労働力不足は米国でも同じ

米国でも労働力不足が問題になっている。その背景にあるのは堅調な経済とベビーブーマー世代(1946~64年生まれ)の退職だ。さらに移民の流入が鈍化していることも労働力不足に拍車をかけている。

その穴を埋める存在として注目を浴びているのがミレニアル世代(1980年代~2000年代初頭生まれ)だ。
ミレニアル世代は8000万人ほどいるとされる。彼らは労働人口の約3分の1を占めており、2020年までにはそれが2分の1にまで増えていくと見られている。

だから、これからの米国のビジネス社会で生きていくためには、このミレニアル世代について知ることが求められている。

辛口の評価は期待の表れ

だが期待されればされるほど、昔からの新世代への辛口の評価につながっていく。

例えば、米国では1つの職業に平均4年半留まるとされるようだが、ミレニアル世代はそれよりも短い傾向があり、「気まぐれ世代」とも呼ばれているという。

転職ばかりしており、やる気がなく、キャリアを築くより短期的な仕事をしたいと思っているというのだ。彼らは居続けて仕事をして解雇されるのを待つよりも、辞めて別のことをする方が良いと思うのだという。

また、インターネットに丸1日を費やしているので、コミュニケーション能力に欠けるともされる。携帯メールで簡単に済ませて、面倒な適切な英語を書こうとしないとかなんとか。

彼らをまず知ろう

ミレニアル世代が他の世代と全く異なるのは、彼らがデジタルネイティブだということだ。
インターネットや携帯電話、ソーシャルネットと共に育った最初の世代に当たる。だから、それらの新しい機器になぞらえて、分かったようなそれらしい説明が取ってつけられたりもする。

しかし、実際に日本でも40代の人がアプリや最新のデジタル機器の操作にてこずっているのを見て、彼らが驚きのあまりあっけにとられているのを見たこともある。

だから、私たちはそうしたデジタルデバイドを埋めて、ミレニアル世代の知識を活用する方法を知るべきなのと同じで、彼らを動かしているものを分かって対応しなければならないのだ。

良い点を伸ばしてやる

ミレニアル世代の大きな特徴の1つは、学び続け、成長し続け、新しいスキルを習得し続けたいと思っているところだという。
現状に対して決して満足はせず、変化を期待しているのだ。それが先の転職の多さにつながっていたりするのかもしれない。

そんな彼らには仕事の1つの面だけをやらせるのではなく、様々な種類の仕事を広くやらせても面白いかも知れない。

私は日本にいて、同様に若い人たちに触発される毎日を送っている。彼らの幅広い知識に私は時折恥ずかしい思いもしたりする。
「私が若い頃は…」と言いたい気持ちは抑えてでも、ここは彼らの良い点を伸ばしてやってみるのも良いと思うのだ。

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