想像力が役立つ

リーダーたるもの想像力が欠けていては勤まらない。JR東海の葛西敬之代表取締役名誉会長も、民営化に取り組む過程では、課長という立場で圧倒的な力を持つ労働組合を敵に回して、「組合は何を考えているのか」、「次にどう出てくるのか」といった想像力が、戦略を練るのに役立ったと振り返る。

自動車メーカーのマツダの金井誠太会長も、性能とコストはトレードオフな関係だが、普通に考えて「無理です」と結論付けるのでなく、「そこをどう解決し、どちらも満足させる」ことが技術者の仕事であり、大切なところだと見る。「同じコストで最も性能が良いのも世界一ですし、同じ性能なら最も安く造るのも世界一です」と。

課題そのものを探せ

葛西氏は「人間の世の中だから、他人の「気持ちや様々な情報に対する繊細な感受性も不可欠でしょう。でも、「今は説明責任(アカウンタビリティー)が重視される傾向になって、自分で想像力や創造力を働かせることや直観力が失われてしまいました」と最近の傾向を嘆く。

今は大学で良い成績の学生が登用される傾向にあるが、「テストでは良い点を取れても、世の中に出ると課題そのものが分からない」と実社会との乖離を指摘する。「実社会で活躍するためには、自分で物を見て、自分で判断する。自分で進路を決めて、その責任を自分で取るという生き方に切り替えなくてはいけません」と警告も発する。

様々な選考基準

今年も就職活動が解禁となり、来年に卒業する学生のリクルートスーツ姿を街中でよく見かけるようになった。特に中小企業にとっては、学生の採用には頭を痛めていることだろう。その採用に当たっては、一律に学力の良い学生を狙うのではなく、「想像力」豊かな学生を選ぶように選抜方法を工夫するのもいいかもしれない。

以前から伝えられている話の中に、就職面接時の受付時の態度や、待合室での態度から選考の参考にしているというところがあったり、飲み会やランチ会での態度から選考するところがあったりと様々だ。学力以外にも選考基準を設けることは良いとして、是非そうした中で学生の想像力にも思いを馳せてもらいたい。

「そんなはずじゃなかった」と言わないために

一方、学生はどんな意識で企業を回っているのか、もう大学を卒業して数十年経つ者から見てうかがい知ることもできないが、街中を歩くリクルート学生の表情を見ていると、人手不足が慢性化する中の就職活動に以前ほど緊張感は見られない。そんな学生でも私が卒業した時の行き当たりばったりの就職活動よりかは余程勉強していることだろう。

いろいろな選考方法があるということは、いろいろな角度から見られるということで、見られる学生としては大変だろうなあとは思うものの、それで企業側と互いの思うところが合えば良い。何しろ、せっかく入った新入社員も3年の内に3割以上が退職してしまうというご時勢だ。その対策まで想像しておかねばならないとしたら悲しい。

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