バイト敬語としては許されても、ビジネス敬語では許さないことがあります。もしかしたら間違った言葉遣いでお客さんを不快にさせていることがあるかもしれません。
特によく耳にする間違った接客用語の使い方を5個厳選して解説しますので、「使っているかも…」という方はこの機会に直しましょう。
【目次】
間違ったバイト敬語が習慣になっている人は要注意
バイト敬語が習慣になっていると、社会人になってからもつい使ってしまうことがあります。また、バイト敬語を使っていると気づいていない場合もあるでしょう。
いずれにおいても、ビジネスパーソンが間違ったバイト敬語に気づかず堂々と使っているのは恥ずかしいことですし、社会人としての信用に関わります。早いうちに直してしまいましょう。
間違った接客用語の使い方
~になります
商品を指して「〜なります」という言い方は正しくありません。たとえば、カフェで注文した品をテーブルに置く際、「コーヒーになります」という言葉遣いをよく耳にしますが、「コーヒーでございます」か「コーヒーをお持ちしました」が正しい言葉遣いです。
「なります」は「成る」「為る」の丁寧語で、何かが変化するときに使う言葉です。テーブルに置いた瞬間にコーヒーになるのなら間違ってはいませんが、テーブルに置く前にすでにコーヒーである場合、「なります」はおかしいということです。
他にも「おしぼりになります」「メニューになります」など、飲食店では間違った敬語を使いがちですが、「◯◯でございます」に言い換えるだけで印象ががらりと変わるので、ぜひ意識して直してください。
〜のほう
「〜のほう」もよく聞く言葉遣いですが、これも間違いです。「空いているお皿のほう、お下げしてもよろしいですか」という言葉遣いをよく耳にしますが、「〜のほう」は必要ありません。「空いているお皿をお下げしてもよろしいですか」で十分です。
そもそも「〜のほう」は方角を指す言葉なので、上記の文脈で使うのは間違っています。こちらもまた、つい口ぐせで「〜のほう」といってしまう人は多いと思いますが、違和感を覚えるお客さんもいますので気をつけましょう。
〜していただく形になります
「〜していただく形になります」の「形」も余計な表現です。「こちらでお待ちいただく形になります」ではなく、「こちらでお待ちいただいております」と表現します。
ビジネスのシーンでも「◯◯をご用意いただく形になります」といった表現を耳にすることがありますが、「◯◯のご用意をお願いしております」と表現するのが正しい言葉遣いです。
◯◯円からお預かりします
「◯◯円からお預かりします」の「から」も不要な表現です。「〜から」は主に起点を示す表現なので、金銭の授受には使いません。
○○円お預かりします
お釣りがある場合は「○○円お預かりします」と表現しても違和感ありませんが、お釣りがない場合に使うのはいかがなものでしょう?
「預かる」ということは「返す」予定があるときに使う言葉なので、お釣りがないときに「○○円お預かりします」と表現するのは日本語として不自然です。お釣りがない場合は「(◯◯円)ちょうどいただきます」「◯◯円頂戴します」と表現したほうが自然に聞こえます。
おわりに
言葉遣いは時代によって変わるものなので、もしかしたら何年後には今回指摘した言葉遣いが正しい表現として認められているかもしれません。
しかし、現時点では間違った表現とされていますので、口グセになっている方は意識して直しましょう。