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生産性を根本的に考え直す時代
職場にあるパソコンがインターネットにつながり、1人1台ずつ用意されているのはよく見かける光景だ。でもネットにつながっていることで、以前とは異なり勤務時間中でも仕事以外の情報に触れ合うことが多くなってきた。
さらにスマホ時代になって、社員間の連絡もSNSを通じて行うことが公然と認められていることも多いだろう。そうなると、これも勤務時間中にスマホを触ることが悪いとは言えなくなっている。
今、働き方改革が盛んに喧伝されているが、そもそも業務時間を定義することが難しくなっている。形式的には会社に来ている時間であったり、客先に移動したり、そこにいる時間であったりするが、その生産性について根本的に考え直さねばならなくなっている。
今の仕事がどんどんなくなる
以前はデータを入力したり、ラベルを張ったりといった仕事があったものだが、今はそんな仕事を正社員が行っているところなどない。請求書の宛名書きなど、もはや存在しない。
昔は「清書」という仕事があった。自分1人では手が回らないため、要点だけを部下に伝え、それに基づき部下は形式の整った文章に仕立て上げる。場合によっては、データの添付も行ったりしたものだ。それによって部下は仕事を覚えていく。要はOJTの一種だ。
しかし、今はその清書にしても、パソコンを使って自分1人で行った方が早い。昔2人で行っていた仕事が1人でできるようになったのだ。こんな感じで、仕事を「こなす」ことを得意にしている人には、どんどんその仕事がなくなってきている。
新しい視点を持つ
だから「今のままがいい」と考えたりしていると、将来を迎えることは確実に難しくなる。その分、仕事を新しく「創り出す」人は忙しくなっている。
携帯電話ショップの店員、M&Aのアドバイザー、スマホゲームのプログラマーなどは以前になかった職種だ。自動車メーカーにいても電気自動車の分野へ、警察にいてもサイバーテロ対策へと、仕事の内容は変わっていく。こうした例は枚挙にいとまがない。
だから新しいことを学ぶ力、新しいことへの適応力というのが大切になってくる。「新しいこと」というのは、今の時代、大雑把な言い方になるが、「新しい組み合わせ」に他ならない。そのためには、これまでにない新しい視点を持つことが必要だ。
肝心なのは実行力
新しい視点を持つのに有効なのが、例えば旅行などで行き先の人や文化に触れることであったりするが、そこまでしなくても、異業種交流会や各種セミナーなどにまめに顔を出すことでも良いと思っている。その気になれば、無料であったりわずかな会費でいろいろな方のいろいろな考えを知ることができる。
肝心なのは、そこで知ったことを実行する力だ。あのニトリ創業者の似鳥昭雄氏も話しておられるのは、米国に視察旅行に行って同じものを見てきても、「米国と日本は違う」と考えた人と「いずれ日本も米国の後を追う」と考える人に分かれ、後者の中でも最終的に部屋ごとにイメージした家具を販売したのは「私1人だけだった」と。