「安くします」「何でもやります」「どこでも行きます」はご法度

「貧乏暇なし」という言葉がある。貧乏をしていると生活に追われて朝から晩まで働かなければならず、ほかのことをする余裕がないということを指す。

企業経営の立場に置き換えて何となく当てはまるというところは多いようにも考えられるが、もし本当にそうなら大いに見直してみる価値がありそうだ。

よく仕事上の挨拶で交わされる言葉に、「安くします」「何でもやります」「どこでも行きます」というのがあるが、これらはいずれも経営の基本から言えば、絶対に言ってはいけない言葉に入る。
「安くします」と言って仮に仕事を手に入れても、それが「赤字受注」になっているのならまさに問題外の行動ということになる。

安易な値引きが赤字を生む

今、仮に10万円の仕事があるとする。原価を75%とすれば、残りの25%が粗利だ。粗利のうち、経費で消えるのが95%とすると、最終的に手元に残る利益は1250円でしかない。

これを例えば、売値で3%値引きすればどうなるか。売上は9万7000円となり、原価や経費は変わらないので、そこから引いていくと最終的に1750円の赤字になる。

たった3%の値引きが、赤字を生むことになるのだ。だから安易な値下げはご法度ということになる。赤字はもちろん経営数字を悪化させるだけでなく、会社全体の士気にも関わる。

細かな改善を苦労してひねり出して、1円、2円のコストダウンを積み重ねても、安易な値引きがその努力を全て無駄にしてしまうのだ。

自信を持つ

「何でもやります」「どこでも行きます」というのも同じこと。これらはそれが強みである大手企業ならともかく、そうでないなら仕事に向かう姿勢としてどこか卑屈に映る。何も今更、殿様商売を勧めているわけではない。

もっと自分たちの提供している製品やサービスに自信を持つ必要があると思うのだ。自信のないところに顧客も集まってはこない。

「そうは言っても…」という言葉が聞こえてきそうだが、それではこうした事例はどうだろう。
そこは小さな町工場で、特に営業担当者を置いているわけでもなく、取引先からの要望に従って値引きをいかに実行するか、頭を悩ませるのが常だった。
しかし、ある時パンフレットを新しくするのに、改めて顧客先を回ったところ、自分たちの強みを再認識できた。

その「当たり前」が顧客からは特別に映る

それまでは、自分たちで「当たり前」と思っていたことが、顧客から見るとそうではなかったのである。
自分たちの強みが認識できると、それを「売り」にできる。今では徐々に新規顧客もついてきている。顧客に「何故、自分たちと取り引きをしてもらってるのか」を聞くことが自信につながったのだ。

話は違うかも知れないが、子供たちの間でも自己肯定感の強い子供ほど、学校の成績や友達との関係づくりもうまくいっているという。
自己肯定感、つまり自信を持つこと。子供たちにできて、自分たちにできないわけがない。是非、顧客回りをしてそれを探してみて欲しい。案外楽しかったりするのではないか。

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