【目次】
期初期末は組織を変える良いタイミング
3月期決算の企業にとって、ちょうど今は期初に当たる。
一般に期初期末は人や組織が変わる良いタイミングの時と考えられている。
新入社員が入って華やぐ職場もあるだろう。
だが、それだけではしばらくすれば元の状態に戻ってしまう。
そこで職場でも互いに「褒める」習慣の提案だ。
実際に企業の成長につながる「ほめ育」を提唱する「ほめ育財団」を設立した原邦雄氏は、企業が「褒める」ことを始めて職場の人間関係が良くなり、次々に業績向上を実現している例を作っている。
その導入例は、今や医療や介護、飲食、サービス業をはじめ製造業や金融にも広がっている。
褒め言葉の威力
例えば、医療法人の事業計画に「ほめ育」の導入が図られてから、組織力が強化され、 離職率は3%ダウン、自主提案率の向上が実現した。
この結果、 経常利益は20億円を達成し、好調を維持している。
また、飲食業 でも従業員の定着化が図られ、年間5000万円、3年で1億5000万円もの採用募集費用を低減できたという。
製造業でも前工程、後工程の人間関係が改善でき、業績向上に大いに役立っている様子だ。
こう見れば、誉め言葉の力は軽視できない。
家庭での潤滑油に良いことは簡単に想像できても、企業や社会全体も変えてしまうぐらいの威力があるのだ。
届かない誉め言葉
原邦雄氏は褒めるコツについて、相手のことを知ろうとする心が大切と説く。
知ろうとする心はその人を好きになろうとする行為そのものであり、それは相手と自分が同じ世界を共有し一体となることにつながる。
「1日10秒でいいから褒めたい相手のことを思い浮かべる時間を持つと良い」と原氏は実践方法を話す。
そういえば、夫婦の間でも今日来ている服はどんなだったかとか、なかなか思い出せない。
というか、そもそも見ていなかったりする。
「別に妻を褒めようとは思わない」なんて思っている間はダメだ。
自分が幸せになりたかったら、まず身近な人たちかの観察からきっちり始める必要があるのだろう。
褒めて自分も幸せに
「褒める」の反対は「叱る」ではなく「比較すること」と原氏はいう。
現在は叱ることがとても難しい時代になっていると感じているが、実際に「親から叱られたことがないという若者が増えている」という信じられない話もある。
何しろ注意をしただけでパワハラと受け取られかねないご時世だ。
原氏は「愛情を持って叱るのなら、それは褒めるのと同じ効果を持つ」という。
この「褒める」ことと「叱る」ことのバランスが企業の業績を上向かせるポイントかもしれない。
あなたは一日に何度「褒める」「(愛情を持って)叱る」をしていますか。
褒め上手な人の周りには常に人が集まり、自分自身も幸せになります。是非お試しあれ。