【目次】
増えるシニア起業
シニア世代の起業に注目が集まっている。
50、60歳代を中心に、起業の相談から事務サポートなど起業に必要なサービスを提供している銀座セカンドライフの片桐実央社長は、「大手企業に長年勤務してきて、何らかの得意分野を持っている方からの相談が多く、全体の相談件数は創業の頃の1.5倍~2倍に達している」と話す。
同社の創業は7年前。当時はまだ「シニア起業」なる言葉もなく、「シニアが働き続けたいとは思わないのでは」、「まして起業なんてあり得ない」などと言われたそうだ。
しかし、最近ではやることが決まっていない人からの相談も増えているようで、そうした人への対応も始めている。
80歳を越えても起業
実際、中小企業白書のデータで、「40歳未満の若者の起業件数」と「50歳以上のシニア起業件数」を比べてみると、2000年頃までは拮抗していた二つのグラフが2002年頃からは逆転してしまい、「シニア起業の方が若者起業より多い」という状態になっている。
実はこのシニア起業が増えている傾向は日本だけではなく、先進各国でも60歳からなんと80歳を越える人まで、シニア世代が起業をするケースが増えている。
こうした高齢者の起業は「シニア・アントレプレナー」または「グレー・アントレプレナー」と呼ばれる。米国の起業家は約2割が55~64歳になるが、最近ではさらに高齢者の起業が増えていると言われている。
成功の五原則
起業すると言うことは、自身が社長になると言うこと。「雇われない生き方」はうまくいけば会社員時代と比べて圧倒的に自由で楽しく、生きがいややりがいを日々感じることができる。
先の片桐社長がシニア世代が起業で成功するための共通点を「ゆる企業五原則」として紹介している。
「ゆる起業五原則」とは、
1、 楽しいと思える仕事をする。
2、 やりがい、生きがいを感じる仕事を選ぶ。
3、 得意分野の仕事を選ぶ。
4、 投資はできるだけ抑え、利益は追求しない。
5、 健康が一番
というものだ。
せっかく始めた事業を長く続けるためには、事業を黒字にするのもともかくとして、上に掲げた五原則を踏まえている人が多いという。
求められるシニアの視点
若い起業家には若いなりの視点がある。同じようにシニア起業家には、若い人にはない視点がある。
自分も同じ世代だから言うのではないが、シニア世代は消費するだけでなく、経験を活かしてもっと表に出て、周囲を引っ張っていくくらいの世の中になればいいと思う。
私も共に頑張りたいと思う。