【目次】
【急成長中でもまだまだ】
資金調達の一つの手段としてのクラウドファンディングが急成長中だ。
それでも全世界で5兆円ほどの規模にまで育っているとされているが、日本ではまだ500億円程度でしかない。今後の成長が期待されるところだ。
クラウドファンディングとは、「不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す」(ウィキペディアより)。
新しいプロジェクトや事業を始めるときにとても有効な手段で、出資者側も少額で大きなプロジェクトに関わったり新しいサービスを受けたりすることができる。
【1週間で4000万円】
クラウドファンディングには3つの型がある。
金銭的なリターンがない「寄付型」と金銭的なリターンがある「投資型」、そして、事業やイベント、プロジェクトが提供する権利・物品などをそれに賛同した人が購入し、それによって支援を行う「購入型」。日本の場合、資金決済の法律がある関係で、「購入型」が大半を占めるとされる。
このクラウドファンディングを使って、昨年末解散したSMAPに向けて朝日新聞に応援の広告が出た。募集期間は1週間だったが、その間に国内の購入型クラウドファンディングで史上最多の1万3000人を超える支援者から約4000万円の資金を調達した。
その時は朝日新聞朝刊に8ページに渡って支援者の名前やメッセージが掲載された。
【共感できるストーリーを】
クラウドファンディングのメリットは、プロジェクトや事業を始める前に資金調達ができることとか、テストマーケティングとしての利用もできるなど様々あり、一見取り組み易く見えることから気軽に試そうとする人も多い。
しかし、当然成功するためにはそれなりの準備がいる。
まず、誰か分からない人にお金は集まらないということ。
あなた自身がどういう経歴の人で、なぜそのプロジェクトや事業を始めようとしているのかを知らせる必要がある。また、対象となるプロジェクトや事業は共感できるものか。そこに独特のストーリーが宿っているかどうかだ。
クラウドファンディングに取り組む前に、まず身近な人に自分の取り組みを説得できるかどうかを試してみるのもいいかもしれない。
【安心して利用できる未来へ】
しかし、実際には出資者が困惑している例もある。
それは、出資したものの、事業がうまく軌道に乗っていない場合である。
もう少し言うと、そもそも最初からうまくやる気があったのかと思われる案件もある。こうなるとクラウンドファンディングを運営する会社の信用問題にもなるところだが、なかなかその境界線を見極めるのは難しい。
注目が高い分、負のイメージも強くなりがちだが、日本が世界的な普及に近づくにはそれを乗り越える必要がある。クラウドファンディングを使って資金を集める側、資金を提供する側、そしてそれを運用する側それぞれが、もっともっと成長しなければ安心できる資金調達手段にはなりえないだろう。