日本では残業が当たり前という風潮が根付いていることもあり、残業対策に苦戦している企業は多いことでしょう。残業をするとしっかり休息がとれないまま翌日に出社することになるので業務能率が低下し、また残業が増えるという悪循環に陥ってしまいます。
そこで今回は、残業対策が失敗する5つの原因を解説しますので、自社の体質に問題がないか見直してみてください。
【目次】
残業するには理由がある
一概にはいえませんが、残業は個人個人の能力だけが原因ではありません。到底、定時では終わらない仕事量を割り振ったり、残業が当たり前になっていたり、定時退社に対する意識が低かったり、と会社の体質に問題があることがままあります。
残業対策が失敗するのは、根本的な原因を解決できていないからです。これから残業対策が失敗する原因を解説していきますので、何が残業削減の妨げになっているのか検証してみてください。
残業対策の失敗原因
失敗原因1:残業を先送りしているだけ
「ノー残業デー」はその日の残業は減るものの、他の日の残業時間が増えるだけなので、残業自体は減っていません。「ノー残業デー」だから仕方なく帰宅するものの、家に持ち帰って仕事をしている人もいるので、結局、持ち帰り残業が増えているだけという場合もあります。これは、残業の先送りや持ち帰り残業でカバーしているだけで、残業の根本的な解決にはなっていないのです。
「ノー残業デー」を設定するなら曜日を固定せず、社員が個人個人の仕事の進み具合に応じて自己申告で設定する方が効率的です。
失敗原因2:定時退社することへの罪悪感
残業をしている人をよそに自分だけ定時でそそくさと帰るのには罪悪感がある、という方は多いことでしょう。その申し訳なさから、本当は残業をしなくてもいいのに付き合い残業をしてしまう人もいます。定時退社を避けるために、あえて時間をかけている人もいるかもしれません。
定時退社は悪いことではなく、むしろ推奨すべきです。この悪循環を正すには、早く仕事を終わらせた社員は定時で帰れるように会社が体質を変えなければなりません。
失敗原因3:持ち帰り残業を増やしている
強制的に退社させたとしても、持ち帰り残業が増えるだけでは根本的な解決になっていません。持ち帰り残業のために社外秘の資料や顧客情報を持ち出すと、情報漏えいのリスクが高くなります。
残業対策をするなら、持ち帰り残業も含めて対策すべきです。
失敗原因4:仕事の分担ができていない
仕事ができる人、その仕事に慣れている人は早く業務を終わらせることができるでしょう。しかし、仕その仕事が得意でない、その仕事に慣れていない人は業務に時間がかかり、残業を余儀なくされます。突発的な業務で本来の仕事が遅れることもあるでしょう。
自分の仕事だけ終わらせればいいという考え方では、会社全体の残業は減りません。残業を減らすには、従業員がお互いに仕事を分担しあえる仕組みづくり、コミュニケーションがしやすい環境づくりが必要です。
失敗原因5:残業ありきの考えが払拭できていない
長年残業が当たり前になっていると、残業ありきの考えが払拭できず、残業対策が失敗に終わってしまいます。
残業ありきで仕事をするのと、定時退社を目標に仕事をするのでは集中力が違いますし、どうすれば効率よく仕事をこなせるのかと考える意識も違ってきます。定時退社することを意識づけなければ、結局のところ残業は減りません。
業務を共有することが大切
従業員同士が助け合う意識が、残業をなくすための第一歩ではないでしょうか。自分の仕事だけをこなすのではなく、早く終わったら他の人の仕事を手伝うという意識が根付けば、自然と会社全体の残業は減っていきます。
残業対策がいつも失敗に終わる会社は、まず業務を共有する仕組みをつくりましょう。