日頃の問題が統計学で解決する

「頑張っている割に成果が出ない」「無駄な経費を削減したい」「生産性を向上させたい」「採用活動でどの人を採用すればいいか迷う」「実現可能な範囲でできるだけ高い売り上げ目標を設定したい」など、こうした問題が統計学を利用することで、ひょっとしたら解決するかも知れない。

「統計学」と聞けば、「データ集めが大変」「IT投資やITスキルが必要ではないか」「数式が難しそう」などといったイメージがすぐに浮かぶが、今はエクセルなどのソフトを使えば、数字を入力するだけでほとんど手間はかからない。

もっとも、データだけは面倒でも集める必要があるが、それにしても社内に案外たくさん隠れていたりするものだ。

エクセルを使って手軽に分析

統計学をビジネスに使うためには、その活用の流れを押さえておく必要がある。

まず「データの収集」に始まり、そこで集められたデータの「分析」をエクセルなどを使って行い、分析の結果考えられる「仮設を立案」し、その仮説を「A/Bテスト(AとBの両パターンのどちらが効果の高い結果が得られるかを実験する方法)で検証」する。この流れを繰り返すことで効果が増していく。

これによって例えば、チラシ1枚当たり何人が集客できるのかを知ることができれば、それを今仮に10枚で1人集客できることが分かったとすれば、9枚配ったところで諦めることもなくなる。

要素出しに現場の声

大切なのは、例えば売り上げが何によって左右されるのか、その検証対象になる要素を考えるアイデア出しだ。

それが、営業マンの「訪問回数」なのか、「DMの発行」なのか、「チラシの枚数」なのか…といったところは誰にでも思い浮かぶが、まったく思いもしなかったことが売り上げを左右する要因になっていることもあり、現場の声を聴く必要がある。

実際に遊園地の水道代を削減しようとした時、始めはそれが遊園地の中のどの施設、どの店舗の影響が大きいかといったことに集中して検証しようとしたが、そこに因果関係は見つからず、現場の声から、パレードに出演する出演者たちが使うシャワーの量と深い関係があることが分かったということもあった。

データ収集は数字で

何が関係しているのかは実際にデータを分析してみないと分からない。逆に当たり前のことを分析しても、当たり前の答えしか返ってこなかったりもする。答えが当たり前でもその確率などを知りたいのならばそれでも良いが、データ分析をする前にそのデータ分析する目的をきちんとつかんでおかねばならない。

統計学を用いる際の注意点としては、データ収集は必ず数字で行うことだ。アンケートの集計なども5段階評価にするとか、〇か×は数字の0か1に置き換えるといったことが必要だ。

それにデータは多ければ多いほど精度が増すが、まずは30以上集めることを一つの目安にしてはどうだろうか。とにかく、まずはやってみることだ。

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