【目次】
情報活用してますか
経営資源として「ヒト、モノ、カネ、情報」ということが言われる。
少し独断を交えて話しをさせてもらえれば、この4つの中で最も重要であるにも関わらず、最も活用できていないのが「情報」ではないかと思っている。
それは、その他の3つが誰にもすぐにピンとくるのに対して、情報と言われても目には見えないものとしてのイメージが強いためではないかと考えている。
しかし、言うまでもなく情報はあらゆる経営資源や事業活動のきっかけとなる重要な局面に必要なもの。
だからなおさら情報を集めて終わるのでなく、活用するための方策を考えなければならない。
社長に情報を集中させる大切さ
まず情報の活用の前に考えて欲しいのは、それが権限のある人にきちんと集められているかどうかだ。
よく情報の共有化を図る際に、担当者同士であったり、担当者と直属の上司であったり、部門長同士といった会社内の一部だけや、横の共有だけで満足していることがある。
これでは特に中小企業の場合、情報が経営判断につながらない。
特に会社が小さいうちは、社長に情報を集めなければならない。
まず社長に情報を集めて経営判断に活かすことが重要だ。情報を扱えない者同士が、営業や管理部署内で一生懸命にやりとりを行っても、無駄な時間が増えるだけに終わってしまう。
情報を育てる
次に情報を受け取った社長は、情報を発信した人や部署に足りない情報などを質問して情報を肉付け・加工する。
この過程で情報は具体的で質の良いものへと育っていくことになる。
加えて情報の発信者には社長の思いや考え方までが伝わることになり、組織としてのベクトルまでがそろうことになる。
このように社長を通じて、情報は選別され、高付加価値化された後は、それを徹底的に使うことになる。
経営情報は機密性の高いものも多いので、セキュリティレベルを設定して情報を開示する相手を選別する。
そして情報は使えば使うほど、結果なり反応が返ってくる。
その返ってきた情報も社長に返し、さらに情報を育てていく。このサイクルを繰り返していくのである。
格差を広げるIT機器
情報はよく身体を流れる血液に例えられる。
この場合、社長は心臓であったり脳であったりする。
主要な臓器は経営幹部であったり部門長、各セクションの責任者といったところか。
心臓が弱ってくれば、手足の先まで血液が行き渡らなくなり、人間の生活に支障をきたす。
会社でも新鮮で役に立つ情報が会社の中を流れなければ倒産に至るのである。
会社にIT機器を活用する際、こうした流れができている会社とそうでない会社でまったく効果の程度が異なってくる。
いわばIT機器は会社の基本的な情報活用スキルを際立たせるのだ。
そこに手をつけずIT機器の導入を図っても、効果は限られたものでしかないだろう。