【目次】
安易なSEO対策に乗らないこと
前回までに、Webサイトとランディングページ(LP)について、私なりの取り組んできた過程をお話ししてきた。ここで、やはりどうしても気になるのが、「じゃあ、せっかく作ったWebサイトやLPを誰が、どれだけ見てくれるのか?」ということだ。せっかく作ったのに独りよがりになっているのでは、まったく作った甲斐がない。起業時の限られた時間と資金の中で、これらにある程度、というか私の場合かなり力を注いできたつもりなので、その分期待も高まる。「そんなもの作ったところで誰も見ないよ」と言われれば(実際に言われた)、やはり頭にくるし、「どうにかして知ってもらいたい」と気にもなる。
だから、私に限らず、「SEO対策をすることで、必ず上位に表示できますよ」と言われれば、「本当に?」と関心も向くのだ。私の周囲にもこのSEO対策を仕事にしている方もおられるし、大手の会社から電話で「SEO対策をしてみませんか?」との誘いを受けることもある。しかし、私がそれに乗らないのは、一重にお金がWebサイトやLPを作るより、その何倍もかかると分かったからだ(私の場合ですが)。何かそこに理不尽なものを感じたのだが、実際調べてみても、以前とは異なりそうしたテクニック的な効果というのは、決して無駄とは言わないまでも、限られてきているようだ(だからと言って、今のSEO対策を仕事にしておられる方々をすべてダメと言っているわけではありません。念のため。)
SEO対策に近道はない
まず、その話を始める前に、念のためSEOとは何かを押さえておくことにする。SEOとは「検索エンジン最適化」と訳されているが、要はパソコンやスマホを使って何かを調べようと検索したときに、他のものより当該Webサイトを上位に表示するように仕向ける一連の取り組みを指す。例えば大阪で開業する小児科医を探す際、ユーザーが「小児科、大阪」と検索したとき、いかに自分の医院が上位に表示されるようにするかといったことだ。
一時はその有効な手段として「被リンク(当該Webサイトにつながる外部ページ)が多いサイトほど上位表示されやすい」ということで、わざと被リンク数を多く見せかけるようなテクニックを弄することもあったが、今は検索精度の向上でそんな単純な話ではなくなっているという。総じて、SEO対策として、以前はテクニック的なことがもてはやされていたこともあったが、今の検索エンジンはより発達しており、そんな「テクニック」では「騙されにくく」なっているのだ。
だったら、どうすれば良いかということだが、根も葉もない言い方をすれば、Webぺージの上位検索を目指すのに「近道はない」ということ。Webぺージにおける継続的な努力が報われるようになっている。要は、いかにそのWebぺージを充実していくかの努力が必要だということだ。
これからの具体的なSEO対策で必要なものは、有益なコンテンツを配信し、(偽りのない)リンクをサイトに集め、検索エンジンから見たWebサイトの価値を上げるだけでなく、ユーザーにとっても高い価値を提供できるようにサイトの運営をしていくしかないのが結論だ。
日本では検索エンジンのシェアはグーグルとヤフーで90%以上を占める。実はヤフーの検索エンジンはグーグルのものを借りて使っているので、SEO対策は実質的にはほとんどグーグル対策でもある。また、グーグルはモバイルでも検察の利用率が、2018年に40か国中36か国において90%を上回っており、ますますグーグルの優位性は高まるものと見られている。
そのグーグルは検索サービスに対してもちろん直接課金しているわけではない。皆さんご存知のように、その主な収入源は検索結果に表示される広告(検索連動型広告、リスティング広告)がクリックされることによって得られる広告収益が多くを占める。だから、グーグルの基本的な狙いは、その検索サービスの利用者数の増加と利用頻度の増加に他ならない。だから、グーグルはユーザーに真に有益な検索結果(Webサイト)を追い求めるのだ。
これからはスマホ対応に注意
グーグルの検索エンジンは、基本的に10の理念をもとに作られているとされる。ここではその一つひとつを挙げないが、とにかく質の良いコンテンツを上位表示させることが、ユーザーの使い勝手の良さにつながるとの考えだ。
その検索エンジンの仕組みに、「クローラー」と「インデックス」がある。クローラーはWeb上のあらゆる情報を収集するプログラムで、そこで集められた情報をインデックスで抽出可能な形にデータベースを整理していく。
ここでは「コンテンツSEO」という言葉があるように、継続してコンテンツを発信することが大切だ。しかし、文字数やキーワードの量を増やすことで上位表示を狙うような手法もかつては存在していたが、闇雲にそれだけを追い求めていても必ずしも有効ではない。
また、特にスマホ対応を重視する中で、表示速度の遅いページは「減点」されるため、パソコンで使っているWebぺージをそのままスマホに表示させる場合、これからはその容量の大きさには注意した方が良さそうだ。パソコンではいかに動画を集めて見栄えよくしていても、そのままスマホでも使うとなると動作速度が遅くなる可能性があるからだ。