登り切った先の景色を見たか

人生を振り返って見たとき、人それぞれに困難な状況を乗り越えてきた経験を多かれ少なかれ持っているものだ。

先天性の骨形成不全症という難病を持ちながら、「ユニバーサルデザイン」をビジネスとして定着させたミライロの垣内俊哉社長の経験は壮絶だ。

10代の時、自ら命を絶とうと夜中に病院の屋上に行き、柵に手をかけてよじ登ろうとした時、自らの足ではそれすらできないことを知って、柵にしがみついて泣いたという。

そんな時、支えてくれたのが、同じ病室にいた人の「君はちゃんと登り切った先の景色をみたのかい」という言葉だった。

少し周囲を見まわしてみる

そして、「人生はバネなんだよ。いまの君はバネがギュッと縮んでいる時期だ。しかし、そのバネはいつかバシッと伸びる。それを信じて乗り越えなさい」と励ましてくれたという。

この言葉に励まされて、それからは死に物狂いでリハビリに励んだそうだ。


そして、「歩きたいという感情に縛られていたのは自分のことだけを考えていたからだと気づかされたんです。両親や恋人、友人など誰かのために自分の時間を使っていかなくてはいけないと思った時に、歩けなくてもできることがあるのではないか、と少しずつ少しずつ心が変わっていきました」と振り返る。

これが垣内社長の登り切った時に見えた新しい世界だった。

自殺者大国の日本

漠然と企業家になりたいと考えるようになったのもその頃という。
もちろん、それからも想像を越える苦しみを乗り越え、今では障がい者も健常者も誰もが認め合って生きる社会の実現を目指している。

一方、自殺者大国と言われる日本。
最近は年間自殺者数が3万人を下回るようになったとはいっても、まだ高水準で推移している。

一般に景気が悪くなると、「失業→経済的困窮(生活苦)→多重債務→うつ病」という問題を抱える傾向がある。


しかし、「死にたい」と思っている人の多くは、実は同時に「生きたい」とも思っている。
垣内社長の話は、登り切る前に「死」の決断を出すのは早計だと言っている。企業の生死も同じだろう。

続ける中でいろいろな可能性

国は開業率を上げようと躍起になっているが、起業して1年以内の廃業が4割、3年以内の廃業となると7割にも及び、どんなに開業に向けた制度が整えられても起業家を取り巻く環境は厳しい。

しかし、それでも「廃業」の結論を出す前に何とか続けることができないかとギリギリまで考えて欲しい。

垣内社長も、「私たちの事業はまだスタートして8年ですが、多くの方々が私たちの志に共感してくださったことが大きな力になっています。これらの事業はどれも実際に現地に足を運んで多くの方の意見を聞く中で、見えなかったチャンスに気づいて形にしたものです」と話す。

今は共感が力となって、一歩ずつ前進している手応えを感じているそうだ。

株式会社 大阪エルシーセンター CUBE電話代行サービスグループ
CUBE電話代行サービスでは、実際に電話応対をしているオペレーターが、電話代行サービスの魅力やビジネスに関する情報を発信しています。日頃の電話応対のノウハウや様々な業種の導入事例等、電話応対にお悩みの企業様や、電話代行を検討している方は是非ご覧下さい。