一昔前までは、正社員として採用をした場合は副業を禁止するのが一般的でした。正社員として採用した以上は、他の仕事に気を取られずに、本業に専念してほしいというのがその理由です。
しかし、最近では副業を積極的に認める企業が増えてきました。社員が副業をすることで、本業にも好影響があると考えられるようになってきたのです。
本記事では、社員に副業を認めることで会社にとってどんなメリットがあるのか、5つのポイントに絞ってご紹介します。
【目次】
1.社員の収入が増え、生活が安定する
社員が副業をする目的の中で、もっとも大きなもののひとつが収入を増やすことではないでしょうか。本業の給与だけでは足らず、生活に困っている社員は、日々のやりくりに追われて余裕がなくなってしまいます。そんな状態で、高いパフォーマンスを発揮してもらうのはむずかしいでしょう。
社員に本来の実力を発揮してもらうためには、基盤となる生活が安定していなければなりません。しかし、社員の生活費が足りないからといって、気軽に昇給させるわけにもいかないでしょう。副業は、そうした状況を解決する有力な手段となります。
2.自社業務では得られない経験を積める
自社で働いているだけの社員は、決められた業務に従事するだけで新しいスキルが身につきづらい環境にあるといえます。もちろん、同じ業務を続けて、それに習熟していくのは悪いことではありませんが、下手をすると視野狭窄に陥って、仕事のやり方が過度に保守的になってしまう恐れがあります。
副業をしていると、本業とは異なる経験を得られるため、視野狭窄を防ぐことができます。副業で培った経験を、本業の業務改善に活かす例も珍しくありません。
3.自己管理能力が高まり、自立的な人材になる
個人事業主として副業に取り組んでいる場合、すべて自分自身の責任において業務を完結させる必要があります。責任も業務も組織に分散される会社での仕事とは大違いです。
そのため、個人事業主として働いていると、自己管理能力や、自立的な行動力が否応なしに鍛えられます。いずれも汎用的なスキルなので、そうして鍛えられた社員は本業でも活躍してくれるでしょう。
4.新しい人脈ができる
自社の業務のみだと、決まった同僚、決まった取引先、決まった業界内だけでの付き合いになってしまいがちです。人材マネジメントでよくいわれることですが、同質な人間ばかりが集まっていると、新しい発想が生まれにくくなってします。
副業で異なる業界の仕事をしていると、それまで接点のなかった新しいタイプの人物と出会える可能性が高まります。そうして培った人脈を通じて、異業種との協業に発展する可能性も少なくないでしょう。
5.採用に有利に働く
冒頭でも書いたとおり、副業を許す会社は徐々に増えてきています。副業を許可しているというだけで、求職者に開明的で進んだ企業というイメージを与えられるでしょう。反対にいえば、副業を禁止していると旧弊な企業だと思われてしまう恐れもあります。
また、4番目に挙げた人脈の話題と関連しますが、副業をしている社員が異業種の人材を紹介してくれる可能性もあります。
おわりに
いかがでしたか? 企業が副業を解禁するメリットがご理解いただけたと思います。
もし御社がまだ副業を禁止されているなら、この機会に副業解禁を検討されてみてはいかがでしょうか。