新規創業には資金が必要となり、自己資金だけでは足りない場合は資金調達をしなければなりません。
資金調達の方法は色々ありますが、今回ご紹介するのは新創業融資制度、制度融資、マル経融資の3つの融資制度です。
それぞれの融資制度でメリット・デメリットがありますが、いずれも創業を支援するための融資制度ですので、新規創業される方は資金調達の選択肢として検討されることを推奨します。
【目次】
新創業融資制度(日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫は新規事業を立ち上げる方や、事業開始間もない起業家の方のための新創業融資を行っています。
新創業融資制度の特徴は無担保・無保証人で融資が受けられる点です。
通常、融資を受けるには担保や保証人が必要となりますが、新創業融資制度は無担保・無保証人で3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで融資してくれます。
新創業融資制度は個人事業主でも法人でも利用可能で、法人の場合は代表者が連帯保証人となることも可能で、その場合は利率が0.1%低減されます。
無担保・無保証人で融資が受けられる分、金利が少し高めになっていますが、実績がまだない新規創業時に無担保・無保証人で融資してもらえるの非常に助かります。
融資の審査は通常2ヶ月半ほどかかりますが、新創業融資制度の審査は1ヶ月半ほどなので申し込みから融資までの期間が短いのもメリットです。
国の政策金融機関が実施している融資制度なので安心、というのも大きいですね。
URL: http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
制度融資(信用保証協会)
制度融資は地方自治体が創業者や中小企業を支援するための制度です。
事業実績が少ない段階では金融機関から借り入れするのは難しいですが、信用保証協会が保証人として信用保証してくれることで借り入れがしやすくしています。
金融機関としては実績がない事業者に貸すのはリスクがありますが、信用保証協会が介入することで貸し倒れのリスクを減らしています。
起業家としては一人では金融機関から融資が受けにくくても、信用保証協会が保証人となってくれることで融資を受けることが可能となるというわけです。
制度融資を利用するメリットは創業時に借り入れがしやすいだけでなく、低金利で融資が受けられる点にもあります。
新創業融資制度は無担保・無保証人で融資が受けられる代わりに金利が高めで、制度融資は信用保証協会が保証人になってくれるので金利が低めに設定されています。
制度融資のデメリットとしては、自治体、金融機関、信用保証協会の3者が関係しているため、審査に時間がかかってしまうことです。
新創業融資制度の審査は約1ヶ月半と早いのに対し、制度融資は2ヶ月はかかります。
融資が実行されるまでの期間が長めなので、急ぎで融資を受けたい方は早めに申し込んでおいた方が良いでしょう。
URL: http://www.zenshinhoren.or.jp/
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
マル経融資は日本政策金融公庫が行っている融資制度で、商工会議所や商工会の推薦で融資を受けることができます。
融資限度額は2,000万円、金利が低く、無担保・無保証人で借り入れできるのがメリットで、制度融資や公庫融資からの借り換えも可能です。
ただし、マル経融資は1年以上の事業実績がある事業者が対象であるため、創業時の資金調達には向いていません。
経営改善に必要な資金を融資するための制度であるため、1年以上の事業実績を必要としています。
商工会議所や商工会の推薦が必要ですので、一人で融資を申し込んで受けられるわけではありません。
低金利で借り入れできるため、創業時に制度融資や公庫融資を受け、1年経過して借り換えするという計画も立てられるので、創業時に視野に入れておくと良いかと思います。
URL: https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaizen_m.html