、「34歳女性のあなたに」とか、「新成人を迎えたあなたへ」とかいった広告が出されている。また、記念日が登録されていれば、そのタイミングで花束やアクセサリーなどプレゼントになりそうな商品の広告を出すことも自在に行われている。
ユーザーのフェーズに合った広告を
そして、ターゲティング精度が高いということは、ユーザーへの働きかけのフェーズごとに広告を使い分けることができるということにもつながる。
ある商品やサービスを提供する場合、何はともあれ、まずはそれ自体を認知してもらう必要がある。この時、その該当する商品やサービスに興味を持ちそうなユーザーを設定して、「認知獲得」のための広告を展開できる。その認知獲得のために有効なのが動画のような視覚に訴えかけるものだ。そして、もちろんFacebookで動画を用いた広告を出すことができるようになっている。
次に、ユーザーが検討・意思決定の段階に入ると、より商品やサービスについての魅力を訴求し、購買行動などにつなげることが大切になる。この段階ではより情報が豊富な広告の形が有効になる。
例えば、画面全体に動画などを表示できるキャンパス広告や、ひとつの広告に対して複数のリンク付き画像を設定できるカルーセル広告と呼ばれるものがある。カルーセル広告は1つの広告について3~5枚の画像や動画を設定でき、それぞれに個別のリンクやボタンを表示することができる。複数の商品を表示したり。商品の機能の説明やストーリー性のある広告など、様々な見せ方をすることができる。
様々な広告手法
このほか、ダイナミック広告と呼ばれるものもある。これは過去にユーザーが広告主のサイトを訪問した時に閲覧した商品やサービスをもとに、一人ひとりに合った関連性の高いものを自動で表示する広告のことだ。ユーザーのニーズと広告がマッチするため、高い広告効果が得られるとしている。
まだまだ多くの種類の広告があるが、コレクション広告というのはご存知だろうか。これは商品の詳細を動画や写真で確認しながら、スムーズに買い物ができる広告のことだ。従来の広告と比べて、広告と買い物体験がFacebook内で直接結びつけている点を特徴にする。商品の表示数も飛躍的に増加しているため、今後この広告を通した購買も拡大していくことが期待されている。
最近、多いかなと感じるのは、アプリインストール広告だ。これは名前の通り、スマホのアプリのインストールを促進する広告のこと。この広告にリンクを付けることでApp StoreやGoogle Play、Kindle Fireストアへ直接移行させることができる。アプリをインストールしていないユーザーにしか表示されないため、新規ユーザーを効率よく獲得することができる。
細かな運用で成果を上げる
Facebook広告は、パソコンとスマホで表示される場所が違う。パソコンの場合、タイムラインのニュースフィールド内とタイムライン横のサイドメニューに表示される。ニュースラインに出てくるとユーザーが普段見ている場所に広告が流れてくるため、クリック率が高くなる。また、タイムライン横のサイドメニューに表示されているものは、ニュースフィールドのように流れることなく常に表示されることが利点だ。スマホの場合は、タイムラインのニュースフィールド内に表示されることになる。画面全てがその広告になるためインパクトがあり、ターゲットユーザーの目にも必ず留まることになる。
このようにFacebook広告にメリットがある一方で、デメリットももちろんある。まず、これらは基本的にFacebook内での展開になるため、ユーザーがFacebookを利用していないと無意味だ。また、これだけいろいろなことができるということは、逆に細かな運用が必要でもあるということだ。始めにどのように利用するかを決めても、そのままで放置しておいていいわけではない。費用は自分で予算を設定するのでそれを超えることはない。しかし、他の事柄と同様に必ずPDCAサイクルを回すことで、初めて費用に見合った効果を上げることができるのだ。