【目次】
時給を考える
自分の時給について考えてみたことはあるだろうか。
月曜から金曜まで1日8時間労働としたとき、月21~22日くらい働くと考えれば月間168~176時間労働することになる。
仮に手取りが20万円だとしたら、時給1190円~1136円ということになる。
まあ率の良いアルバイトと同じと言えるだろうか。
ところが、毎日3時間残業をしていたとすればどうなるか。
この場合、月21日で231時間、22日では242時間働くことになり、その分時給は下がる。
手取り20万円だとすれば、何と時給は866円~826円までダウンすることになる。
働く時間と給与の関係を考えることは大切だ。
時給アップに取り組む
そもそも会社員は自分の時間を拘束され、その間に何か成果をアウトプットし、その対価として給与を得る仕組みだ。
だとすれば「時間」をより高い値段で買ってもらうことを考えるべきだろう。
「長い時間」ではなく「短い時間」で同じ報酬が得られるなら、それを目指すべきで、「同じ時間」働くならより多い報酬をもらうべく努力をしてみるべきだ。
転職活動をするときなど、ついつい「年収が今より上がるか」という感覚だけで判断しがちになる。
しかし、「年収と労働時間のバランスで、今よりもプラスか」と考えてみると、キャリアに対する意識はより深まってくる。「年収は少し下がるが、労働時間も大きく減るので時給換算ならこの転職はアリ」なんて発想もあっていいわけだ。
価格の引き上げだけが能じゃない
何とか顧問料を上げたいと考えているコンサルタントがいた。
これまでも何度か値上げをお願いしてきたそうだが、長年携わってきた顧客だけに、なかなか受け入れられてはこなかった。
これ以上また値上げの話を切り出すと、顧問契約を他社に取られることになりかねない。
そこで、そのコンサルタントは報酬を上げるのではなく、時給を上げるように考えを変えた。
つまり、同じコンサルティングをこれまでと同じ価格で請け負い、そのかわり時間を短くしたのだ。
もちろん同じ成果を出すのに工夫は必要だ。
しかし、相手の経営者も忙しいので、同じ成果が出るのであれば、ミーティングの時間を短くすることには賛成されたという。
時間を意識してプライベートも充実
時給に対する考えはそれだけに留まらない。
時給を意識することは時間の価値を認識するに等しい。
いくら労働時間が減ったところで、プライベートにおいても時間の価値を認識できていなければ、真に自由な時間を得ることはできないのではないか。
そうであれば、せっかく働き方改革で時間が手に入っても何にもならない。
ゴルフをしたり、旅行に行ったり、家族や友人と過ごす時間を持ったところで、自分自身がその時間の価値を認識した上で、それをやろうと選択して行っている活動でない限り、それは本当の自由とは呼べない。
当たり前のことだが、使える時間には限りがあることを理解することによって、自分の行動や生活を充実したものにすることができる。