タイムマネジメントは仕事の管理のこと

経営者の現状に対して「あまりに考えなさすぎる」と嘆いて見せるのは佐々木常夫さん。同氏は元東レ経営研究所の社長で、現在は自らマネジメント会社の代表となってコンサルタント活動を行っている。佐々木氏はもう有名な方なのでここであえて紹介するまでもないだろうが、誰よりも家庭にあってはご長男の自閉症や奥様のうつ病などと闘いながら、大企業の経営にも関わられてその双方を両立してこられた方だ。だからこそ、その言葉の重みを一層感じる。「タイムマネジメントはビジネスパーソンの基本とよく言われるが、このタイムマネジメントとは『時間の管理』のことではなく『仕事の管理』のこと。これができていないことが多い」とバッサリ。

先手先手で仕事をすること

 佐々木氏は30年以上も前から働き方改革を推進してきた。そうでなければ家庭と仕事の両立ができなかった。「ビジネスは予測のゲーム。先手先手で仕事をしなさい」、「良い習慣は才能を越える」というのは、それぞれ同氏がその働き方改革を進める中で、実感してきたことだ。

東レ経営研究所の社長時代は、全員定時で帰るという前提で仕事をしてもらったそうだ。そしてそれはほぼその通り実現できたという。やればできるのに、やろうとしないことに何より警鐘を発する。「特に管理職における使命は、組織の成果を上げることと部下の成長を促すこと。プレイングマネージャー的な仕事はその後でいい」。

小さな会社だからできる働き方改革

「働き方改革においても、小さな会社だからできるということがある」といい、実際に関わったある中小企業の例として、一人ひとりの希望する働き方に沿って社内の仕組みを変えていったところ、社員の定着率は劇的に高まり、それどころか外からも人が集まるようになり、業績も上向くようになったという。

「結局人は皆何らかの制約要因を抱えていて、それら多様な立場の人々を尊重しあうことでチーム力も向上する」。「会社の仕事はほとんどが同じことの繰り返し。そうした仕事は工夫次第でもっと量を削減できる」。「実際、これまでも業務を海外に移転する際など、コストが何分の1になったとか言うが、業務の見直しでいらない仕事量が減る結果でもある」。

働き方改革は生き方改革

でも、そうして改革を進めてきた佐々木氏ご自身においても、違う部署に異動したとたんに、職場は元の黙阿弥になることが度々あったという。「結局、社員自身が生き方を変えようとしないからですよ」。残業代が減ることを問題とする状態のままでは、押し付けられた働き方改革は定着をしないということか。

「仕事も大事だが、家庭も大事」ということを当たり前のように言える会社であったり社会でなければ、働き方改革で実を取るのは難しそうだ。すでに死語のようになっているプレミアムフライデーでも、家にも帰らず昼間から会社の近所でビールをあおっているだけのようではダメなんじゃないだろうか。

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